自家用車の車内を手作り車中泊仕様にDIY
車中泊をする車は、自家用車に必要な荷物を積み込んで、いつもと違う空間で自由に過ごすのが魅力です。その空間はまるで、子供の頃に憧れた自分だけの秘密基地のようなもの。
ここでは車中泊の魅力や車内を車中泊仕様にDIYする楽しさについてまとめています。
車中泊とは
車中泊とは、車両の中での寝泊まりすることを言います。定義があるとすれば、“車内で食事をして眠ること“となるでしょう。今まで旅行と言えば、ホテルや旅館に宿泊して観光を楽しんだりするのが一般的でしたが、最近では宿泊費を抑えられる「車中泊」が静かなブームとなっていますね。車中泊の魅力をまとめると、
・チェックインやチェックアウトなど、時間に縛られず好きな時間に行動できる
・居住スペースを確保しつつ好きに移動が可能で、旅の自由度が上がる
・車内で自炊もできるので、旅行にかかるお金を節約できる
などがあげられます。旅の自由度が飛躍的に上げられる車中泊旅は、まさに物価が高騰する世の中でも楽しいことがしたい人の願いを叶える新しい旅の手段と言えるでしょう。
車中泊DIYの魅力
車中泊には魅力がたくさんありますが、ホテルや旅館に比べると、やはり不便を感じる点もいくつか出てきます。
「車内という空間に狭さを感じる」
「装備が不十分で快適さが足らない」
「気温の変化に影響されやすい」
など、きちんと車内の環境を整えないと、車中泊は“窮屈で不便“となってしまいます。キャンピングカーや広くて大きな車を購入できないなら、少しでも自分の力で快適な空間に工夫したいと考える方が増えてきました。そこで生まれたのが”車中泊DIY“です。
車中泊DIYの魅力は、
・手作りで車内を改造し、少しずつ快適さを向上させる工程を楽しめる
・自分の生活リズムや癖などを考慮して、車内の環境を整えられる
・オリジナル要素を取り入れて、理想を形にできる楽しさ
キャンピングカーのように完成品を使うのも良いですが、気に入らない部分も出てきます。それなら、一から自分の使い勝手の良いように手作りで作ってみる。自宅のような広い環境を改造するのは大変だけど、車内という限られた空間であればなんとかなりそうな気もします。
これが、車中泊DIYの魅力ではないでしょうか。
DIYで何をつくる?車内を車中泊仕様にするには
では、車中泊DIYは何を作っていけば良いのでしょう。これから車中泊をしようと考えている方は、何から始めればよいかわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは車中泊DIYでつくるものについてくわしく解説していきます。
車中泊ができる寝床(ベッド)をDIY
車中泊の目的でもある「寝床づくり」。これが第一に車内に確保しなければならないものです。快適に眠ることのできるフラットなベッドを作りましょう。考えることは、
・自分の身長くらいの平坦なスペースを確保する
・底冷えの影響がない高さを確保する
・寝心地の良いクッション性があること
・大人が上に乗っても壊れない強度があること
です。上記の条件を満たす素材を使用し、強度を上げるための工夫をして作ってみましょう。
ポイントは、ベッド以外の使い方ができるようにしておくことです。狭い車内で快適性を上げるために、テーブルや椅子代わりにも使えるなどの柔軟さが必要です。
車中泊に必要な装備や荷物を乗せる収納スペースをDIY
次に考えるのは収納スペースを確保することです。車中泊において、快適に過ごそうと思うと、あれもこれも必要に感じて荷物が増えてしまうこともあります。限られた空間に寝床や食事をしたりする空間を確保しなければなりません。だから装備は厳選して積み込み、整理・整頓して配置も考え居住スペースを確保する必要があります。
・天井に収納スペースをつくる
・ベッドの下に収納スペースをつくる
・側面に収納棚をつくる
など、荷物や装備をどこに配置するかを考えて収納スペースをDIYで作っていくことも必要です。ポイントは、「走行中でも荷物が荷崩れしないようにする」ことです。荷物を固定できる工夫が、車中泊DIYには必要であることを踏まえて計画を立てましょう。
車中泊の必須装備(シェード&目隠しカーテン)をDIY
車中泊の三種の神器とも言われるシェードと目隠しカーテンもDIYで自分好みに作ることができます。また、目隠しカーテンは100円ショップのアイテムでも手軽につくれるので、DIY初心者の方はぜひやってみてほしいDIYです。ポイントは、
・カーテンの長さは窓より少し大きいくらいの長さがベスト
・デザインや色で車内の雰囲気を自分好みに変えられる
・比較的簡単に取り付けられるので初心者DIYの方の成功体験におすすめ
市販されているものを選んでも良いのですが、自分好みの車内にアレンジしたい方は挑戦してみてください。
車内で快適に過ごすための居住スペースをDIY
