ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池は、車に使用されている鉛蓄電池より、はるかにエネルギー密度が高く、小型化、軽量化に成功した結果、近年ではスマートフォンに導入され、広く普及しました。リチウムイオン電池は充電ができ、繰り返し使える特長を持つ電池です。一方で充放電を繰り返すと劣化し、蓄電できる容量が減ってしまいがちです。
「ポータブル電源の寿命」と呼ばれる期間は、ポータブル電源により異なります。まずはポータブル電源の寿命とサイクル数について、詳しく確認していきましょう。
●ポータブル電源の寿命の定義
ポータブル電源の寿命は、サイクル数で示されます。サイクル数は、充電の回数ではありません。0%から100%まで充電することで1サイクルと数えます。通常、サイクル数が多ければ、ポータブル電源の寿命も長いと考えていいでしょう。
ただし、ポータブル電源が寿命を迎えることは、完全に使えなくなることとイコールではありません。通常、ポータブル電源を満充電にした場合で新品と比べて70%~80%しか蓄電できなくなった状況を寿命と定義されています。
例えば、Jackeryポータブル電源1000Plusと2000Plusの場合、サイクル数が4,000回と超寿命を実現できています。4,000回充放電した時点でも、まだ工場出荷時の容量の70%以上をキープできるので、長く使えて安心できます。
●ポータブル電源の寿命は一般的どのくらい?
一般的なポータブル電源の寿命は、以下のとおりとなっています。
- 三元系リチウムイオン電池:500サイクル~2,000サイクル
- リン酸鉄リチウムイオン電池:1,500サイクル~4,000サイクル
リン酸鉄ポータブル電源のほうが三元系よりも、長寿命の製品が多いです。しかしどちらも幅があるとおり、製品ごとに寿命は大きく異なります。メーカーの企業努力により、長寿命を実現した製品も少なくありません。
Jackery(ジャクリ)では長寿命のポータブル電源を提供しています。リン酸鉄リチウムイオン電池を使った製品では4,000サイクル、三元系リチウムイオン電池を使った製品でも2,000サイクルの長寿命を達成し、多くの方に利用されています。
●ポータブル電源が寿命を迎えるとどうなる?
ポータブル電源が寿命を迎えても、すぐに使えなくなるとは限りません。但し製品の目安とされる充放電のサイクル数を超えると、性能の低下を実感するケースが多いでしょう。
寿命を迎えたポータブル電源は、満充電にしても使える時間が短くなります。さらに劣化が進むと、充電しても家電を動かせなくなるかもしれません。どの程度使えば充電できなくなるかは、製品の使用状況や保管状態により異なります。
2.Jackery(ジャクリ)ポータブル電源の寿命はどのぐらい?
Jackery(ジャクリ)が販売するポータブル電源の寿命は、製品によって大きく異なります。どの程度長持ちするか、電池の種類別に確認していきましょう。
・三元系リチウムイオン電池を使った製品の寿命
三元系リチウムイオン電池を内蔵したポータブル電源の寿命は、以下のとおり製品によって異なります。
製品 |
寿命(サイクル数) |
Jackeryポータブル電源 1000/708/400/240/ |
500サイクル |
Jackeryポータブル電源1500 |
800サイクル |
Jackeryポータブル電源 2000 Pro/1000 Pro |
1,000サイクル |
Jackeryポータブル電源 3000 Pro/1500 Pro |
2,000サイクル |
Proシリーズの寿命が長いことは、おすすめするポイントの一つです。
何年使えるかというと、具体例を挙げると、500サイクルの場合、月に3回0%から100%までフル充電をした場合、年間36サイクル分充電することになり、その場合は約13年間にわたりバッテリーの蓄電容量が80%以上をキープすることができます。
・リン酸鉄リチウムイオン電池を使った製品の寿命は長い
リン酸鉄リチウムイオン電池が内蔵されたPlusシリーズポータブル電源は、以下のとおり長寿命です。
製品 |
寿命(サイクル数) |
