ポータブル電源の安全使用方法、メンテナンス
この記事ではJackeryのポータブル電源を長期間に亘り故障無く安全にお使いいただくための使用方法やメンテナンス方法について解説いたします。バッテリーに負担がかかる使い方や故障しやすい使い方などいくつかのポイントを押さえておけばポータブル電源の劣化を抑えることができ、末永くご愛顧いただけますので是非とも参考にしてください。
安全使用方法
ポータブル電源はインバーターの付いたバッテリーですので、電源内にあるバッテリーに電気を蓄えています。バッテリーの出力は直流ですが、インバーターは直流を交流に変えることができますので、ポータブル電源の出力は60Hzの交流となっています。
バッテリーに蓄えられている電気を放電する際には熱が発生していますので、ポータブル電源自体が暖かくなります。また、バッテリーから放電していますので家庭内のコンセントや電化製品と同様に感電の恐れもあります。ポータブル電源に限らずバッテリーを使用すると熱と感電のリスクが付きまといますが、使い方次第でリスクは高くなったり低くなったりします。
危険な使い方を知ることでリスクを低減し、より安全にお使いいただくことができますので、以上の安全にご使用いただくためのポイントをご説明いたします。
・熱と感電に注意
バッテリーは使用に伴い発熱するものです。これはポータブル電源に限らずスマートフォンのバッテリーなども同様です。短期間の使用であれば熱くなりすぎる前に使用を止めますので徐々に冷めますが、長時間使用すると熱が蓄積されてスマートフォンが結構熱くなったという経験をお持ちの方は多いと思います。熱は自然と放出されて冷めていくのですが、熱が逃げにくい密閉容器の中で使用すると熱が逃げずに電源本体が熱くなる場合がありますので、必ず容器から出して使用してください。密閉容器の外に出していても、暖房の傍や直射日光の下、炎天下の車内など電源の温度が上がる場所での使用も同様に避けてください。バッテリーが熱くなりますとバッテリーの劣化が始まります。一般的に40~45℃でリチウムバッテリーの劣化が始まると言われており、バッテリーの劣化により蓄電量や出力が低下して電源の寿命が短くなってしまいます。さらに、電源に内蔵された電子回路などがダメージを受ける恐れがある上に、熱に弱い素材が近くにありますと変形してしまう恐れもありますので電源が熱くなる使用環境は避けてください。目安としては40℃、これは手で触って熱いと感じる温度ですが、この温度にならないように確認しながら使用してください。理想的な使用環境は風通しの良い涼しい場所です。
もう一点気を付けることは感電やショートです。ショートとは短絡とも言い電気回路の二点が小さな抵抗で結ばれることを言います。このショートが起こると一気に大電流が流れますので、この大電流により機器類が故障する場合があります。電源内には安全のための短絡保護回路やサージ保護回路を設置していますが、それでも人体に損傷を与えたり電源に接続している他の機器にダメージを与えたりする万が一の可能性がありますので感電やショートには細心の注意を払う必要があります。例えば雨が降る中で電源を使用したり浴室内など水が飛び散る上に結露する環境で使用したりする場合は感電やショートのリスクが増します。また、濡れた手でプラグの抜き差しをする際には、手に着いた水がコンセント内に入り込むことで感電の危険性がありますので、濡れた手でのプラグの抜き差しは避けてください。つまり、感電を防止するためには水や水蒸気から出来るだけ遠ざけて使用することが大切になります。屋外で使用する際には晴れていても万一の降雨に備えて車内やテーブルの下などに設置するとよいでしょう。また、コンセントに針金などの金属を素手で差し込むと感電してしまいます。特に小さなお子様がいたずらでやってしまう場合も考えられますので、保護者の方は十分に気を付けてください。ケーブルの被膜が傷ついて金属線がむき出しになっている場合なども感電やショートの危険性がありますので、ポータブル電源に接続する機器類及びケーブルも異常が無いかこまめにチェックしてください。ちなみに、コンセントとは壁などに設置されている差込口を指し、このコンセントに電化製品のケーブルの先についているプラグを差し込みます。
・使用できる機器類の確認し安全な使用を
ポータブル電源の電圧は100Vの交流ですので、ご家庭のコンセントにプラグを差し込んで使用する電化製品や電動工具類はポータブル電源に繋ぐことで使用することができます。また、USBポートも設置していますので、スマートフォンの充電も可能となっており、USBを電源とする機器類も使用できます。一方で、ポータブル電源には最大出力がありますので、この最大出力を超える機器は使用できません。例えば1,000W出力のポータブル電源では1,000Wまでの機器を使用できます。家庭用で1,000W以上の電化製品と言えば大きめのエアコンや高出力のドライヤー及び電気ヒーター、IHコンロなどがありますが、これらの電化製品は使用できません。最大出力が400Wのポータブル電源ですと400W以上の電化製品は使用できません。従って、使用できる電化製品はポータブル電源のタイプにより異なりますので、ポータブル電源を使用する際には必ず電化製品の出力を確認してください。気を付けて頂きたいのは電源の出力1,000Wとは電源が出力できる値を示していますので、例えば600Wの電化製品を2台使用する際には合計1,200Wとなり最大出力を超えてしまい使用できません。最大出力を超えた場合には自動的に電流が遮断されます。
このようにポータブル電源を用いると高出力の機器を使用できるようになりますが、高出力の分高温になったり大電流が流れたりします。特に高出力のヒーター類を使用する際には高温に注意し、火災にならないよう十分に気を付けてください。
