1.ポータブル電源で冷蔵庫に給電する必要な場面
冷蔵庫は私たちの生活に欠かせない家電です。食品の保管や飲み物の冷却など、さまざまな場面で必要となります。ここでは、ポータブル電源で冷蔵庫を使用する代表的な4つのシーンをご紹介します。
●停電時の食品保管
災害による停電時、冷蔵庫はもっとも心配な家電の一つです。特に夏場は、中身の食品の腐敗リスクが高まります。
停電時に、家庭用冷蔵庫をポータブル電源で稼働させることで、冷凍食品の解凍や生鮮食品の腐敗を防ぎ、非常時でも安全な食生活を維持できます。また、赤ちゃんのミルクや離乳食の保管にも、冷蔵庫の稼働は欠かせません。
●キャンプでの食材管理
アウトドアでの調理を楽しむキャンプでは、ポータブル冷蔵庫が活躍します。生肉や魚介類、乳製品などの食材を新鮮な状態で保管でき、BBQやキャンプ料理のレパートリーが広がります。
また、ドリンクを冷やして楽しむことも可能。夏のキャンプで、キンキンに冷えたビールをたしなむのもラクラクです。至福の一杯を、ポータブル電源と冷蔵庫の組み合わせで堪能しましょう。
●車中泊での快適生活
車中泊時は車載冷蔵庫があると便利です。長期の旅行やキャンプでも、食材や飲み物を新鮮な状態で保管できます。また、薬品など温度管理が必要なものの保管も可能です。
エンジンを切った状態でもポータブル電源があれば、一晩中冷蔵庫を稼働させることができます。車のバッテリーから電源を取るとバッテリー上がりが不安ですが、ポータブル電源があればその心配は無用です。
●現場作業での飲料管理
建設現場や野外イベントなど、電源が確保しにくい場所でも、ポータブル冷蔵庫があれば作業員の熱中症対策として冷たい飲み物を提供できます。また、休憩時の弁当や食材の保管にも活用でき、作業環境の改善につながるでしょう。
2.家庭用冷蔵庫の消費電力はどのくらい?
家庭用冷蔵庫が1日に消費する電力を知ることは、ポータブル電源を使える時間の算出に重要な情報です。まずは消費電力がどのくらいなのか、確認していきましょう。
●サイズが大きくなっても、消費電力はそれほどアップしない
家庭用冷蔵庫の消費電力量は、サイズが大きくなってもそれほどアップしないことが特徴です。資源エネルギー庁が公表する「省エネ性能カタログ2023年版」のデータを、以下に示しました。
方式やサイズ |
年間消費電力量の平均値(kWh) |
1日当たりの消費電力量(Wh) |
間冷式 定格内容積140リットル以下 |
273 |
747.94 |
間冷式 定格内容積141~200リットル |
295 |
808.21 |
間冷式 定格内容積201~250リットル |
310 |
849.31 |
間冷式 定格内容積251~300リットル |
312 |
854.79 |
間冷式 定格内容積301~350リットル |
343 |
939.72 |
間冷式 定格内容積351~400リットル |
345 |
945.20 |
間冷式 定格内容積401~450リットル |
353 |
967.12 |
間冷式 定格内容積451~500リットル |
272 |
745.20 |
間冷式 定格内容積501リットル以上 |
279 |
764.38 |
直冷式 |
200 |
547.94 |
1日当たりの平均消費電力量は、間冷式が750~1,000Wh、直冷式が562Whです。1000Wh以上の容量のポータブル電源であれば、多くの冷蔵庫をまる1日動かすことが可能です。
●ポータブル冷蔵庫や車載冷蔵庫の消費電力はどれぐらい?
