1.Jackeryのポータブル電源が出力する正弦波とはどんな波形?
Jackeryのポータブル電源は、正弦波を採用しています。正弦波とはどのような波形なのか、興味をそそられた方も多いのではないでしょうか?
正弦波とは、正弦曲線を描く波形のことです。正弦曲線は「サインカーブ」とも呼ばれ、三角関数「y = sinx」で描かれる曲線です。この式で使われる「sin」(サイン)は日本語で「正弦」と呼ばれますから、正弦波はsinの関数を指します。sinをy軸にとり、x軸に時間や距離などの変数をとると正弦波ができます。
つまり、円運動を時間や距離の関数で表したものが正弦波です。実際の波形はプラスとマイナスの電圧が交互に変化し、ゆるやかにカーブする波を描いています。
●交流電流が正弦波になる理由
一般的によく知られているように、交流電流も正弦波で表されます。交流電流が正弦波になる理由は、発電のメカニズムに起因しています。
発電する際には、モーターやタービンなどを回転させます。この際に発電される電気はモーターの回転に応じて出力されますので、モーター内の回転子の回転に応じてプラスとマイナスが交互に発電されます。出力は緩やかなカーブを描くため、交流電流は正弦波になるというわけです。
●周波数とインバーター|東日本と西日本の違い
周波数 |
該当する地域 |
50Hz |
北海道、東北、関東、新潟県、山梨県 静岡県(富士川以東) |
60Hz |
九州・沖縄、山陽、山陰、四国、近畿 福井県、石川県、富山県、三重県、岐阜県、長野県、愛知県 静岡県(富士川以西) |
家電のなかには電子レンジのように、周波数が異なると動かない、あるいは意図した動作をしない場合があります。
しかし最近の家電で多いヘルツフリーの機器では機器内で周波数を変換しているため、50Hz・60Hzどちらのエリアでも問題なく使用できます。周波数を変換する装置をインバーターと呼び、ポータブル電源の正弦波出力を行っています。
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●直流の波形は正弦波にならない
電流は交流のほかに、直流もあります。乾電池が出力する電流は、代表的な例です。
交流との大きな違いの一つに、波形が挙げられます。直流の波形は直線であり、正弦波のようにカーブを描く波形にはなり得ません。このため、直流と交流は別ものであることに注意が必要です。
AC出力ポートを持つポータブル電源はインバーターを活用し、直流の電気を内部で交流に変換して出力しています。この変換方法しだいで波形が決まり、正弦波になるかどうかが分かれます。交流の波形にはどのようなものがあるか、次の章で確認していきましょう。
2. 交流の波形は多種多様!ポータブル電源に使われる波形を解説
交流はプラスとマイナスの電圧が交互に変化しています。オシロスコープ等の機器を使うと、規則的な波形となっていることを確認できます。
一方で交流の波形は、正弦波以外にも多数あります。ここでは代表的な波形を紹介したのち、ポータブル電源で使われる波形はなにか解説します。
●正弦波
正弦波は「交流電流が正弦波になる理由」で解説したとおり、曲線で描かれたゆるやかな波形をしています。電圧が変化する量はゼロの付近で最大となり、最大値や最小値に近づくにつれて電圧の変化量は小さくなります。電圧が最大値に達すると下降に転じ、最小値に達すると上昇するといった変化を繰り返します。
50ヘルツ地域ではこの変化が毎秒50回、60ヘルツ地域では毎秒60回繰り返されています。
●矩形波
矩形波の矩形とは、長方形を指します。矩形波は、長方形を等間隔で並べたような形状をしています。交流をつくり出す際、ハイレベルとローレベルの2種類の信号だけを使うと矩形波ができあがります。矩形波は、最大値から最小値まで電圧が一気に変化することが特徴です。
●修正正弦波(擬似正弦波)
修正正弦波は波形を階段状にして、矩形波を正弦波に近づけた波形です。このため、電圧は段階的に変化します。
「擬似正弦波」と呼ばれる場合もあるため、正弦波に近いイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし波形は滑らかな曲線でないため、家電を使う観点では矩形波の特徴が強く現れます。
●のこぎり波
のこぎり波は、以下の特徴を持つ波形です。
- 電圧が下降する場合は、即座に最小値まで電圧が下がる
- 電圧が上昇する場合は、時間をかけて直線的に上がる
この結果「真下に下がり斜めに上がる」といった、のこぎり状の波ができあがります。直角三角形をのこぎり状に並べた形状ともいえるでしょう。
●三角波
