リチウムイオン電池の寿命とはどのぐらい?寿命を伸ばす6つのコツも紹介
リチウムイオン電池は、日々の生活に欠かせない電池です。長持ちするか気になる方も、多いのではないでしょうか?そもそもリチウムイオン電池の寿命とはどのような状態なのか、またリチウムイオン電池を長持ちさせるポイントもぜひ知っておきたいです。この記事で、しっかり確認していきましょう。
リチウムイオン電池の寿命とはどんな状態?
リチウムイオン電池は寿命が来ても、見た目に大きな変化が起きない場合も少なくありません。また寿命は、お使いの状況によっても大きく変わります。リチウムイオン電池はどのような状態になったら、寿命となるのでしょうか。寿命が来た後に行うべき方法も含めて、解説していきます。
●容量が新品の5割~8割に落ちた状態
リチウムイオン電池の寿命は、電池の容量で知ることができます。新品の容量と比べて、5割から8割に落ちた状態が寿命です。Jackeryでは、電池の容量が新品の7割から8割になった段階を寿命としています。
実際には以下の現象が起きることで、リチウムイオン電池の寿命を知ることになるでしょう。
・充電しても、機器を使える時間が短くなった
・以前よりも充電時間が短くなった
リチウムイオン電池を採用したポータブル電源の寿命については、以下の記事もご覧ください。
関連人気記事:ポータブル電源の寿命とは?寿命を延ばす方法を解説
●リチウムイオン電池の寿命を迎える年数は使用状況によって大きく変わる
リチウムイオン電池の寿命は、電池残量0%から100%まで充電する回数「サイクル数」で示されます。一般的なリチウムイオン電池の寿命とされる「サイクル数500回」は、電池を使い切った後に満充電にする作業を500回行える性能を意味します。もし1回の充電で電池残量を50%増やすだけで済ませるなら、1,000回充電できるというわけです。
このためリチウムイオン電池の寿命を迎える年数は、電池の使用状況に大きく左右されます。「サイクル数500回」の電池を購入して1年半経過した場合、寿命かどうかは日々の使い方により以下のように分かれます。
・毎日電池残量が0%になるまで使い、その都度満充電にしている場合は、寿命
・2~3日に1回充電している場合は、まだ寿命ではない
リチウムイオン電池は、電池残量0%付近と100%付近で劣化しやすいことが特徴です。電池残量が20%の段階で充電し、75%~85%になったら充電を止めることで、寿命を延ばすことが可能です。
●寿命が来たリチウムイオン電池は交換や本体の買い換えが必要
寿命が来た電池は、交換しなければなりません。電池を簡単に取り外せる機器なら、新しい電池を入手して電池交換を行うことで対応できます。
一方で電池が本体に固定されている製品の場合、交換は簡単ではありません。店舗への持ち込みやメーカーへ送付して、専門の技術者による交換作業を受ける必要があるでしょう。ポータブル電源やモバイルバッテリーの場合は、機器まるごとの取り替えを要するケースも少なくありません。
リチウムイオン電池の寿命はどのくらい?
リチウムイオン電池はよく使われる三元系やリン酸鉄系のほかにも、いくつかの種類に分かれています。リチウムイオン電池それぞれの寿命は、以下のとおりです。
・三元系:500回~2,000回
・リン酸鉄系:1,500回~4,000回
・コバルト系:500回~1,000回
・マンガン系:300回~700回
リン酸鉄リチウムイオン電池の寿命の長さは、特徴的です。Jackery(ジャクリ)ではPlusシリーズポータブル電源で、4,000回もの充電・放電が可能な製品を提供しています。
●寿命が来た電池は適切に廃棄しよう
寿命が来たリチウムイオン電池は、安易に「燃えないごみ」として排出してはいけません。実際に各地で、ごみ収集車やごみ焼却施設の火災事故につながっています。自治体の指示に従い、適切に廃棄しましょう。
また以下の電池は、自治体以外でも回収しています。
・小型家電は「小型家電リサイクルボックス」などで回収
・モバイルバッテリーなど小型充電式電池は、家電量販店などで回収
・ポータブル電源を回収するメーカーもある
Jackery(ジャクリ)ポータブル電源は、Jackeryでリサイクルサービスを行っています。廃棄する際の心配をせずに購入できることは魅力的です。
寿命が来たリチウムイオン電池を使い続けるとどうなる?
