発電機と蓄電池の違いについて解説
まずは「発電機」と「蓄電池」の違いについて、構造や用途の観点からご紹介していきます。
●発電機とは電気を作り出すもの
発電機とは電気を作り出す装置です。内部にはコイルや磁石があり、これらを動かすことで電流が発生します。
発電機のエネルギーは、ガソリンやガスといった燃料。小型発電機ではガソリンを使用し、携帯発電機はカセットボンベを使用します。
また高出力であることも発電機の特徴です。そのためキャンプや野外イベント、災害時など、屋外での電源確保が必要な状況で活用されます。
●蓄電池とはためるもの
蓄電池は電気をためる装置です。電気が供給されているときにエネルギーを蓄え、電気が必要なときにたまっているエネルギーを放出します。
家庭用の蓄電池は太陽光パネルと組み合わせて使用されるのが一般的です。日中に発電した電気を蓄電池にため、必要な時に使います。
また工業用途では蓄電池は大規模な電力貯蔵システムとして使用。電力供給の安定化やピークカット※1に利用されます。
※1:ピークカットとは、電力の使用量が最も多い時間帯(ピーク時)に電力使用量を削減(カット)することを指します。
発電機のメリット3つとデメリット4つ
ここからは発電機のメリットとデメリットについてご紹介します。
▲発電機のメリット3つ
発電機のメリットは以下の3つです。
・出力電力が高い
・燃料があれば継続的に発電が可能
・外出先で発電が可能
発電機は燃料を直接電力に変えられるため、高出力のものが多く、ラインナップも豊富。出力は1,000W以下の小型タイプから3,000W以上まで幅広く、用途に合わせて選ぶことが可能です。
高出力であればエアコンや冷蔵庫を動かしたり、家全体の家電をまかなうこともできます。目安として2,000Wあればどんな家電も使用できるため、災害が起きた際でも安心して過ごせるでしょう。
動力の源は燃料のため、燃料切れになれば補充するだけでOK。自宅に十分な燃料を保管しておけば、すぐに補充でき発電が持続できるのもメリットです。
また発電機は屋外での使用が基本のため、持ち運べるようになっています。庭でDIYをしたり、キャンプで電気ケトルやライトを使用したりと、さまざまなシーンで活躍できるでしょう。
▽発電機のデメリット4つ
発電機のデメリットは以下の4つです。
・事故に発展する危険性
・燃料の保管に注意が必要
・騒音や排気ガスの問題
・気軽に持ち運べない
燃料を補充すれば気軽に使える発電機ですが、発電中は一酸化炭素を含んだ排気ガスが発生します。換気の良い場所で使用しないと、一酸化炭素中毒で死亡する危険性があるため、取扱には細心の注意が必要です。
また排気ガスは環境に負荷をかけ、騒音は近隣住民とのトラブルを引き起こす可能性があります。環境や騒音の観点からは好ましい発電手段とはいえません。
さらに発電機は出力が小さなタイプでも20㎏以上のものが多く、2,000W以上になれば重さは50㎏以上と、一人で持ち運ぶことは困難。燃料を加えると重さが増すため、手軽に持ち運ぶことができません。
このような点から、非常時や緊急時のような迅速な移動や設置が必要な場合には、時に取り扱いが面倒に感じることもあるでしょう。
蓄電池のメリット4つとデメリット3つ
次に蓄電池のメリットとデメリットを見ていきましょう。
▲蓄電池のメリット4つ
蓄電池のメリットは以下の4つです。
・発電燃料が不要
・使う時に手間がかからない
・環境にやさしい発電が可能
・節約できる
蓄電池のエネルギー源は家庭の電気や太陽光発電です。発電するための燃料は不要なため、発電機のような事故につながるリスクや騒音の問題はありません。
燃料補給も不要で、コンセントを挿したらすぐに使用できる手間のなさも蓄電池のメリットです。
さらに環境や家計にやさしいのも蓄電池の魅力の一つ。太陽光で発電した電気や、夜間電力を使えば、二酸化炭素の排出を抑えられて節約にもつながります。
蓄電池は家計の負担を抑えながら、環境保護にもひと役買える素晴らしい発電方法といえるでしょう。
▽蓄電池のデメリット3つ
蓄電池のデメリットは以下の3つです。
・あらかじめ充電が必要
・初期費用がの費用が高い
・タイプによっては室内でしか使えない
蓄電池を使うためには事前に充電されている必要があります。特に災害時のような急な停電には、即座に利用できるよう準備しておくことが大切です。
また蓄電池は、発電機に比べて初期投資の費用が高くなりやすいのも特徴です。
太陽光発電と併用してつかう「定置型蓄電池」の価格は、2019年度のデータによると工事費も含めて18.7万円/kWhです。たとえば一般的に普及している10kWhの蓄電池を導入する場合、平均187万円の初期費用がかかります。
参考:定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめp.11
さらに定置型蓄電池は、特定の場所に設置するタイプのため持ち運びは不可。自宅でしか使えなく、外出先や避難所での使用はできません。
ただし、ポータブルタイプの蓄電池であれば持ち運びができるため、場所を選ばずに使用が可能です。キャンプや釣りといったアウトドアや、災害時の避難所など、さまざまな場所で活躍できます。「Jackery Solar Generator」なら50万円以下の費用でポータブル蓄電池とソーラーパネルのセットが揃うので、費用面をネックに感じている方は導入を考えてみましょう。
災害対策には発電機より蓄電池(ポータブル電源)がおすすめ!