ポータブル冷蔵庫と車載冷蔵庫の消費電力は、一般的な家庭用冷蔵庫と比べてかなり小さくなっています。あくまで目安ですが、ポータブル冷蔵庫と車載冷蔵庫の定格消費電力は以下のとおりです。
● 小型(20L未満):45W程度
● 中型(20~40L):45W~60W程度
● 大型(40L以上):45~80W程度
なお初期冷却時は定格消費電力どおりの電力を必要としますが、設定温度に達した後は低消費電力での断続運転となります。つまり、実際の消費電力量はかなり少なくなることが多いです。
たとえば300Whのポータブル電源で、毎時45Wを消費する車載冷蔵庫を接続すると「300Wh÷45W×80%(電力ロス)」で5~6時間ほどしか使えない計算になりますが、実際には10時間以上余裕で動くこともあります。ただし、30℃を超える夏場に使う場合などは消費電力が大きくなりがちなため、容量に余裕があるポータブル電源選びがおすすめです。
●省エネにつながる機器選びが重要
冷蔵庫の電力使用量は、サイズよりも機種によるばらつきが大きくなっています。「省エネ性能カタログ2023年版」では、消費電力量の最小値と最大値も公表しています。以下の表で確認していきましょう。
方式やサイズ |
年間消費電力量(kWh) |
1日当たりの電力量(Wh) |
間冷式 定格内容積140リットル以下 |
89~335 |
243.83~917.80 |
間冷式 定格内容積141~200リットル |
93~326 |
254.79~893.15 |
間冷式 定格内容積201~250リットル |
247~395 |
676.71~1082.19 |
間冷式 定格内容積251~300リットル |
175~382 |
479.45~1046.58 |
間冷式 定格内容積301~350リットル |
164~520 |
367.12~1424.66 |
間冷式 定格内容積351~400リットル |
323~540 |
884.93~1479.45 |
間冷式 定格内容積401~450リットル |
130~334 |
356.16~915.07 |
間冷式 定格内容積451~500リットル |
229~489 |
627.40~1339.72 |
間冷式 定格内容積501リットル以上 |
217~410 |
594.52~1123.29 |
直冷式 |
98~400 |
268.49~1095.89 |
401リットル以上の大きな冷蔵庫でも1日当たり600Wh程度の消費電力量で済む機種がある一方で、300リットル台の容量で1日当たり1,500Whを要する機種もあります。消費電力量が大きくなると電気代が高くなり、ポータブル電源も活用しにくくなります。冷蔵庫の選定には、省エネにつながる機器選びが重要です。
3.ポータブル電源は冷蔵庫を何時間稼働できる?
ポータブル電源だけで冷蔵庫を稼動させた場合、最大でどのくらい使えるのでしょうか?ここではJackery(ジャクリ)の代表的なポータブル電源を例に挙げ、冷蔵庫を動かせる時間を以下に示しました。
機種名\冷蔵庫の消費電力 |
家庭用冷蔵庫(172リットル)(15W-520W) |
車載冷蔵庫(60W) |
Jackeryポータブル電源2000New(容量:2042Wh) |
3.2h時間~72時間 |
72時間(0℃保温) |
Jackeryポータブル電源1000New(容量:1070Wh) |
1.7時間~38時間 |
15時間~38時間 |
Jackeryポータブル電源3000New(容量:3024Wh) |
5時間~70時間 |
43時間~70時間 |
ポータブル電源を冷蔵庫の保温(0℃)だけに使う場合、24時間前後であれば1070Wh程度のポータブル電源でまかなえることがわかります。
3.冷蔵庫を稼働できるポータブル電源おすすめ8選

ポータブル電源を冷蔵庫の給電に使うなら、Jackery(ジャクリ)の製品がおすすめです。冷蔵庫は24時間使うものですから、接続するポータブル電源には静粛性と安全性が求められます。Jackeryのポータブル電源は静かで高い安全性を備えているため、安心して使えます。
またポータブル電源を充電しながら、同時に機器への給電を行う「パススルー充電」は、電池への負荷がかかりがちです。また、EPS又はUPS機能を搭載しており、パススルー充電機能と併用すれば、突然停電が起きた場合でも中断のない電力を冷蔵庫に供給できます。
さらに、ソーラーパネルとセットで使えば、長期間の停電が起きても太陽光発電で繰り返し充電して冷蔵庫に給電できるので安心です。ここからは、冷蔵庫の稼働におすすめのポータブル電源を紹介します。
●Jackery Solar Generator 2000 New|2,000Wh容量帯で業界最小・最軽量モデル
製品名 | Jackery Solar Generator 2000 New |
容量 |
2042Wh |
定格出力 |
2200W/正弦波(最大瞬間出力:4400W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
家庭用冷蔵庫(15W~520W):3.2時間~72時間 |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ3 |
充電時間 |
AC充電:1.7時間(緊急充電モード) |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 1000 New 200W |1,000Wh容量帯の業界最軽量の定番モデル
