1.ドローン撮影に必要な機材|費用はどのくらいかかる?
ドローン撮影を始めるにあたって、まず押さえておきたいのが必要な機材です。初期投資の目安を知ることで、予算計画も立てやすくなります。
●ドローン本体
ドローン本体の選択は、撮影の質を大きく左右する重要な要素です。
初心者向けの入門機では5万円前後から、プロ仕様の高性能機になると50万円以上するものまでさまざまです。手軽に楽しみたい方には、1万円前後のトイドローンもあります。
GPS機能や自動帰還機能など、安全性に関わる機能が搭載されている機体を選ぶことをおすすめします。初心者や操縦技術に不安がある方は、操縦をサポートする機能がついている機体を選べば故障や破損のリスクを減らすことが可能です。
●カメラ
空撮用ドローンに搭載されるカメラは、機体によって性能が大きく異なります。
エントリーモデルでは1080px程度の解像度から、ハイエンドモデルでは8K動画撮影が可能なものまであります。解像度が高いと画質は綺麗ですが、データ容量が大きく編集に時間がかかるなどのデメリットも考慮しなくてはいけません。
用途に応じて、必要な画質や機能を見極めることが重要です。
●バッテリー
ドローンのバッテリーは通常、1回の飛行で20〜30分程度の飛行時間を確保できます。撮影時には予備のバッテリーを2〜3個用意しておくことをおすすめします。バッテリー1個あたりの価格は1万円前後が一般的です。
予備のバッテリーと共にポータブル電源を準備しておくと、交互に充電をしながらバッテリーを使用できるため、長時間のドローン飛行が可能になります。
●送信機
送信機は、ドローンを操縦するためのリモートコントローラーです。
基本的にドローン本体に付属していますが、プロ用の高性能な送信機に買い替えることも可能です。操作性や通信距離が向上し、より安定した飛行ができます。
●タブレットやスマホ端末
空撮時には、カメラの映像をリアルタイムで確認するためのモニターが必要です。多くの場合、スマートフォンやタブレットを専用アプリと組み合わせて使用します。コントローラーに直接モニターが取り付けられている製品もあります。
画面が大きいほど視認性が向上するため、可能であれば10インチ程度のタブレットがおすすめです。
2.ドローン撮影にあると役立つ機材
撮影の幅を広げ、より快適な撮影環境を作るための機材を紹介します。
●ポータブル電源
ポータブル電源は、持ち運びが可能な蓄電池。ドローンのバッテリーやタブレット端末などの充電が可能です。屋外でも充電が簡単にできるので、長時間のドローン飛行に役立ちます。
バッテリーの充電以外にも、冬のドローン撮影中に電気毛布で暖を取ったり、暗い場所での撮影の際に灯りを確保したりする場合にも使用できます。使用しないときも停電時の防災用品になるアイテムです。
当社Jackery(ジャクリ)のポータブル電源はコンパクト・軽量なので、持ち運びがしやすいのが特徴です。
ソーラーパネルをセットで活用すると、繰り返し充電ができて長期間の車中泊やキャンプなど活用できる幅が広がります。
ドローン撮影時におすすめのポータブル電源を紹介します。
┃Jackery Solar Generator 240 New 40 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル|持ち運びがしやすい軽量コンパクトモデル
Jackery Solar Generator 240 New 40 Mini ポータブル電源 ソーラーパネルは、重量わずか3.6kgのコンパクトサイズながら、256Whの容量を実現したポータブル電源とソーラーパネルのセットです。ドローンのバッテリー充電に必要な出力を確保しつつ、持ち運びの負担を軽減できます。
充電場所のない自然の中で撮影をするとき、持ち運びがしやすいポータブル電源があると撮影を長時間楽しめます。
┃Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル|ソーラーパネルで充電しながら長時間使用可能
Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、632Whの大容量ポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせにより、長時間の撮影でも安定した電力供給が可能です。晴天時には、ソーラーパネルから充電しながら連続使用できます。
大容量なので、スマホの同時充電やランタンなどの電源確保も可能。ドローン撮影にとどまらず、キャンプなどのアウトドアでも活躍します。
┃Jackery Solar Generator 100 Plus 40 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル|機内持ち込み可能なので旅行で活躍
Jackery Solar Generator 100 Plus 40 Mini ポータブル電源 ソーラーパネルは、Jackery Explorer 100 PlusとJackery SolarSaga 40 Mini ソーラーパネルのセットです。99Whのバッテリー容量は航空機への持ち込み制限をクリアしており、海外での撮影時にも活用できます。
AC出力ポートとDC出力ポートがついていないため、USB出力のみとなりますが、軽量コンパクトな設計は旅行時に重宝されるポータブル電源です。