災害対策には蓄電池がおすすめです。発電機に比べて燃料を必要とせず、安全に使用できるため手間がかかりません。
さらにポータブルタイプの蓄電池(ポータブル電源)であれば手軽に持ち運べるため、避難所でも利用できます。騒音や排気ガスで周囲に気を使うことなく、スマホの充電や電気毛布を使うことができるため、避難所での生活もストレスなく過ごせるでしょう。
ソーラーパネル付きの蓄電池であれば、太陽光発電も可能。太陽光の力を利用して電気が供給できれば、停電が長引いても継続的に電気が使えて安心です。
ここからは「1日あたりの消費電力量」と「災害時の平均停電時間」を見ながら、蓄電池の重要性を理解していきましょう。
●1世帯あたりが使用している消費電力量は1日約11kWh
1世帯が1年間消費したエネルギーは全国平均で4,175kWhです。1日に換算すると約11kWhになります。
参考:家庭でのエネルギー消費量について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
つまり毎日11kWhの電気量があれば、日常生活を問題なく送れるということです。
●近年の災害状況|蓄電池×太陽光発電なら長期停電にも対応できる
次に災害時の平均停電時間を見ていきましょう。
経済産業省の報告によると、2018年度の1件あたりの年間停電時間は全国平均で225分です。
しかし中には、以下のように復旧までに多くの時間がかかったケースもあります。
・令和2年7月 豪雨:約132時間(※1)
・令和2年9月 台風10号による停電:41時間(※1)
・令和6年1月 能登半島地震:2ヵ月余り(※2)
※1参考:令和2年に発生した災害の振り返りと 今後の対応について
※2参考:2か月余にわたる石川県内の停電 おおむね復旧 北陸電力 | NHK | 令和6年能登半島地震
数時間から1日程度の停電であれば、発電機でもなんとか対応できますが、何日も続くと燃料が不足する可能性もあります。
燃料が不足してもライフラインが停止していれば、買出しに行くことは困難になるでしょう。
しかし蓄電池なら、ソーラーパネルを使って太陽光発電が可能です。天気の良い日であれば常に発電し続けられるため、停電期間が長引いても電気を使い続けられます。
●【普段の節電にも】蓄電池は室内で使えるのがポイント
蓄電池は外でしか使えない発電機と比べて、室内での使用が可能です。
冷蔵庫やテレビなどの家電が使えれば、日常生活が維持できます。真夏の暑い夜にエアコンを使えれば、快適な睡眠が確保できるでしょう。
また普段の生活で蓄電池を上手に活用すれば、節電にもつながります。
例えば電力が安い深夜帯のプランを選択し、夜間に蓄電池を充電すれば節約することができます。
実際の例として中部電力ミライズの料金プランを見てみましょう。
◎【おとくプラン】(通常のプラン)
区分 |
単位 |
料金単価(円・税込) |
|
電気料金 |
最初の120kWhまで |
1kWhにつき |
21.20 |
120kWhをこえ300kWhまで |
25.67 |
||
300をこえる |
28.62 |
◎【スマートライフプラン】(深夜プラン)
区分 |
単位 |
料金単価(円・税込) |
|
電気料金 |
デイタイム |
1kWhにつき |
38.80 |
@ホームタイム |
28.61 |
||
ナイトタイム(深夜時間) |
16.52 |
※デイタイム・@ホームタイム・ナイトタイムの時間帯は別途選択可能
このように電力需要の低い夜間に電気をためて、昼間の需要が高い時間帯に利用すれば、電力コストの節約が可能。さらに太陽光発電を利用すれば家庭の電気を使わずに済むため、さらなる節約が期待できます。蓄電池を効果的に活用して電気を使えば、節電効果は高まり家計の負担も減ることでしょう。
関連人気記事:災害時には発電機とポータブル電源のどちらを使うべき?用途シーンごとに違いを
Jackery Solar Generatorなら節電と災害対策がオールインワン!