Jackeryポータブル電源 2000 Plus/1000 Plus |
4,000サイクル |
Jackeryポータブル電源 300 Plus |
3,000サイクル |
Jackeryポータブル電源2000 Plusや1000 Plusを使えば、1日1回充電と放電を繰り返しても、11年近く使うことが可能です。長持ちするポータブル電源として、活躍することでしょう。
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3.寿命の長いポータブル電源を選ぶ4つのメリット
寿命の長いポータブル電源を選ぶことで長持ちするだけでなく、さまざまなメリットを得られます。ここからは長持ちするポータブル電源を選ぶメリットを、4つに分けて解説します。
①頻繁に買い替える手間がなくなる
使える期間が長いことは、寿命の長いポータブル電源を選ぶ大きなメリットです。Jackeryなら長持ちする製品を選んで上手に使うことで、10年以上使い続けることも可能です。頻繁に買い替える手間も省けるため製品への愛着が増し、メーカーへの信頼も高まることでしょう。
②高価な製品でもトータルでは安くなる
寿命の長いポータブル電源は高くなりがちです。一方で毎年のコストは、少額で済む場合も少なくありません。同じ性能で寿命だけが異なるポータブル電源同士を比較した場合、①よりも②のほうが1年当たりのコストは少なく、トータルでは安く使えます。
①価格は22万円(税込)、寿命は5年。1年当たりのコストは44,000円(税込)
②価格は33万円(税込)、寿命は10年。1年当たりのコストは33,000円(税込)
2022年以降は物価が上昇傾向にあります。①を選んだ場合、5年後に買い替えた際の価格はより高くなっているかもしれません。多少高額でも長持ちする良質な製品を選ぶことで、トータルのコストを下げられることもメリットの一つに挙げられます。
③使いたいときに使える
久しぶりにポータブル電源を使おうとしたら、寿命で使えなかった。このような事態は、ぜひとも防ぎたいものです。急いで買い替えることになれば、お金だけでなく心理的な負担も増してしまいます。
寿命の長いポータブル電源は、劣化しにくいことが特徴です。しばらく保管していたポータブル電源も、使いたいときに使うことができるでしょう。
④ポータブル電源を処分する手間や費用が減る
多くの自治体では、ポータブル電源を通常のごみ収集で回収していません。処分する際には費用を支払い、専門業者に引き渡す必要があります。業者を探す手間や費用の負担を感じる方も多いでしょう。寿命の長いポータブル電源を購入することで、面倒な手間や処分費用の負担を減らすことが可能です。
Jackeryのポータブル電源を選べば、さらに負担を減らせます。送料を負担するだけで指定の送り先に送付するとで、Jackeryが無料で回収します。「不要になったら、どう処分すればよいか」といったことに悩む必要はもうありません。
4.ポータブル電源の寿命を延ばす7つの方法
ポータブル電源の寿命はさまざまな方法で延ばすことが可能です。これから紹介する方法をできることから実践し、少しでも長くポータブル電源を使えるよう努めましょう。
①大きめの容量を持つポータブル電源を選ぶ
ポータブル電源のバッテリーは、電池残量が0%や100%に近い状態で劣化が進みます。300Wの家電を1時間使う場合、300Whのポータブル電源を用意して容量を毎回使い切ることはおすすめできません。600Whのポータブル電源を用意して80%程度まで充電し、電池残量が30%に減った時点で充電するほうが、電池に与える負担は少なくなります。
このため使う家電の消費電力を計算したうえで、合計の数字よりも大きめの容量を持つポータブル電源を選びましょう。拡張バッテリーを外付けできる製品なら、容量が足りなくなっても追加購入すれば済むためおすすめです。
関連記事:大容量ポータブル電源ランキングTOP10!用途別のおすすめモデルを紹介
②ポータブル電源は丁寧に扱う
バッテリーそのものはまだ使えるのに、本体の不具合で使えなくなる事態はぜひとも避けたいものです。ポータブル電源をていねいに扱うことで、このようなトラブルの多くを防ぐことが可能です。以下の点に注意してポータブル電源を扱いましょう。