・こまめに充電することで安心して使用
Jackeryのポータブル電源を充電する方法は4通りあります。一つ目は付属のACプラグを家庭用のコンセントと繋いで充電するオーソドックスな方法です。電源の使用前にあらかじめご自宅で充電する場合に適しています。
二つ目は付属の車載用のシガーソケットに繋いで充電を行う方法です。車内で充電できますので、移動の間に充電を行えます。
三つめは発電機に接続して充電する方法です。発電機がある場合に使用可能です。
四つ目はソーラーパネルに接続してソーラーパネルから充電する方法です。屋外で使用する際にはソーラーパネルから充電できますのでこまめに充電することで安心して長期間使用することができます。Jackeryポータブル電源には専用のソーラーパネルをご用意しておりますので、ソーラーパネルでの充電にはこちらのご使用を推奨しております。また、充電しながら給電も出来るパススルー充電にも対応しており、ソーラーパネルで充電しながら電化製品を使用する使い方も可能です。
・危険な使用場所は必ず避ける
ポータブル電源を使用する際には必ず適切な使用場所を選択してください。水や湿気の多い場所での使用を避けることに加えて、転倒の危険性のある不安定な落下の危険のある不安定な高所など故障や事故につながりますのでこのような場所での使用はやめてください。
他にも、粉塵や木屑が舞う場所、さらには化学物質を扱う場所、振動が多い場所などで使用すると故障のリスクが増しますし、粉塵や化学物質などは引火してしまう危険もありますので火災のリスクもあります。
・その他安全に使用するために気を付けること
ポータブル電源の分解や改造は危険ですので絶対にしないでください。ポータブル電源内のバッテリーには電気エネルギーを蓄えています。分解した際にこのバッテリーが放電してしまう恐れがありますので、感電事故や火災の原因になります。また、ラベル類には大事な情報が記載されていますので、剥がさずにそのままにしておいてください。もし、ポータブル電源の使用中に煙が出た場合や異臭がする場合は使用を中止してすぐにJackeryにご連絡ください。緊急性の高い場合は消防署にご連絡ください、
ポータブル電源の安全設計や素材の選択には細心の注意を払っておりますが、強い衝撃等が加わると破損してしまう恐れがあります。特に電源内から液体が漏れていることを見つけたらその液体に直接触れないでください。リチウムバッテリーから漏れだした液体の恐れがありますので、皮膚や衣服に付着したり目に入ったりした場合は擦らず水で洗浄した後に直ちに医師に相談してください。また、ポータブル電源を廃棄する際にはお住いの市町村の条例に従い廃棄してください。
製品のメンテナンス
・バッテリーの保護
電源に使用されているリチウムバッテリーは高出力である一方、使用温度に強い影響を受けてしまいますので適切な温度で使用する必要があります。40℃以上の高温はバッテリーに悪影響を与えますが、低温も同様で0℃以下でも充電に悪影響を与えます。このため、Jackeryのポータブル電源の充電に適した温度は0℃から40℃の間となっておりますので、温度の範囲内で充電を行ってください。
バッテリーを使用する際にも充電と同様に温度により性能は変化します。高温は40℃以上、低温では-10℃以下で出力低下が起きる恐れがありますので、Jackeryのポータブル電源の動作温度範囲は-10℃から40℃の間となっています。
バッテリーは不使用の状態でも少しずつ電気が抜けて行ってしまいますので、長期間保管しておくと次第に電力量は低下します。またポータブル電源で保管温度は‐10~40℃となっています。炎天下の車内での保管は禁止となっていますので、ぜひご注意ください。そして、電力量がゼロになってしまうとバッテリー自体に悪影響を与えてしまいますので、保管の時だけではなく通常使用においてもバッテリーを空にしないことがバッテリーの保護に繋がります。バッテリーを空の状態で放置してしまうと次回から充電できる電力量が少なくなってしまいます。さらに、これを繰り返すと早々にバッテリーの寿命が来てしまいますので、バッテリーを空にせずにある程度の電力量を残しておくことが非常に大事になります。一般的には20%から80%程度の残量があればバッテリーに悪影響は与えないとされていますが、保管の際に電力量が低下しますのでこの分を考慮してJackeryでは6カ月ごとに60%から80%になるように充電することを推奨しています。電力量の継ぎ足しによるバッテリーの劣化はありませんので、使い切らずにこまめに充電することが望ましいです。また、バッテリーの残量はディスプレイに表示されますので簡単に確認できます。
・保管及び清掃
清掃の際には泥などの汚れを落とした後に中性洗剤を使用して清掃してください。アルコールなど引火性の有機溶剤は変色や火災につながる恐れがありますので使用しないでください。清掃の際には破損個所が無いかしっかりと確認してください。特にコンセントの穴に泥など異物が詰まっていないかどうか確認してください。異物が詰まっている場合は必ず電源を切った状態で乾燥した爪楊枝など電気を通しにくい素材を用いて異物を取り出してください。コンセントが汚れていると給電異常を起こす可能性がありますので、特に野外で使用した後はしっかりと確認してください。ケーブルも破損がないことも合わせて確認しておきます。
保管の際にはバッテリーの残量に気を付けること以外にも、安全のためにコンセントから機器類のプラグを全て抜いておくことも大切です。プラグを差し込んだまま電源を動かすと、プラグ及びコンセントが物にぶつかり破損してしまう恐れもあります。また、収納の際は電源を縦向きや逆さ向きに置かずに、正しい向きで保管してください。
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