製品名 | Jackery Solar Generator 1000 New 200W |
容量 |
1070Wh |
定格出力 |
1500W/正弦波(最大瞬間出力:3000W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
家庭用冷蔵庫(15W~520W):1.7時間(冷凍)~38時間(0℃保温) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ3(最大100W) |
充電時間 |
AC充電:1時間(緊急充電モード) |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 3000 New||3,000Whクラスで業界最小・最軽量モデル
製品名 | Jackery Solar Generator 3000 |
容量 |
3072Wh |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
家庭用冷蔵庫(15W~520W):5時間(冷凍)~70時間(0℃保温) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ4(最大100W) |
充電時間 |
AC充電:2.5時間(緊急充電モード) |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 2000 Plus|容量が最大24Kwhまで拡張可能
製品名 | Jackery Solar Generator 2000 Plus |
容量 |
2042Wh(最大24Kwhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
家庭用冷蔵庫(15W~520W):3.1時間(冷凍)~70時間(0℃保温) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ4(最大100W) |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 1000 Plus |容量を最大5Kwhまで増設可能
製品名 | Jackery Solar Generator 1000 Plus |
容量 |
1264Wh(最大5Kwhまで拡張可能) |
定格出力 |
2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
家庭用冷蔵庫(15W~520W):2時間(冷凍)~44時間(0℃保温) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ4(最大100W) |
充電時間 |
AC充電:1.7時間 |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100W |防災にもアウトドアにもちょうどいい中容量モデル
製品名 | Jackery Solar Generator 600 Plus 100W |
容量 |
632Wh |
定格出力 |
800W/正弦波(最大瞬間出力:1600W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
家庭用冷蔵庫(15W~520W):1時間(冷凍)~37時間(0℃保温) |
出力ポート数 |
ACⅹ2、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ3(最大100W) |
充電時間 |
AC充電:1時間(緊急充電モード) |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 240 New 100W|リュックに入れる小型モデル
製品名 | Jackery Solar Generator 240New 100W |
容量 |
256Wh |
定格出力 |
300W/正弦波(最大瞬間出力:600W) |
冷蔵庫の稼働時間 |
車載冷蔵庫(60W):4時間(冷凍)~17時間(0℃保温) |
出力ポート数 |
ACⅹ1、DCⅹ1、USB-A/Cⅹ3(最大100W) |
充電時間 |
AC充電:1時間(緊急充電モード) |
保証期間 |
5年間 |
●Jackery Solar Generator 1500 Pro|ジャクリ ソーラー ジェネレーター1500プロ
Jackery Solar Generator 1500 Proを使えば、ほとんどの冷蔵庫に対して1日以上電気を供給できます。寿命は2,000サイクルの長さを誇ります。80%の電池残量で472日間保管できる保存性の高さに加えて、充電時でも46デシベル以下の静粛性も魅力的です。「万が一の際も冷蔵庫を使いたいが、費用も抑えたい」という方におすすめです。
安全性を高めるさまざまな機能も搭載しています。
・8基の温度管理システムと2つのスマートチップによる高度な温度制御
・マルチダクト設計により、従来モデルと比べて冷却効率が30%向上
・0.9メートルから3度の落下にも耐える耐衝撃設計
・アメリカUL規格で最高となる、94V-0の耐火素材を使用
Solar Generator 1500 Proの主なスペックを、以下の表で確認していきましょう。
製品名 | Jackery Solar Generator 1500 Pro |