寿命が来たリチウムイオン電池の処分は、もったいないと感じる方もいるのではないでしょうか?しかし電池を無理に使い続けると、さまざまな不都合が生じます。最悪の場合は発煙や火災などの事故や、ご自身がけがするなどの事態を招くかもしれません。
トラブルを防ぐためには、寿命の状態を知ることが有効です。寿命が到来したリチウムイオン電池を使うとどのような不都合があるか、3つに分けて確認していきましょう。
●充電してもすぐに容量が減り、家電を動かせなくなる
リチウムイオン電池は寿命が来ると、電池に貯められる容量が減ります。新品の電池と寿命が来た電池では、同じ100%でも使える電池残量が異なるわけです。
寿命が来た電池は、同じように家電を使ってもすぐに容量が減り家電を動かせなくなってしまいます。そればかりでなく残量が突然0%になり、電源が切れる場合があることにも注意が必要です。これでは安心して使うことができません。
●家庭用のコンセントなどで充電できない
寿命が来た電池は、いくら充電しても満充電にならないという現象も起こります。何日かけても100%にならない場合は、電池が消耗している可能性があります。
但し満充電にならない理由には、「80%の段階で充電を止める」などの設定がされている場合もよくあります。充電が進まない場合は電池の寿命を疑う前に、機器の設定もご確認ください。
●電池や家電本体が変形する場合もある
リチウムイオン電池は経年劣化により、内部で少しずつガスが発生します。発生したガスは逃げ場がないため電池の内部にたまり、電池の膨らみにつながります。過充電や過放電、高温や低温の環境下では、ガスが貯まりやすいことに注意が必要です。
またリチウムイオン電池を内蔵する機器では、電池の膨らみが本体の変形につながる場合があります。ノートパソコンではキーボードが変形する、電源ボタンを押せないといった故障につながるかもしれません。スマートフォンの場合は、画面や本体の破損につながるおそれもあります。
リチウムイオン電池の寿命を伸ばす6つのコツ
せっかく購入した機器は、できるだけ長く使いたいものです。ここからはリチウムイオン電池の寿命を伸ばすコツを、6つに分けて紹介します。
①寿命の長い製品やメーカーを選ぶ
リチウムイオン電池の寿命は、製品やメーカーによってさまざまです。例えば同じ三元系でも500回が寿命の製品もあれば、「Jackery ポータブル電源 1500 Pro」のように2,000回の寿命を誇る製品もあります。
電池を選ぶ際には仕様や性能をよく確認して、寿命の長い製品を選びましょう。Jackery(ジャクリ)はバッテリーの長寿命化に取り組んできたメーカーですのでおすすめです。
②満充電の状態を避ける
リチウムイオン電池の寿命を延ばすためには、満充電(充電100%)の状態を避けることが重要です。満充電の状態は電解液の分解などにより、電池を傷めてしまいます。
バッテリーやポータブル機器のなかには、80%~85%程度で充電を停止できる製品もあります。この機能が搭載されている場合は有効に活用し、電池の劣化を防ぎましょう。
③電池の容量がなくなる前に充電する
リチウムイオン電池では、電池の容量がなくなる前に充電しましょう。電池残量が20%になった段階で充電することをおすすめします。電池残量が0%の状態が続くと、電池を著しく劣化させることが理由です。
リチウムイオン電池は残量が0%になっても、さらに放電を続けます。この状態が続くと放電終止電圧を下回る「深放電」の状態になり、再度充電するとショートの原因となるおそれがあります。これを防ぐ目的で「0V充電禁止機能」を設けているバッテリーでは、深放電になると使えなくなってしまいます。容量が少なくなったら、早めに充電しましょう。
関連人気記事:【徹底解説】バッテリー(電池)を長持ちさせるための方法|ポータブル電源
➃高温での保管や使用を避ける
高温での保管や使用を避けることも、寿命を延ばすコツです。リチウムイオン電池は40℃~45℃以上になると、バッテリーの劣化が始まるといわれています。内部にあるリチウムイオンの減少は、劣化の理由に挙げられています。
国立研究開発法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センターが2020年3月に公表した調査報告書「リチウムイオン電池の劣化挙動調査」では、リン酸鉄リチウムイオン電池を保存した場合の劣化試験を行った結果について、以下のように記しています。
