1.太陽光発電用ソーラーパネルの9つの種類!それぞれの特徴を解説
太陽光発電用ソーラーパネルは、主に下記の3種類に分かれます。
・シリコン系ソーラーパネル
・化合物系ソーラーパネル
・有機系ソーラーパネル
上記3種類のソーラーパネルはさらに細かく区分されますが、その内訳と特徴・発電効率・コスト感をまとめたものが下記です。
大枠 |
種類 |
特徴 |
発電効率 |
コスト |
シリコン系 |
単結晶シリコン |
現在主流のソーラーパネル |
高め |
高め |
多結晶シリコン |
空き地の活用に向く |
低め |
低め |
|
アモルファスシリコン |
加工しやすい |
低め |
低め |
|
ヘテロ接合型シリコン |
高価だが性能はバツグン |
高め |
高め |
|
化合物系 |
CIS・CIGS |
低コストだが発電効率が悪い |
低め |
かなり安め |
GaAs |
コスパが悪く人工衛星などの一部装置のみ活用 |
かなり高め |
かなり高め |
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CdTe |
カドミウムが有害で日本では製造禁止 |
高め |
低め |
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有機物系 |
有機薄膜 |
実用化には至っていない |
普通 |
低め |
色素増感 |
デザイン向け |
かなり低め |
低め |
それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、個別に見ていきましょう。
①シリコン系ソーラーパネル
シリコン系ソーラーパネルは、住宅用ソーラーパネルでもっとも一般的な種類です。さらに下記4種に細かく分類されます。
・単結晶シリコン
・多結晶シリコン
・アモルファスシリコン
・ヘテロ接合型シリコン
それぞれ詳しく見ていきましょう。
単結晶シリコン:最初のソーラーパネル
最初のソーラーパネルとして開発されたのが「単結晶シリコン」のものです。発電効率が比較的安定しており出力が大きいのがメリットですが、高コストと高温下で性能が低下しやすいのがデメリット。平均気温が高い九州・沖縄などの地域には向かない場合があります。
多結晶シリコン:低コストが魅力
多結晶シリコンは、単結晶シリコン製造時に発生した端材や規格外原料を活用して作ったソーラーパネルです。発電量は単結晶シリコンより劣るものの、低コストで大量生産しやすいのがポイント。広い面積を活用し、安価にソーラーパネルを大量に並べる際に活躍します。
アモルファスシリコン:低コスト・軽量で加工しやすい
アモルファスシリコンとは、特定の結晶構造をもたない特殊な太陽光パネルです。ガラスや金属片の上に、薄膜状の「アモルファス」という状態を作り上げて生成します。
軽量で加工しやすくコストも小さくなりやすいものの、発電効率は他の種類よりも少なくなりがちです。屋根などの限られたスペースに設置するよりも、使っていない空き地を活用する際に向いているでしょう。
ヘテロ接合型シリコン(HIT太陽電池):高価だが性能はバツグン
ヘテロ接合型シリコン(別名:HIT太陽電池)は、アモルファスシリコンと単結晶シリコンを組み合わせた「良いとこどり」のソーラーパネルです。エネルギー変換効率が高く、耐熱性にも優れている性能の高さが魅力。ただし高価な単結晶シリコンを用いて、さらに複雑な製造工程を要するためコストは割高になります。大量設置には向かないのがデメリットです。
②化合物系ソーラーパネル
シリコン以外の素材を用いて作ったソーラーパネルを「化合物系ソーラーパネル」と呼びます。化合物系ソーラーパネルは、さらに下記の3種類に分けられます。
・CIS・CIGS
・GaAs
・CdTe
それぞれの特徴を見ていきましょう。
CIS・CIGS:発電効率は悪いがコストの良さが魅力
CISは銅・インジウム・セシウムの3元素を組み合わせて作ったソーラーパネル。CIGSは3元素にガリウムを加えて作ったソーラーパネルです。発電効率の上限値が低いものの、経年劣化による性能低下が少ない点が注目されています。またシリコン系よりも低コストでの製造が可能なため、現在はあまり普及していないものの、発電効率の上限値が改善されれば主流になる可能性があるといわれています。
GaAs:最強性能だがコスパは悪い
GaAsは半導体に使われる「ヒ化ガリウム」の組成式と同一の名称であり、さまざまなレアメタルを活用した非常に性能の高いソーラーパネルを指します。すべてのソーラーパネルの中でも圧倒的な性能の高さを誇りますが、高コストなため人工衛星など特殊な用途でしか使用されていません。安価にレアメタルを回収する技術などが発見されれば、将来的に主流となる可能性はあります。