三角波は電圧の下降・上昇ともに、時間をかけて変化することが特徴です。一方でその変化が直線的なことは、正弦波との大きな違いです。このため三角波は、上下逆の三角形を並べた形状となります。
●ポータブル電源に使われる波形は3種類
市販されているポータブル電源に採用されている波形は、以下の3種類となっています。
- 正弦波
- 矩形波
- 修正正弦波
出力する波形は、製品ごとに異なります。安価な製品は、矩形波や修正正弦波を出力する仕様となっている場合があります。それぞれの波形の種類がどのようなものかは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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3. 正弦波以外の交流の波形が家電に与える影響
正弦波以外の交流を使うと、正常に動作しないおそれがある家電は多いです。ここからは正弦波以外の交流の波形が影響する家電について、解説していきます。
・波形の影響なく使える家電
電気を単純に熱や光に変える家電は、矩形波や修正正弦波でも問題なく使えます。とはいえ家電の電子化が進んだ現代では、該当する家電は多くありません。精密機器を内蔵していないホットプレートや、白熱電球などに限られるでしょう。
・波形の影響を受ける家電
以下のいずれかに該当する機器は、波形の影響を受けます。
- 内部に精密機器が使われている機器
- モーターを使って動作する家電
- 調光機能を備えた照明器具
ほとんどの家電は、上記のいずれかに該当します。電子レンジや炊飯器、冷蔵庫、テレビ、パソコン、シュレッダーなど、波形の影響を受ける機器は多数あります。ACアダプタも正弦波以外の電気を使うと、動作に悪影響をおよぼすおそれがあるため使用を避けましょう。
このため、電化製品に詳しくない限り想定外のトラブルを避ける意味でも正弦波を出力するポータブル電源を使用した方が無難だといえます。
4. 幅広い家電を使えるポータブル電源の波形は正弦波だけ
修正正弦波や矩形波で家電を動かそうとすると、以下のような現象が起きるおそれがあります。
- 家電が動作しない
- 動作音が大きくなる。または動作音が高くなる
- 消費電力が大きくなる
- 家電のランプが点滅する
- しばらく使い続けると、家電が壊れる
実際に「動作音が高くなる」「電気機器のランプが点滅する」「消費電力が大きくなる」といった現象を、動画投稿サイトで確認できます。
正弦波を出力するポータブル電源なら、上記に挙げた現象は起きません。幅広い家電を安心して使えるポータブル電源の波形は、正弦波に限られます。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、正弦波を出力します。矩形波や修正正弦波は出力しません。電圧も電力会社から供給される電気と同様に、交流100Vで出力します。このためコンセントにつなぐ場合と同じ感覚で、幅広い家電を安心して使えます。
5. ポータブル電源を購入する際、正弦波以外に注意すべきポイントは?
ポータブル電源の購入にあたり、正弦波であることは重要なポイントです。一方でチェックすべきポイントは、これ以外にもあります。ご自身のライフスタイルに合った製品を選ぶと、有効活用できるでしょう。ここからは主な4つのポイントについて、どのような点に注意すればよいか確認していきましょう。
容量
容量は「Wh」で示される値で、電力と時間をかけた電力量で表されます。値が大きいほど、ポータブル電源を長時間使えます。ポータブル電源のスタミナを示す値といえるでしょう。
例えば1400WのIHクッキングヒーターを1時間使う場合は、1400Wh以上のポータブル電源が必要です。LED照明やパソコン、スマートフォンの充電程度であれば300Whのポータブル電源でもよいですが、調理家電を活用したい場合はできるだけ大容量の製品を選びましょう。
Jackery(ジャクリ)では本体で3000Whの製品や、拡張バッテリーを含むと12kWhにおよぶ製品を提供しています。
関連人気記事:「徹底解説」用途別のポータブル電源容量目安を紹介
定格出力
定格出力はポータブル電源のパワーを示し、安定して出力できる電力を指します。ポータブル電源の定格出力以下の家電は使えますが、定格出力を上回る家電は使えません。複数の家電を使う場合は、消費電力の合計が定格出力以下である必要があります。
ポータブル電源の定格出力が大きいほど、数多くの家電を使えます。Jackeryでは、定格出力3000Wの製品もご用意しています。詳しくは以下の記事もご参照ください。
関連人気記事:【徹底解説】ポータブル電源の購入前に知っておくべき定格出力とは?