車内で長時間過ごせる環境を整えるために、居住スペースを確保することは大切です。自分が車内に居るときの定位置を決めて、そこから手を伸ばせば必要なものを取ることができるように考えましょう。ポイントは、
・車内では移動することが難しいので、あまり動かなくても済むように考える
・居心地の良さを追求するための配置を考える
・食事や作業したりするときのテーブルをどこに設置するのか
・テーブルや椅子は折りたたんで収納できると広さを確保しやすい
ことです。これらを踏まえて、自分の定位置をどこに置くのかを考える必要があります。
事前に車内のレイアウトはサイズを測って設計図をつくる
車中泊DIYは、自分が理想とする車内空間(レイアウト)をまず紙に書くことが大切です。実際に可能かどうかきちんと測定してからサイズを記入して決めていきましょう。
・寝床の長さや幅を確保できること
・テーブルや椅子の大きさはどれくらいに設定する
・収納棚や収納BOXの配置、大きさを決める
思い付きでやってしまうと、実際に車に設置してみたときに必ず不具合が出てきます。きちんとレイアウトを考えサイズを測ったうえで加工することが大切です。
車中泊DIYに必要な道具&素材
自家用車を自分好みの車中泊仕様にDIYをするときに、素材は何を使えば良いのか。また、加工に必要な道具についてご紹介します。
素材:イレクターパイプ
主に、車中泊用のベッドを自作するときや、収納スペースを作るときに使用できるのがイレクターパイプです。スチールパイプにプラスチックをコーティングしているため、軽くて加工がしやすく、強度も申し分ないため、よく使用されている素材です。
また、錆びにくく屋内での使用はもちろんウッドデッキなどの屋外用にも使用できる素材でもあり車中泊のDIYにおすすめの素材です。
素材:木材(無垢材)
車中泊仕様にカスタマイズされている方で、木材を使用している方も多くいらっしゃいます。使われている木材の多くは、この無垢材と呼ばれるものが多いのではないでしょうか。無垢材は、木を切りだしたそのままの素材なので、溶着剤などの化学製品を一切使っておらず、身体に害のない材であるのが特徴です。
おもにフローリングに用いられることが多く、調湿効果があり室内を快適な環境に整えてくれる働きがあるほか、肌触りがやわらかく気持ちいいのも車中泊DIYに使用されている理由のひとつです。
道具:ハンドカッター(イレクターパイプ専用)
イレクターパイプ専用のハンドカッターです。イレクターパイプを指定の長さにカットするときに、手軽にカットできるので、電動工具を使用することに抵抗を感じる方におすすめの道具です。とくに、女性でも扱える道具として初心者の方におすすめです。
道具:電動工具(電動丸ノコ&電動ドリル)
無垢材のカットやイレクターパイプのカットなど、幅広く使用できる加工するときの便利道具です。車内の形状に合わせた加工が必要なときに使用します。
手動での加工は慣れていないととても苦労しますが、電動工具だと比較的楽に加工することができるので、本格的にDIYをしたい方は一式揃えてみると、加工の幅が広がるのでおすすめです。
電動工具はホームセンターでレンタルしてもOK
電動工具を揃えるのには、かなりの費用がかかります。車中泊DIYの素材を購入する費用も考えると、予算オーバーになってしまうかもしれません。そんなときは、ホームセンターの工具レンタルサービスを利用するのも良いのではないでしょうか。
ホームセンターによっては加工場所も借りることができるので、素材をホームセンターで買ったときに一度店員さんに聞いてみましょう。また、レンタルのほかにカットサービスを提供しているお店もあるので、カットに自信がない方にはおすすめのサービスです。
車中泊DIY時に考慮すべき装備品
車中泊DIYに着手するときには、事前に車内のレイアウトを考えておかなくてはなりません。
レイアウトを考える際に、装備品の位置もどこに設置するのかを明確に決めておきましょう。ここでは車中泊に必要な装備品で、位置決めをしっかりやっておいた方が良い装備品をまとめています。
扇風機や換気扇の位置
扇風機や換気扇の設置場所は、事前に決めておいた方が良いです。カーテンの取り付け時に邪魔になる恐れがあります。換気扇は、車内の湿度対策や、車内で調理をしたときに出る水蒸気を効率よく外に出す効果がある装備品です。
ただ、換気扇のみでは空気がうまく循環してくれないので、扇風機やサーキュレーターで車内の空気の流れを換気扇の方へ流れるようにしておきましょう。そのためには、換気扇を取り付ける位置と反対側にサーキュレーターや扇風機を取り付ける必要があります。これらの位置決めは、レイアウトを考える時点で考慮しておくと、装備を追加していく過程で困らずに追加していくことができます。
ポータブル電源の設置場所
ポータブル電源の設置場所は、家電製品や電気機器を取り付けた場所から電源コードが届くところに配置しなければなりません。また、スマホやタブレットなどの充電に、日常的に使用する機会の多い装備品なので、手を伸ばせば届く位置に設置した方が無難です。そのほか、