容量 |
1512Wh |
定格出力 |
1800W/正弦波(最大瞬間出力:3600W) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
保証期間 |
5年間 |
4.冷蔵庫をポータブル電源で使う5つのコツ
電力会社の電気と異なり、ポータブル電源から給電できる電力は限られています。少しでも冷やせる時間を長くするために押さえておきたい5つのコツを確認していきましょう。
①冷蔵庫への給電に適したポータブル電源を選ぶ
冷蔵庫をポータブル電源で使うためには、冷蔵庫への給電に適したポータブル電源を選ぶことが重要です。ここでは2つのポイントを取り上げ、冷蔵庫の使用に向けてどのようなポータブル電源を選べばよいか解説します。
●容量は大きいほど長い時間使える
ここまで解説したとおり、冷蔵庫は1日で800Wh~1,500Wh程度の電力を消費します。容量の大きいポータブル電源を選べば、冷蔵庫を長い時間動かし続けることが可能です。
容量が大きくなると定格出力も高くなる製品が多いため、より多くの家電をつないで使えることも魅力といえるでしょう。ポータブル電源を選ぶ際は、できるだけ電池容量の大きい製品を選ぶことをおすすめします。
●交流100Vの出力は正弦波であること
ポータブル電源には交流100Vの出力があり、冷蔵庫の差込プラグを挿して使えます。交流100Vの出力波形は、市販のポータブル電源により以下の3種類に分かれることに注意してください。
l 正弦波(滑らかな波形。電力会社から供給される電力と同じ)
l 矩形波(長方形を等間隔に並べた波形)
l 修正正弦波(矩形波を正弦波の形に近づけたもの)
冷蔵庫を使うためには、正弦波を出力するポータブル電源を選びましょう。矩形波や修正正弦波のポータブル電源を使うと、正常に稼働しないおそれがあります。Jackeryのポータブル電源は正弦波を使っているため、安心してお使いいただけます。
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②ソーラーパネルを用意すると長期間の停電時でも安心
冷蔵庫はポータブル電源だけでもある程度の時間の給電が可能ですが、電池切れが気になる方は多いでしょう。ソーラーパネルがあれば停電時でも太陽光を使って充電できるため、電池切れのリスクが減ります。Jackeryではポータブル電源とソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」を発売しており、購入後すぐに充電を始められることが魅力です。
③ドアの開閉は最小限にとどめる
そもそも冷蔵庫は、食品を低い温度に保つ家電です。ドアを開けると暖かい空気が庫内に入り込むため、再び低温に戻すための電力が必要となります。開閉する回数が多いほど、またドアを開けている時間が長いほど、より多くの電力が必要です。
資源エネルギー庁では、ドアを開ける時間を20秒から10秒に減らすことで、年間で6.1kWhの省エネを実現できると公表しています。また冷蔵庫のドアの開閉回数を2倍に増やすと、年間で10.4kWhの電力が余分に消費されることも公表しています。ドアを開ける回数はできるだけ少なく、またできるだけ短い時間で閉めることで電力量を抑えることが可能です。
④食品を詰め込み過ぎないよう注意する
ディスカウントスーパーに行ったときなど、安さにつられてあれもこれもと買ってしまう方も多いのではないでしょうか?冷蔵庫に食材が詰まっていると安心しがちですが、冷蔵庫が消費する電力量は多くなり、電気代も増えます。
資源エネルギー庁では冷蔵庫に保管する食材を半分の容量に抑えることで、いっぱいに詰め込んだ場合と比べて年間で43.84kWhもの省エネを実現できると公表しています。思ったよりも消費電力量が増えることに、意外さを感じた方も多いのではないでしょうか?
せっかく安い食材を購入しても、電気代が増えてしまったのでは本末転倒です。食材の購入は冷蔵庫の容量の半分程度を目安にしましょう。家族が多い場合は、大きめの冷蔵庫を購入しておくこともおすすめです。
⑤省エネ性能が高い冷蔵庫を選ぶ
冷蔵庫の消費電力量は、年々下がり続けています。一方で消費電力量は機種によるばらつきが多いです。省エネ性能が高い冷蔵庫を選ぶことで、ポータブル電源から供給できる時間を増やせます。
家電には、省エネ性能を示す「統一省エネラベル」があります。省エネ基準を達成した機種は緑色のマークやラベルで表示されていますから、目安にするとよいでしょう。できるだけ高い省エネ性能をご希望の方は、点数が5点(5つ星)に近い製品を選んでください。
5.省エネに優れた冷蔵庫と大容量のポータブル電源を選ぼう
冷蔵庫は大型になったからといって、消費電力量が多くなるとは限りません。むしろ技術の向上により、サイズは大きくなったが消費電力量は少なくなる場合も多いでしょう。冷蔵庫は省エネ性能に優れた製品を、ポータブル電源はできるだけ大容量の製品を選ぶことで、停電などいざという事態でも長い期間電気を供給できます。冷蔵庫に保管している食料も、安心して使えることでしょう。
Jackeryでは、ポータブル電源とソーラーパネルがセットされた「Jackery Solar Generator」を発売しています。冷蔵庫をポータブル電源で動かしたい方は、この機会にJackery製品の購入をぜひご検討ください。
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