- ボタンは丁寧に押す
- プラグやケーブルの接続は確実に、奥までしっかり押し込む
- 持ち運びは静かに行い、ぶつけないように移動する。落とさないことにも要注意
- 安定した場所に置き、転倒を防ぐ
ぶつけたり落としたりしないことは、落下等によるけがや発火、破損の防止にも役立ちます。
③高温や低温、湿度の高い場所を避けて使う
リチウムイオン電池は、高温と低温の両方に弱いことに注意してください。炎天下や氷点下の場所で使うと劣化が速まり、寿命が短くなってしまいます。
Jackeryのポータブル電源の動作温度は、マイナス10℃からプラス40℃の範囲とする製品が多いです。一方でリチウムイオン電池が劣化しにくい使用推奨温度は、一般的に16℃から25℃の間です。このため氷点下10℃といった低温や40℃といった高温で使うとバッテリーに負担がかかり、劣化を早めてしまいます。
例えば、スマートフォンを炎天下に放置しておくと、内蔵のリチウムイオン電池が膨張する場合があります。バッテリー内部でガスが発生したことが原因で、このような状態になるとバッテリーを交換しなければなりません。真夏に冷房を切って締め切った車内は、サンシェードを装着しても50℃以上となることに注意が必要です。
また湿度が高い場所での保管や使用は、不具合が起こる可能性があるためおすすめできません。このため、ポータブル電源の保管や使用は、以下の場所で行いましょう。
- 夏や冬は使うときだけ外に出し、使い終わったら適温の室内で保管する
- 真夏の屋外で使う場合は、リン酸鉄リチウムイオン電池を使った製品を選ぶ
- 直射日光が当たる場所を避け、風通しの良い場所で使う
- 湿度が低く乾燥した場所で使用・保管する
リン酸鉄リチウムイオン電池は45℃での充電が可能であるなど高温に強くなっていますが、可能であれば高温や低温での使用を避けると長持ちします。
④バッテリー残量が少なくなる前にこまめに充電する
リチウムイオン電池は、電池残量が多い状態で充電すると見かけの残量が減る「メモリー効果」を気にする必要がありません。むしろ適切なタイミングで充電を行うことで、バッテリーの寿命を延ばせます。
バッテリーを空にするまで使い切ることは、おすすめできません。完全に放電した後に長時間放置するとさらに電気を放出し、「過放電」や「深放電」という現象が起こります。この状態になると充電性能が低下するほか、ショートの原因になるおそれがあります。変化は不可逆的ですから、充電しても元に戻りません。
ポータブル電源は、バッテリー残量が少なくなった時点で充電を行うと寿命が長持ちします。Jackery製品では最先端のバッテリーマネジメントシステム(BMS)により、過放電を防いでいます。機種によっては、バッテリー残量が20%を切った場合にマークが出るものもあります。
⑤満充電の状態や充電し過ぎを避ける
充電100%の「満充電」を続けることも、ポータブル電源にとっては良くありません。満充電になっても充電を続けると過充電の状態になり、電池が劣化する原因となります。過充電による劣化は不可逆的であり、元に戻らないことに注意が必要です。
このため満充電になったら、速やかに充電をやめましょう。家庭用電源で充電している場合は、プラグをコンセントから抜くだけで済みます。
Jackery製品ではBMSにより、過充電を防止する機構が備わっています。またJackeryアプリを使える機種では、充電を85%に抑える機能も使えます。ぜひ活用して、バッテリーを長持ちさせましょう。
関連記事:ポータブル電源の安全性の要!BMS(バッテリーマネジメントシステム)とは|機能と役割を解説
⑥パススルー充電はできるだけしない
パススルー充電とは、ACコンセントからポータブル電源に充電しながら家電や機器に給電することです。通常、ポータブル電源のパススルー充電は、電池には大きな負担がかかり、劣化を進めてしまうことは難点です。