・本体が車のシガーソケットからの充電ができる位置であること
・手軽に持ち運びができるようにしておく
・本体を気温から守れるように断熱性のあるもので覆っておく
ことも大切です。ポータブル電源は暑さや寒さに弱く、水を嫌う性質を持っています。何も対策を立てずに放置しておくと、寿命が早まってしまう危険性があるので注意しましょう。
収納BOXの配置
収納BOXは、いくつか使用することになるかと思います。どの収納BOXに何が入っているのかを明確にしておくと、使用するときに便利です。
・「あまり使わないもの」:定位置よりも遠くてもかまわない
・「よく使うもの」:手を伸ばせば手に取ることができる程度のもの
に区分して収納BOXを使い分けると、わかりやすくて重宝します。整理・整頓を心がけることで、広くて使い勝手の良い自分だけの車中泊仕様を作り出すことができます。
本格的な車中泊仕様にするならJackery製品が最適
自家用車を本格的な車中泊仕様にしたいなら、ポータブル電源の装備は欠かせません。快適な居住スペースを整えるためには、電気の力を利用する必要があるからです。ポータブル電源は、屋外で家庭用コンセント(AC100V)が使えることが最大の魅力です。その中で、Jackery製のポータブル電源は、快適な車中泊を送るために必要な特性を持っています。ここではJackery製品が車中泊を快適にする要素とともに、おすすめの製品をご紹介します。
快適な車中泊を追求するならJackeryがおすすめ
Jackery製品の持つ性能や機能を有効に使うことで、快適な車中泊を過ごせるようになります。車中泊に最適な特性と機能としては、
・BMS機能によって過充電や過放電、温度管理を適切に行ってくれる
・長期保証で安心、修理・無料回収サービスでアフターケアも万全
・製品によって最大10個の機器に、同時に電力供給&充電が可能
・ソーラーパネルやシガーソケット、自宅の電源から柔軟に本体を充電することができる
など、車中泊をする中で安定した電力供給が可能です。また、車中泊に必要となる電力も、人によって変わります。Jackery製品なら240Wh~2042Whまで幅広い品揃えがあり、あなたが必要とする容量の適量サイズを選ぶことができます。
車中泊仕様にした自家用車の大きさによっても、適したサイズのポータブル電源を選ぶ必要があります。大きさの目安として、2つのJackery製品をご紹介します。
軽自動車なら「Jackery Solar Generator 1000 Plus」
・1264Whの大容量と2000Wの定格出力
・最大8個の同時充電&電力供給が可能
・ソーラーパネルとセットになったポータブル電源で合計3つの充電方式で本体を充電
軽自動車では車内の広さが限られているため、大きすぎる製品は返って邪魔になってしまいます。重さ14.5kgだから持ち運びが比較的簡単で、容量も大きく3つの充電要素を持った1000Plusが最適です。定格出力も2000Wあるからほぼ全ての家電製品を稼働可能。柔軟な使い方ができ、なおかつ電力不足を感じさせない容量を持っているので軽自動車オーナーにおすすめのポータブル電源です。
ハイエース級なら「Jackery Solar Generator 2000 Plus」
・2064Whの大容量と3000Wの定格出力
・最大10個の同時充電&電力供給が可能
・Jackery専用アプリ対応でスマホから本体を管理できる
・StepCharge急速充電機能搭載で自宅での充電時間を最短2時間でフル充電
主にキャンピングカーやハイエース級のゆったりとした居住スペースを確保できる車での車中泊に最適なポータブル電源です。消費電力の大きい家電製品(電子レンジやホットプレート)でもラクラク同時給電が可能なので、友人や家族で使用しても安定した電力を供給できます。
電力を思う存分使いたい方は、この製品の拡張機能が役に立ちます。最大24kWhまで増設ユニットを追加できるので、ヘビーユーザーでも安心です。
まとめ:車中泊仕様にDIYして車内を秘密基地に
本格的な車中泊仕様にカスタマイズすると、車内はまるで自分だけの“好きな場所に自由に移動ができる秘密基地”となるでしょう。そんな自由性のある車中泊DIYに魅力を感じる方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、車中泊DIYに挑戦するための情報をまとめました。
・自家用車の車内を手作り車中泊仕様にDIY
・DIYで何をつくる?車内を車中泊仕様にするには
・車中泊DIYに必要な道具&素材
・車中泊DIY時に考慮すべき装備品
ちょっと失敗したとしても、味があって自分の努力の成果を感じることのできるDIYは、つくる楽しみと、使う楽しみを味わうことのできます。車中泊DIYであなただけの秘密基地をつくり旅に出かけてみましょう。