Jackery Solar Generatorはソーラーパネルがセットになっているので、太陽光発電も可能。太陽光で電力供給ができれば停電が長引いても電気が使い続けられるため、安心して生活ができるでしょう。
家中どこでも使えるため、日常生活でも利用すれば節電にもつながります。
災害時での利用や節電対策に蓄電池を考えているなら、Jackery Solar Generatorシリーズを検討してみてください。
●Jackery Solar Generator 2000 Plus:長時間の停電にも耐えられる大容量
Jackery Solar Generator 2000 Plusは容量が2,042Whと大容量。定格出力は3,000Wもあるため、家中の家電はほぼすべて動かせます。
さらに拡張バッテリーで容量の追加ができるため、5台加えて容量を12,000Wh(12kWh)にすれば1日分の電力確保が可能。1日の停電であれば、エアコンや冷蔵庫のような高出力家電も通常通り使用して問題ありません。家電を厳選すれば数日間は使用できるでしょう。
ソーラーパネルは、1台に対して2枚あれば7時間で満充電に。常に発電しておけば必要最低限の電力は確保できるため、長期間の停電であってもストレスなく過ごせるでしょう。
「停電時でも家中の家電を使えるようにしたい!」という人はJackery Solar Generator 2000 Plusを検討してみてください。
●Jackery Solar Generator 1000 Plus:コンパクトだから場所を問わず使える
Jackery Solar Generator 1000 Plusは 2000 Plusより少しコンパクトなモデルです。
バッテリー容量は1264.64Whで定格出力は2,000W。電子レンジや電気ケトルのような高出力の家電も使用可能です。ACコンセントから1.7時間でフル充電できるため、台風や大雪などの予報にそなえられます。
追加バッテリーは最大3台まで追加でき、最大5kWhまで拡張可能。5kWhあればエアコンで室内を涼しくしたり、電気ヒーターで温まったりと季節問わず快適に過ごせるでしょう。
サイズは約356 x 260 x 283 mmとコンパクトで、避難所にも気軽に持っていける大きさです。スマホで外部とのコミュニケーションを取ったり、ラジオで情報収集したりすれば、不安も解消され安心な避難生活が送れるでしょう。自宅や避難所など、避難状況に応じて臨機応変に使いたい人に最適な1台です。
●Jackery Solar Generator 600 Plus :女性やお年寄りでも無理なく持てる
Jackery Solar Generator 600 Plusは、1000 Plusよりさらにコンパクトなサイズです。
バッテリーは632Whで、USB出力はタイプAが1つ・タイプCが2つもあるため、スマホやパソコンの充電を家族で共有したい人におすすめです。スマホは約24回、ノートPCなら約5回の充電ができます。
定格出力は800Wあるので、小型炊飯器でご飯を炊くことも可能。一人暮らしの人であれば、1台で十分に活躍できます。
さらに「緊急充電モード」に対応しており、60分でフル充電が実現。地震の2次被害や台風の停電に備えた準備が即座に可能です。サイズは約300 x 219 x 197 mmと非常にコンパクトなため、持ち運びには非常に便利。女性やお年寄りの方でも無理なく持てるでしょう。
「避難先に持ち運べる蓄電池を探している人」や、「持ち運べる蓄電池は欲しいけど、大きなサイズを持っていく自信はない」という人におすすめです。
発電機と蓄電池のよくある質問
ここからは発電機と蓄電池のよくある質問についてご紹介します。
●蓄電池は発電機から充電できる?
蓄電池は発電機からの充電は原理的には可能です。ただし発電機の出力と蓄電池の容量がうまくかみ合わないと、故障の原因になるので注意が必要です。
●非常用発電機とは?
非常用発電機とは、主電源の停止や電力供給が不安定な場合に使用される発電装置のことです。予期せぬ事故や災害が発生し、電力供給が停止された場合に稼働し電力供給を行います。
非常用発電機の主な設置先は、大型商業施設や病院のような大きな施設です。一般家庭に設置することはありません。
●蓄電池は1日何時間持つ?
蓄電池の持ち時間は、蓄電池の容量と使う家電によって変わってきます。
例えば何の不自由もなく電気を使いたいなら、約11kWhの蓄電池であれば24時間利用することが可能です。
家庭で使われる一般的な家電の消費電力をまとめましたので参考にしてみてください。
家電 |
消費電力 |
LED電球 |
8W |
蛍光灯照明 |
100W |
冷蔵庫 |
200~300W |
エアコン(6畳用) |
450W |
洗濯機 |
400W |
電子レンジ |
1,400W |
炊飯器 |
1,300W |
IH調理機 |
5,800W |
扇風機 |
34W |
ドライヤー |
1,000W |
パソコン |
45W |
災害が起きた際に「使いたい家電」と「使用時間」をピックアップし、電力量を計算しましょう。
例えばLED電球8Wと冷蔵庫200W、エアコン450Wを24時間使えるようにしたければ以下のように計算します。
(8W+200W+450W)×24時間=15,792W ⇒ 15.7kWh
この場合は15.7kWh以上ある蓄電池を用意すると、使いたい家電が24時間使えるということになります。
災害時にどの家電を使用したいかを考え、それに応じた蓄電池の容量を検討してみてください。
まとめ
発電機と蓄電池の違いは以下のとおりです。
・発電機:電気を作り出すもの
・蓄電池:電気を溜めるもの
両者メリット・デメリットはありますが、災害時に備えたいならポータブル電源「Jackery Solar Generator」がおすすめ。持ち運びが可能で、屋外・屋内関係なくどこでも使えます。さらにソーラーパネル付きのため太陽光での発電も可能。節電効果も得られて節約にもつながります。災害時の備えや節電対策にご検討ください。
コメント