温度が25℃の場合400日でも100%の容量を維持しており劣化が進みにくいが、温度が高くなって40度だと400日で94%、60℃だと80%以下と劣化が進みやすくなる。その主な理由として、負極にSEI(Solid Electrolyte Interface)と呼ばれる膜の形成が進み、SEI中にリチウムイオンが捕捉され、移動リチウムの量が減少するため、と考えられる。
引用:国立研究開発法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター「リチウムイオン電池の劣化挙動調査」 p4
高温での保管や使用は不都合な面が多いため、可能な限り常温で使うとよいでしょう。
関連人気記事:ポータブル電源の安全使用方法、メンテナンス
⑤パススルー充電非対応の機種では充電中に家電を使わない
これから使おうとする機種がパススルー充電に対応していない場合は、充電中に機器を使わないようにしましょう。充電中は電池が発熱しますが、機器を使う際にも発熱します。充電中に機器を使うと発熱する要因が2つ重なるため、電池の温度がより高くなり劣化を促進するためです。
一方でパススルー充電に対応する機種の場合は、設計により充電中に機器を使っても負荷がかからないようにできます。充電中でも気にせず使える点が強みです。
関連人気記事:ポータブル電源のパススルー充電とは|仕組み・必要性・メリット・デメリットを紹介
⑥保管前には電池残量を60%~80%程度にする
長期保管する場合、電池残量を100%にして保管する、電池を使い切って保管する方法は、どちらも電池を傷めます。一方で電池残量が20%~80%の範囲内であれば、悪影響はありません。保管する際には、電池残量を60%~80%の状態にすることがおすすめです。
また保管中も自然放電により、少しずつ電池残量は減少します。ときどき残量をチェックして、充電し直すと安心です。Jackeryのポータブル電源では、6カ月ごとのチェックをおすすめしています。
関連人気記事:ポータブル電源の安全使用方法、メンテナンス
長寿命ポータブル電源ならJackery(ジャクリ)がおすすめ!
長く使えるリチウムイオン電池を使ったポータブル電源をお求めの方は、Jackery製品がおすすめです。2023年からはリン酸鉄リチウムイオン電池を使った製品も発売開始し、より長持ちする製品を提供しています。ここからはJackery製品の特長と、おすすめする4つの製品を紹介します。
●Jackery製品は寿命の長さが特長
Jackery(ジャクリ)では、ポータブル電源の寿命を示す「サイクル数」のアップに努めてきました。競合他社と比べても、より長く使えることは特長の一つです。
「ポータブル電源708」や「ポータブル電源1000」の寿命は500サイクルでしたが、「ポータブル電源 2000 Pro」では1,000サイクル、「ポータブル電源1500 Pro」や「ポータブル電源 3000 Pro」では2,000サイクルの寿命を達成しました。
一方でリン酸鉄リチウムイオン電池を使用するPlusシリーズでは、4,000サイクルの寿命となっています。1日1回使っても、10年以上使えることは魅力的です。
●おすすめ長寿命ポータブル電源①:Jackeryポータブル電源 2000 Plus
「Jackeryポータブル電源 2000 Plus」はリン酸鉄リチウムイオン電池を使う製品で、充電と放電を4,000回繰り返した後も70%以上の容量を保持できます。本体には「バッテリー残量警告灯」を備えており、残量が20%未満になると点灯、5%未満になると点滅します。充電するタイミングが簡単にわかる製品です。
Jackeryアプリを使えば、充電を85%に抑え、放電を15%に制限する機能も使えます。この機能により、寿命を1.5倍に延長できます。
定格出力は3000W、容量は2042Whです。本体だけでも十分に使えるでしょう。容量が足りない場合はバッテリーパックを5個まで追加でき、12kWhまで拡張可能。並列運転を行えば、24kWhまで拡張できます。
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 |
