1.リチウムイオン電池が使用されている製品
現代では、リチウムイオン電池は家電製品を中心にさまざまな機器で使用されています。
具体的には、スマートフォン・ノートPC・モバイルバッテリーなどのIT機器や、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などのほか、ポータブル電源、電気自動車のような大型の機器にも使用されています。近年では、ドローンや人工衛星などにも使用されるなど、活躍の幅を広げています。
●製品に使っているバッテリーが本当にリチウムイン電池か確認する方法
スマートフォンやタブレット、ノートPCなどの比較的新しいモバイル機器のほとんどは、リチウムイオン電池を採用しています。しかし、古い機器や特殊な用途の機器の場合は、必ずしもリチウムイオン電池とは限りません。適切な廃棄方法は電池の種類によって異なるため、以下の方法でご利用の製品がリチウムイオン電池使用されているかを確実に確認しましょう。
・製品本体やバッテリーに記載された表示を確認する(「Li-ion」「Lithium ion」などの表記)
・取扱説明書で確認する(「仕様」「製品スペック」などの項目を参照)
・メーカーのウェブサイトで確認する(製品情報ページの仕様欄などを参照)
2.リチウムイオン電池はリサイクルが基本
リチウムイオン電池を廃棄する際には、リサイクルして再利用することが基本となっています。
なぜなら、リチウムはレアメタルと呼ばれる希少な金属なため、自然採掘するにはとても経費がかかるからです。
また、リチウムイオン電池には他にもニッケル・コバルト・マンガンといった自然環境に有害な物質が含まれているため、他のごみのように廃棄してはいけません。
日本では「資源有効利用促進法」という法律で、リチウムイオン電池をはじめとする小型二次電池のリサイクルについて厳しく規定されています。リチウムイオン電池のリサイクルは、自治体に相談したり、製造業者や販売業者に依頼することが基本です。
参考:経済産業省
3.リチウムイオン電池の危険性
リチウムイオン電池を廃棄する方法が厳しく規定されている要因として、リチウムイオン電池の危険性があります。なぜ危険なのかというと、リチウムイオン電池はもともと熱が発生しやすいうえに、負荷が高くなるとさらに高温になるからです。
高温状態が続くと、やがてリチウムイオン電池は発火したり発煙することがあります。
発火する際には、リチウムイオン電池が膨張したり、異臭を発するなどの前触れがあるので、そのような兆候が表れたときには特に注意しましょう。
また、発火の危険性があるゆえに、他のごみと混ぜて廃棄することは大変危険です。
火災が発生する原因にもなるので、必ず所定の回収BOXに廃棄しましょう。
参考:環境省
4.リチウムイオン電池を燃えないゴミに出すのはNG!
リチウムイオン電池は原則として、不燃ごみやプラスチックごみとして出すことはできません。
一般ゴミとして出されたリチウムイオン電池が、ごみ収集車の中で発火したり、ごみ処理場で火災が発生する事態も実際に報告されています。身勝手な行為が取り返しのつかない事態を引き起こすこともあるので、絶対にやめましょう。
また、リチウムイオン電池に使用されている数々の部品は貴重な資源でもあるので、環境保護のためにもリサイクルするのが基本です。
5.小型のリチウムイオン電池の捨て方や廃棄方法
小型のリチウムイオン電池の捨て方は、所定の回収BOXを利用することが基本です。なぜなら、小型のリチウムイオン電池は資源有効利用促進法でリサイクルが義務付けられているからです。
回収BOXは、家電量販店やホームセンターなどに設置されており、おもに次の2種類があります。
・小型充電式電池回収BOX
・小型家電リサイクル法対象家電の回収BOX
回収BOXが配置されている場所は、リチウムイオン電池のリサイクル活動を行っている団体のJBRCの公式ホームページで検索できます。
また、リチウムイオン電池を回収してもらえる場所は、おもに次の2つがあります。
・店舗で回収してもらう
・自治体に回収してもらう