CdTe:有害なカドミウムが問題で日本では製造禁止
CdTeは「テルル化カドミウム」により製造されたソーラーパネルです。発電効率の高さやコストパフォーマンスの良さが魅力の高性能ソーラーパネルですが、カドミウムの有害性から日本では製造が禁止されています。カドミウムの有害性を解消する技術が進歩しない限り、おそらく日本での普及はないでしょう。
③有機系ソーラーパネル
有機系ソーラーパネルとは、シリコンやその他の化合物ではなく「有機物」をメインに製造されたソーラーパネルのことです。下記の2つに分かれます。
・有機薄膜
・色素増感
それぞれ見ていきましょう。
有機薄膜:実用化に期待される低コストソーラーパネル
有機薄膜とは、半導体として加工された有機物で作られた物体のこと。有機薄膜で作られたソーラーパネルは環境負荷が小さく、低コストで生産できるのが魅力です。ただし発電後に電力を送る際に電圧の損失が発生してしまうため、2024年1月時点では実用化に至っていません。今後の技術発展に期待がかかっています。
参考:応用物理学会「有機薄膜太陽電池の展望」
色素増感:デザイン性の高さが魅力
色素増感とは、光触媒としても知られる「酸化チタン」のナノ多孔膜を光電極として活用する技術のこと。色素増感ソーラーパネルはフィルムのような形状をしており、色も多彩に選べることから意匠的な分野での活用が期待されています。
しかし発電効率が他のソーラーパネルよりも低く、ごくわずかな用途でしか実用化できていません。低コストで製造できるため、もし発電効率が大幅に向上すればソーラーパネルの主流にもなり得るでしょう。
2.太陽光発電用蓄電池は主に4種類|それぞれの特徴
太陽光発電システムの導入でソーラーパネルとあわせて設置されることが多い「蓄電池」には、主に下記4つの種類があります。
・鉛蓄電池
・ニッケル水素電池
・NAS電池
・リチウムイオン電池
それぞれの特徴を見ていきましょう。
鉛蓄電池:もっとも歴史の長い蓄電池
鉛蓄電池はかつてメジャーだった歴史ある蓄電池の種類です。衝撃に強く安定して蓄電できるのが魅力で、現在でも多くの家庭用蓄電池に採用されています。ただし過放電時の性能低下が他の種類よりも目立つため、実寿命はさほど長くありません(※)。
※過放電の頻度が低ければ、期待寿命は非常に長い17年程度といわれています。
最近では「リチウムイオン電池」などの新しいものに移り変わっていく傾向があります。とはいえメーカーや施工会社から、鉛蓄電池を提案されるケースは現在でもあり得るでしょう。
ニッケル水素電池:高出力・大容量だが寿命は短め
ニッケル水素電池は、その名のとおりニッケルと水素を活用した蓄電池のことです。かつて「ニカド電池(ニッケルカドミウム電池)」が普及していましたが、カドミウムの危険性が指摘されたために代替品のニッケル水素電池が開発されました。
出力や容量が大きいのが特徴ではありますが、寿命は5~7年程度と短めです。家庭用蓄電池に導入されているケースも一部ありますが、主に自動車の車載バッテリーに採用されています。
NAS電池:家庭用は現在販売なし
NAS電池は鉛電池に近い性能を誇るうえ、サイズが従来の3分の1ほどになったコンパクトな蓄電池です。ただし2024年1月現在、家庭用のNAS電池は販売されていません。使われているナトリウム・硫黄などの成分が危険物指定されており、一般家庭で使うには安全性の懸念があるためです。
ただし安全性が確立されれば、NAS電池が家庭用に進出することは十分にあり得ます。「登場したら選択肢に入るかも」程度に思っておくと良いでしょう。
リチウムイオン電池:2024年現在もっともポピュラーな蓄電池
2024年1月現在、もっとも家庭用蓄電池に採用されているのがリチウムイオン電池です。10年前後の長寿命に期待でき、研究次第ではさらなる長寿命化や大容量化が実現できるといわれています。
使用条件や経年による劣化はあるものの、他の種類と比較しその速度は穏やかです。安定した蓄電性能で、多くの家庭の太陽光発電をサポートしています。
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3.太陽光発電におけるソーラーパネルの種類を選ぶ3つのポイント
太陽光発電におけるソーラーパネルの種類は、下記3つのポイントを押さえて選びましょう。
・設置面積
・地域性
・設置場所の耐荷重
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ポイント①:設置面積で決める
まずは設置面積の広さによって、どのソーラーパネルが良いかの大枠を決めましょう。自宅の屋根程度の狭い面積に設置するなら、コストが高い代わりに発電効率が高い単結晶シリコンのソーラーパネルをおすすめします。反対に広い空き地の活用などが目的の場合は、低コストで大量設置できる多結晶シリコン・アモルファスシリコンのソーラーパネルがおすすめです。