安全性と品質
ポータブル電源は内部にリチウムイオン電池を内蔵しているため、安全性を気にする方も多いでしょう。また重量もあるため、腰を痛めないか気になる方も多いと思います。
Jackery(ジャクリ)製品には以下の特徴があり、安全性と高い品質、使いやすさを提供しています。
- BMS(バッテリーマネジメントシステム)により、過放電や過充電を防ぐ
- 本体には耐火材料を使用
- ChargeShield技術で安全性を向上しながら短時間で充電し、バッテリーを長持ちさせる
- EPS機能により、停電時でもポータブル電源からの給電に20ミリ秒以内で切り替え可能
- 持ちやすいハンドルを備えている。25kg以上の機器はキャスターもあるため楽々
関連人気記事:Jackeryポータブル電源の安全性について
アフターサービス
製品を安心して使うためには、購入してから廃棄するまでの充実したサービスも欠かせません。購入前には、以下の項目もチェックしてください。
- 不明な点を問い合わせできる窓口
- 長い保証期間
- 手間をかけず安価な料金で廃棄できる
Jackery(ジャクリ)では以下のサービスを提供していますので、購入後も廃棄するときまで安心してご活用いただけます。
- 電話、メール、LINE公式アカウントでの問い合わせが可能
- 最長5年間の無料保証を提供
- ポータブル電源は送料の負担のみで無料回収が可能
6. 正弦波出力で長寿命のポータブル電源おすすめ3選
近年では激甚化する災害への対策や電気代の節約、車中泊での活用などを理由に、ソーラーパネルを活用した製品も注目されています。Jackeryならソーラーパネルで蓄電した電気も、家庭用の交流100V電源で出力できるためおすすめです。
ここからはJackeryが提供するポータブル電源のなかから3種類を取り上げ、おすすめするポイントを解説します。各製品とも、5年間の長い保証がついていることは魅力的です。ここまでで解説した内容をもとに、あなたに合った製品を選んでください。
●Jackery Solar Generator 2000 Plus
Jackery Solar Generator 2000 Plusはポータブル電源 2000 Plusに、最大25%という業界トップクラスの変換効率を持つソーラーパネルSolarSaga 200Wを組み合わせた製品です。
本体を使いながらバッテリーパックをソーラーパネルで充電するといった、効率的な使い方が可能です。災害への備えはもちろん電気代を節約する手段として、またオフグリッドを実現する手段として使えることも魅力的です。
●Jackery Solar Generator 1000 Plus
Jackery Solar Generator 1000 Plusはポータブル電源 1000 Plusに、ソーラーパネル「SolarSaga 100W」を組み合わせた、さまざまな家電を使えることが特徴の製品です。
1台あれば調理家電や暖房用の家電など、消費電力が大きい家電も使えます。長時間使いたい場合は、バッテリーパックの増設によりバッテリー容量を拡張するとよいでしょう。
急いで使いたい場合は、家庭用電源を使えば1.7時間で充電できるスピードも魅力的です。自宅での活用はもちろん、車中泊やキャンプなどさまざまな用途で活用できる製品です。
●Jackery Solar Generator 300 Plus 100W
ポータブル電源 300 Plusのセット製品に含まれるソーラーパネルは、「SolarSaga 100W」と「SolarSaga 40 Mini」の2種類から選べます。Jackery Solar Generator 300 Plus 100Wには、SolarSaga 100Wをセットしました。
ポータブル電源本体には、ライトも備えています。照明を確保する、情報を得るといった用途であれば十分に使えるでしょう。ソーラーパネルでも充電できるため、停電時や車中泊など電源を取れないケースでも安心です。本体は3.75kgと軽量ですから、すでにポータブル電源をお持ちの方も2台目の機器として使えます。
7. ポータブル電源なら正弦波を出力するJackery製品をおすすめ
ご家庭で使用する電化製品は正弦波を前提にして設計されていますので、ポータブル電源を使用する際には電化製品の予期せぬ破損を未然に防ぐという意味でも正弦波を出すタイプを選択されることをお勧めいたします。
Jackeryポータブル電源は、全部正弦波を出力する製品で安心して様々な家電を使えるのでおすすめです。
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