以下で、それぞれの詳細を順に解説します。
①店舗で回収してもらう
リチウムイオン電池の廃棄は、店舗で回収してもらう方法があります。回収が可能な店舗は、おもに家電量販店やホームセンターで、その他には個人の家電販売店でも回収してもらえる場合があります。
回収が可能な店舗には、専用のリサイクルBOX缶(黄色の缶)が設置されているので、必ず指定のBOX缶に廃棄しましょう。
回収BOXが配置されている店舗は、こちらのJBRCのページから検索することもできるので、店舗を訪問する前に確認しておけば確実です。
②自治体に回収してもらう
リチウムイオン電池の廃棄は、自治体で回収してもらえる場合もあり、その場合は役所や関係機関などに回収BOXが配置されています。
ただし自治体によってはリチウムイオン電池の回収を行っていない場合もあるので、必ずお住まいの自治体に確認して下さい。
また、回収を実施している自治体は、こちらのJBRCのページから検索することもできます。
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③スマホのバッテリーは携帯ショップで引き取ってもらう
スマートフォンのバッテリーは、多くの携帯電話ショップで無料で引き取りを行っています。キャリアショップや家電量販店の携帯電話コーナーでも対応可能です。バッテリーの取り外しが必要な場合は、その場で作業してもらえることもあります。
ただし、iPhoneなどのバッテリーが取り外せない機種は、本体ごと引き取ってもらう必要がある点に注意してください。この場合は、あくまで不要になった携帯をバッテリーごと引き取ってもらうイメージになります。
6.大型のリチウムイオン電池の廃棄方法と捨て方
大型のリチウムイオン電池の廃棄も、資源有効利用促進法によりリサイクルすることを前提とした方法をとります。大型のリチウムイオン電池は、おもに次の3種類があります。
・車載用などのバッテリー
・定置用蓄電池
・ポータブル電源
以下で、それぞれの捨て方の詳細を順に解説します。
●車載用などのバッテリーの廃棄と捨て方
車載用などのバッテリーは危険物に分類されるため、自治体では回収してもらえません。回収してもらえる場所には、おもに次の3つがあります。
・ガソリンスタンド
・カーショップ
・不用品回収業者
ガソリンスタンドの場合は、セルフスタンドでは回収してもらえない場合がありますが、一般的には無料または数百円程度の手数料で回収してもらえます。
カーショップも無料か数百円程度で回収してもらえるほか、新しいバッテリーを購入した際には古いバッテリーを引き取ってもらえます。
不用品回収業者の場合は危険物取扱者の資格を所持していることが条件ですが、引き取り訪問サービスを行っている業者もあるので便利です。
●定置用蓄電池の廃棄方法
各家庭に設置したり、業務用として設置する定置用蓄電池を廃棄する場合は、販売店かメーカーのいずれかに相談します。
一般的には、販売店のほうが距離的に近いので、相談しやすいでしょう。販売店に相談すると、廃棄処理を専門とする業者を紹介してもらえます。
定置用蓄電池は他のリチウムイオン電池と比較すると非常に大型なので、つい分解して廃棄しようと考えてしまいがちですが、火災の原因ともなり得る大変危険な行為です。
定置用蓄電池は、決して分解して廃棄したりしないようにしましょう。
●ポータブル電源の廃棄とリサイクル
リチウムイオン電池を採用しているポータブル電源を廃棄する場合については、実はまだ明確な規定がありません。
しかしリチウムイオン電池を内蔵しているので、やはり同じように資源有効利用促進法の適用を受けるため、リサイクルを前提とした廃棄方法をとることが基本です。
ポータブル電源は自治体でも回収してもらえる場合がありますが、自治体ごとに対応が異なるので、必ず事前に相談しましょう。
また、リチウムイオン電池を採用したポータブル電源はメーカーに回収を依頼することもできます。例えば、Jackery(ジャクリ)ではポータブル電源のリサイクルに力を入れており、専門の事業所が解体して再利用するというリサイクルサービスを実施しています。Jackeryは自社のポータブル電源に対して、無料で回収しております。