ポイント②:地域性で決める
住んでいる地域の気象条件によっても、向いているソーラーパネルの種類は変わります。極端に熱い九州・沖縄などの地域では、現在主流となっている単結晶シリコンのソーラーパネルが向かない場合があります。メーカーの発電量シミュレーション値なども参考にしつつ、住んでいる地域に合うソーラーパネルの種類を絞り込んでいきましょう。
ポイント③:設置場所の耐荷重で決める
設置場所の「耐荷重(耐えられる重さ)」もしっかり確認しておきましょう。古い物置の屋根部分などを活用する場合、単結晶・多結晶シリコンなど重さのあるソーラーパネルの重さに耐えられなくなってしまう可能性があります。この場合は、アモルファスシリコンなどのソーラーパネルを選ぶのが無難です。
なお比較的新しい建物の屋根や空き地に設置するなら、ソーラーパネルの重量はあまり気にしなくても良いでしょう。設置面積・地域性の条件を優先して検討してみてください。
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4.太陽光発電の種類で迷ったら「Jackery Solar Generator」がおすすめ
太陽光発電の種類で迷ったら、シリコン系ソーラーパネルとリチウムイオン電池内蔵ポータブル電源がセットになった太陽光発電システム「Jackery Solar Generator」もおすすめです。据付型の太陽光発電システムとの違いや、活用方法を詳しく見ていきましょう。
「Jackery Solar Generator」と据付型太陽光発電システムの違い
「Jackery Solar Generator」は、据付型の太陽光発電システムと比べて下記4つのメリットがあります。
・設置工事が要らない
・複雑なメンテナンスが不要
・費用が手頃(~50万円)
・角度を自由に調整できる
Jackery Solar Generatorは、ソーラーパネルとポータブル電源を好きな場所に設置するだけで使えます。面倒な設置工事は不要で、定期的な掃除やメンテナンスもほとんど必要ありません。
また費用が圧倒的にお手頃なのもポイント。蓄電池付きの据付型太陽光発電システムは補助金を使っても100万円~300万円かかることがほとんどです。しかし「Jackery Solar Generator」なら、最高クラスのモデルでも50万円以下で済みます。拡張バッテリーの増設(※)やソーラーパネルの追加で、スペックを後から調整することも可能です。
※拡張バッテリーは「Plus」シリーズのみ
さらにソーラーパネルは背面のスタンドで角度を自由に調整できるため、常に日光を最大限に当てて最高効率での発電を実現できます。手軽さやコストパフォーマンスに優れ、発電性能も非常に高い「Jackery Solar Generator」で、あなたの家でも太陽光発電を始めてみませんか。
「Jackery Solar Generator」の活用方法
「Jackery Solar Generator」はJackeryが最高効率で発電・蓄電できるよう設計しているので、どんな用途にもしっかりフィットします。据付型のソーラーパネル・蓄電池と違い持ち運びができるので、下記のような用途でも活用が可能です。
・キャンプで炊飯器を使う
・車中泊で電気毛布を使う
・大規模災害時の非常用電源として活躍する
・日常の活用で家庭の電気代節約 になる
「Jackery Solar Generator」はあなたのアウトドア趣味を加速させたり、最近気になる防災対策の充実度を大幅に上げたりできます。もちろん普段使いして、電気代を節約してもOKです。豊富なラインナップがあるうえ、最新の「Plus」シリーズは10年以上の長寿命を実現。もはや据付型と遜色ない用途で、長きにわたって使えます。ぜひ気に入ったモデルを探して、次世代の太陽光発電をスタートしましょう。
5.まとめ
太陽光発電システムに使うソーラーパネルは主に9種類、蓄電池は主に4種類に分かれています。設置面積や地域性、設置場所の耐荷重などの条件に応じたソーラーパネルを選びましょう。蓄電池はソーラーパネルの出力量などにあわせて、予算内のものを選んでみてください。
太陽光発電の種類に迷ったら、すでに最適な組み合わせとなっている「Jackery Solar Generator」もおすすめです。シリコン系ソーラーパネルとリチウムイオン電池の「ポータブル電源」のセットで、効率の良い発電と室内・屋外での活用をサポートします。電気代を節約したい人やアウトドア趣味の人、災害対策をしておきたい人は「Jackery Solar Generator」を用意しておきましょう。