「電池残量が少ない状態でも急いで使いたい」というニーズが予想される場合は、パススルー充電に対応した機種を選びましょう。例えば、Jackeryポータブル電源ProやPlusシリーズの場合、「パススルー充電」に対応しておりますので、電池への負担を抑えながら家電を使えます。
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⑦60%~80%の電池残量でホコリの少ない場所で保管する
ポータブル電源を使わない状態で長期保管する場合は、電池残量を60%~80%にした状態で保管することをおすすめします。リチウムイオン電池は保管している間も、徐々に放電するためです。定期的に電池残量をチェックすることで、過放電となり使えなくなるリスクを避けられます。
またほこりの多い場所に保管すると内部にほこりが侵入し、不具合の原因となるおそれがあります。ほこりの少ない場所を選んで保管することも、長持ちさせるコツです。
5.寿命が長く10年間以上使えるポータブル電源3選
寿命の長いポータブル電源をお探しの方には、Jackeryが提供するPlusシリーズをおすすめします。Plusシリーズでは長寿命のリン酸鉄リチウムイオン電池を使った製品でサイクル数が3000~4000回で毎日使っても10年間以上使えます。それぞれの特徴を解説しますので、あなたに合った1台を選んでください。
●Jackeryポータブル電源2000 Plus
ポータブル電源 2000 Plusは、4,000サイクルもの寿命を持つ製品です。1日1回充電と放電を繰り返しても、11年前後使える長さです。4,000サイクルの充電と放電を終えても、工場出荷時と比べて7割以上の容量を保持しています。
容量は本体だけでも2042Whと大容量ですが、ここに2042Whのバッテリーパックを5台まで接続し、12kWhまで容量を自由に拡張できます。バッテリーパックは単独でソーラーパネルなどを使った充電が可能ですから、以下のようにローテーションを組んで充電・使用できることは魅力的です。
・今日はバッテリーパックAを使って機器に給電し、バッテリーパックBを充電
・明日はバッテリーパックBを使って機器に給電し、バッテリーパックAを充電
●Jackeryポータブル電源1000Plus
ポータブル電源 1000 Plusの寿命は4,000サイクルあり、寿命に達しても工場出荷時と比較して70%の容量を保持できます。1日1回充電と放電を繰り返した場合は、11年もの長い期間使い続けることが可能です。
本体の容量は1264Whと大きくはありませんが、1264Whのバッテリーパックを3台追加することで5kWhまで拡張できます。定格出力は2000Wありますから、消費電力の大きな家電を長時間使えるパワーも魅力的です。
●Jackeryポータブル電源300Plus
ポータブル電源 300 Plusの寿命は3,000サイクルです。毎日使っても10年使える性能の高さが魅力です。寿命に達しても、工場出荷時と比べて80%の電池残量を保持します。定格出力は300W、容量は288Whですから、モバイル端末などの充電におすすめです。
重量はわずか3.75kgで、リュックに入るサイズです。優れた機能をコンパクトに納めていることは魅力です。
6.まとめ
ポータブル電源はバッテリーの取り扱いが大切で、バッテリーを保護しながら使用することで寿命を延ばすことができます。
また、使用中のみならず保管中も高温、低温にならないようにすることが大切です。さらに、こまめに充電を行わないなどの積み重ねでもポータブル電源のバッテリーを保護し、寿命を延ばすことができます。
ポータブル電源を一度購入すれば10年間以上は使用でき、ちょっとしたコツを知っているだけでさらに長くお使いいただけます。
JackeryではPlusシリーズをはじめ、長寿命のポータブル電源を多数販売しています。この機会に、手放せない1台をJackeryのポータブル電源で選んでみてはいかがでしょうか。
自宅はオール電化なので、蓄電池を買おうか迷っていました。日中使える電気は割高なので余り使いたくない。そこでjackeryとソーラーパネルのセットを購入しました。
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