7.リチウムイオン電池を安全に廃棄するための4つのポイント
リチウムイオン電池を安全に廃棄するためのポイントは、おもに次の4つがあります。
・絶対に解体しない
・絶対に濡らさない
・出力端子を絶縁する
・確実に梱包する
以下で、それぞれの詳細を順に解説します。
①絶対に解体しない
リチウムイオン電池を廃棄する際には、絶対に解体してはいけません。なぜなら、解体されたリチウムイオン電池は回収してもらえないからです。
リチウムイオン電池に限らず、電気製品は充電部分を露出させないことが基本であり、火災の危険性が増します。
適切なリサイクルのためにも、安易に解体しないようにしましょう。
②絶対に濡らさない
リチウムイオン電池を廃棄する際には、水濡れにも十分に注意しなければなりません。
なぜなら、リチウムイオン電池が水に濡れると、あらかじめ組み込まれている保護回路が適切に動作しなくなり、発熱や発火などの危険性が増すからです。
また、特に大型のリチウムイオン電池が水に濡れると、感電の危険性も生じます。事故を防止するために、水に濡れないように注意して廃棄しましょう。
③出力端子を絶縁する
リチウムイオン電池に限らず、電池類を廃棄するときには、出力端子部分を絶縁しなければなりません。
万が一、リチウムイオン電池に電気が残っていると、出力端子が露出している場合は火災の原因にもなります。
出力端子を絶縁するには、絶縁テープを貼って覆い隠してしまう方法が一般的です。
➃確実に梱包する
リチウムイオン電池を廃棄する際には、製品が露出しないように梱包することが基本です。
梱包することによって、リチウムイオン電池が水に濡れないように保護することができます。
また、リチウムイオン電池を確実に梱包しておけば、配送する際に安定感が増すため、外部からの衝撃を受ける可能性が低くなります。
8.災害の停電時やアウトドアで活躍するポータブル電源2選
リチウムイオン電池を採用しているポータブル電源は、様々な災家電や電気機器に給電できる、災害の停電時や車中泊等幅広く活躍している大容量バッテリーとして世間で普及されています。ポータブル電源の購入をご検討の方に向けて、捨て方に悩まず無料回収サービスを提供しているJackeryのポータブル電源人気モデルを2つご紹介します。
●Jackery ポータブル電源 2000 New|3~4人の家族防災におすすめ
【Jackeryポータブル電源2000New】は、容量2,042Wh・定格出力2,200W・瞬間最大出力4,400Wで、冷蔵庫やエアコンなど一般的な家電の99%以上を使用できます。
「屋外でも自由に電力を使いたい」というキャンプ・車中泊、DIYなどのニーズに対応、さらに停電対策や家庭での節電にもぴったり。超大容量だから、スマホやノートPCの充電回数もたっぷり、家電も長時間使うことができます。
大容量でありながらコンパクトで、2000Whクラスの市場モデルより40%小さく、重量も34%の軽量化を実現しました。災害やアウトドアでも簡単に移動することができます。
なお、耐久性に優れているリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しているので、サイクル数が4000回で毎日使っても10年以上使える長寿命を実現。
ファミリーキャンプやアウトドア活動、災害時の備えとして、Jackeryポータブル電源2000 Newは頼れるパートナーとなるでしょう。
容量 |
2,042Wh |
定格出力 |
2,200W (瞬間最大4,400W) |
充電速度 |
ACコンセント充電:2時間(緊急充電モードなら1.7時間) |
出力ポート数 |
AC出力×3、 |
充放電サイクル数 |
約4,000回 |
使える家電 |
消費電力2,200W以下の家電; |
稼働時間目安 |
電子レンジ(1160W):約1.5時間 |