2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
寿命/サイクル数 |
約4000回サイクル |
保証期間 |
5年間 |
●おすすめ長寿命ポータブル電源②:Jackeryポータブル電源 1000 Plus
「Jackeryポータブル電源 1000 Plus」も、リン酸鉄リチウムイオン電池を使う製品です。「ポータブル電源 2000 Plus」と同じく、以下の機能を備えています。
・充電と放電を4,000回繰り返した後も、70%以上の容量をキープできる
・電池残量が20%未満になると、バッテリー残量警告灯が点灯。5%未満になると点滅
・Jackeryアプリの活用で、充電を85%、放電を15%に抑える機能を使える
定格出力は2000W、容量は1264Whで、ほとんどの家電を動かせます。容量が足りない場合はバッテリーパックを3個まで追加でき、5kWhまで拡張可能です。
製品名 | Jackeryポータブル電源1000Pro |
容量 |
1264Wh(5kWhまで拡張可能) |
定格出力 |
2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
満充電時間 |
AC充電:1.7時間 |
寿命 |
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用 |
保証期間 |
5年間 |
●おすすめ長寿命ポータブル電源③:Jackeryポータブル電源 1500Pro
「Jackeryポータブル電源 1500 Pro」は三元系リチウムイオン電池の製品ですが、寿命の長さが魅力的です。2,000回の充放電を行っても、70%の容量を確保できます。
自然放電の少なさも、この製品の特徴に挙げられます。80%の電池残量で472日間もの長期間にわたる保管が可能です。災害など万が一の事態に向けた備えにも向いています。
定格出力は1800W、容量は1512Whです。多くの家電を動かせることも、特長の一つに挙げられます。
製品名 | Jackery Solar Generator 1500 Pro |
容量 |
1512Wh |
定格出力 |
1800W/正弦波(最大瞬間出力:3600W) |
出力ポート数 |
ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2時間 |
保証期間 |
5年間 |
●おすすめ長寿命ポータブル電源➃:Jackeryポータブル電源 3000 Pro
「Jackeryポータブル電源 3000 Pro」も、寿命の長い製品です。充電・放電を2,000回繰り返しても、初期容量の70%を保持します。
本体ではJackery製品最大のパワーを持つことも、魅力の一つです。定格出力は3000W、容量は3024Whもの大容量を備えています。99%の家電をこの製品で動かせるとともに、家庭用電源なら2.8時間で充電を完了できるスピードも魅力的です。またJackeryアプリを使うことで、バッテリーの寿命を延ばすことも可能です。
製品名 | Jackery Solar Generator 1500 Pro |
容量 |
3,024Wh |
定格出力 |
3,000W/正弦波(最大瞬間出力:6,000W) |
出力ポート数 |
ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 |
AC充電:2.8時間 |
寿命/サイクル数 |
2,000回のサイクル数 |
保証期間 |
5年間 |
使い方と選び方を工夫し、電池を長持ちさせよう
リチウムイオン電池は、寿命の長い電池です。しかし満充電や電池切れの状態、高温での使用は、寿命を縮めることに注意しなければなりません。使い方の工夫で、リチウムイオン電池の寿命を延ばせます。電池残量を20%から85%の間に保つよう、早めの充電を心がけましょう。
またリチウムイオン電池を採用したポータブル電源を選ぶ際、必要な容量ぎりぎりの製品を選ぶと電池に負担がかかります。ゆとりを持ちワンランク上の製品を選ぶことで、電池の寿命を延ばせます。買い換え時期を先送りできれば、トータルコストも下がるでしょう。電池の使い方と選び方を工夫して、電池を長持ちさせましょう。
コメント