60万人が選ばれた人気モデルからパワーアップした【Jackeryポータブル電源1000New】は、女性でも持ち運びがしやすい10.8kgという軽量ボディに高機能を搭載したモデルです。1,000Whクラスで業界最軽量と最小を実現できております。
容量1070Wh・定格出力1,500W・瞬間最大出力3,000Wというスペックで、ほとんどの家電製品に給電できます。
また、ACコンセントを利用すれば最速わずか1時間でフル充電できます。自然放電が非常に少なく、緊急時にも安心してお使いいただけます。
出力ポートは、ACが3口・USBがA出力1口とUSB-C出力2口・シガーソケット1口と多彩で、同時に7台の機器に給電できます。
容量 |
1,070Wh |
定格出力 |
1,500W (瞬間最大3,000W) |
充電速度 |
ACコンセント充電:1.7時間(緊急充電モードなら1時間) |
出力ポート数 |
AC出力×3、 |
充放電サイクル数 |
約4,000回 |
使える家電 |
消費電力1500W以下の家電; |
稼働時間目安 |
電子レンジ(1160W):約48分間 |
9.リチウムイオン電池の廃棄方法に関するよくある質問(Q&A)
リチウムイオン電池の廃棄方法について、よくある4つの質問と回答を紹介します。
①リチウムイオン電池を廃棄するとき、塩水につけたほうが良いって本当ですか?
リチウムイオン電池を塩水につけるのは危険です。水と反応して発熱・発火するリスクがあるため、絶対に行わないでください。廃棄の際は端子部分を絶縁テープで覆い、正規の回収ルートを利用しましょう。
インターネット上ではリチウムイオン電池の廃棄時に、この「塩水放電」を勧めている場合があります。しかし、これは「リポバッテリー」の廃棄方法であり、リチウムイオン電池二は該当しません。重大な事故につながるリスクがあるため、塩水につけることは絶対にしないでください。
②膨張したリチウムイオン電池はどう処分すべきですか?
膨張したリチウムイオン電池は、発火のリスクがある危険な状態です。絶対に押したり潰したりせず、すぐに使用を中止してください。その後、以下の手順で処分しましょう。
1. 端子部分を絶縁テープでしっかり覆う
2. ビニール袋に入れて密閉する
3. メーカーのサポート窓口に連絡して処分方法を確認する
4. 指示にしたがって処分する
特に膨張が激しい場合は、早めにメーカーに相談することをおすすめします。
③リサイクルマークなしのリチウムイオン電池は捨て方は?
リサイクルマークの有無に関わらず、リチウムイオン電池は適切にリサイクルする必要があります。小型のものは家電量販店の回収ボックスへ、大型のものはメーカーや自治体の指示にしたがって捨ててください。
なお、そもそも製品に使われているバッテリーがリチウムイオン電池か不明な場合は、メーカーの公式サイトや取扱説明書で確認しましょう。
④リチウムイオン電池を使った製品の廃棄方法を教えてください。
リチウムイオン電池を使用した製品の廃棄方法は、製品の種類によって異なります。主な製品ごとの廃棄方法は以下のとおりです。
● スマートフォン・タブレット:携帯電話ショップや家電量販店
● ノートPC・デジカメ:パソコンショップや家電量販店の回収サービス
● 電動工具・掃除機:ホームセンターや販売店のリサイクル窓口
● ポータブル電源:メーカー指定の回収サービス(Jackeryは無料回収可能)
いずれの場合も、バッテリーが取り外せる場合は端子部分を絶縁テープで保護してから廃棄に出しましょう。
まとめ
リチウムイオン電池は貴重な資源です。捨て方を誤ると資源を無駄にしてしまうだけではなく、火災の原因にもなり、取り返しのつかない事態を招くことになります。
リチウムイオン電池を廃棄する際には、法律で定められた方法を守って適切に処理することが、自然環境を守ることにもつながります。
Jackeryのポータブル電源は、いずれも廃棄する際にはメーカーが責任を持って引き取り、リサイクルできるモデルばかりです。環境保護の意識が高いユーザーの皆様は、ぜひJackeryポータブル電源をご検討下さい。
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