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●風速計
風速の測定は、安全な飛行のために欠かせません。
国土交通省の「無人航空機 飛行マニュアル」では、5m/s以上の突風が発生する場合は即時に飛行を中止するよう定められています。正確な風速計があれば、安全な飛行判断を適切に行えます。
●プロペラガード
初心者の方は、プロペラガードの装着がおすすめです。不慮の接触事故からプロペラを保護し、周囲への安全性も高められます。
重量は多少増加しますが、安全性の向上というメリットの方が大きいです。
●偏向サングラス
空撮時は強い日差しにさらされることが多く、画面の視認性が低下しがちです。偏向サングラスを使用することで、モニターの映像をより鮮明に確認できます。目を保護する観点からも、装着すると良いでしょう。
●PLフィルターとNDフィルター
PLフィルターは水面や窓からの反射を抑え、より自然な映像を撮影できます。NDフィルターはシャッタースピードの調整を容易にし、動画撮影時のブレを軽減してくれるアイテムです。
両者を使い分けることで、より高度な映像表現が可能です。
●ランディングパッド
ランディングパッドは、いわゆるドローン専用の着陸マット。離着陸時の安全性を高めてくれます。
また砂や埃の巻き上げを防ぎ、機体やカメラレンズを保護します。折りたたみ式で持ち運びも容易なため、フィールド撮影時には活用したいアイテムです。
3.重要!ドローンの飛行に関する許可と資格
ドローン撮影を始める前に、理解しておくべき法規制と必要な手続きについて説明します。要件を満たすことで、安全な撮影活動が可能です。
●ドローンの機体登録
重量100g以上のドローンを飛行させる場合、国土交通省への機体登録が必須です。
登録は専用のWebサイトから行い、登録番号を機体に表示しなければいけません。新規登録には900〜2,400円の手数料がかかります。登録は3年ごとの更新が必要で、更新登録の手数料も新規登録と同じ金額です。
●飛行申請と承認制度
人口密集地区での飛行や夜間、目視外などの条件下で飛行させる場合は、事前に国土交通省への飛行申請が必要です。
申請は飛行開始予定日の10営業日前までに行い、承認を得る必要があります。観光地や公園など、地域によって独自の規制がある場合もあるため、事前の確認が重要です。
●ドローン操縦ライセンス制度
2022年12月より、ドローン操縦に関する国家資格の運用が開始されました。資格を持つことで飛行申請の省略が可能になったり、飛行できる範囲が広がったりというメリットがあります。国土交通省認定の講習機関での受講もしくは独学で学習し、試験に合格することで取得可能です。
他に、ドローン操縦に関する民間資格も複数あります。ドローンの活用目的に合わせて資格取得を検討しましょう。
4.空撮におすすめのドローンの選び方
初めてドローンを購入する方のために、重要な選択ポイントを詳しく解説します。価格のみで選んでしまうと、操作性が悪かったりや想像していた映像が撮れなかったりするリスクがあります。用途や予算に合わせて、最適な機体を選びましょう。
●ドローン本体の重量
ドローンの重量は、法規制の適用や携帯性に直接関わる重要な要素です。
100g未満の機体は航空法の適用外となるため、登録や申請が必要ありません。一方で、優れた性能のカメラや大容量バッテリーを搭載するには、ある程度の重量が必要です。一般に500g〜1kg程度の機体なら、携帯性と性能のバランスが取れています。
●カメラの性能
空撮の質を決定づける重要な要素がカメラ性能です。
1080px以上の解像度に対応し、撮影時のブレを補正するジンバルを搭載した機体を選ぶことをおすすめします。動画の使用目的により、高解像度の画像が必要な場合は、4Kなど高画質のカメラを選択することが必要です。
RAW形式での撮影が可能なモデルであれば、後処理での映像編集の幅が広がります。
●飛行可能時間
1回の飛行時間は、バッテリー容量と機体の重量によって決まります。
ドローンの多くは20〜30分程度の飛行が可能です。余裕を持った撮影を行うため、予備バッテリーを最低1個は用意しておくことをおすすめします。
ポータブル電源があれば、現地でのバッテリー充電も可能です。
●機能の豊富さ
安全で快適な撮影のために、以下の機能が搭載されているモデルがおすすめです。
・GPS機能:位置を正確に把握し、安定したホバリングができる
・障害物検知機能:衝突を防止し、安全な飛行をサポートしてくれる
・落下防止機能:バッテリー残量低下時の自動着陸など操縦のサポートをしてくれる
・自動追尾機能:被写体を自動的に追いかける撮影が可能になる
・ジンバル機能:カメラの安定性を確保し、滑らかな映像を撮影できる
・自動帰還機能:緊急時や電池残量低下時に自動で戻ってくる
・ヘッドレスモード:初心者でも直感的な操作が可能になる
機能が豊富になるとドローンの価格も高額になりやすいので、自分に必要な機能を見極めて、最適な機体を選択しましょう。
5.ドローン空撮(撮影)のテクニック【初心者必見】
魅力的な空撮映像を撮影するための基本テクニックを解説します。ポイントを押さえることで、初心者でもダイナミックで壮大な映像を撮影できます。
●飛行速度を一定に保つ
安定した映像を撮影するためには、一定の速度で飛行することが重要です。急な加速や減速は映像にブレを生じさせ、視聴者に不快感を与える原因となります。飛行速度を一定に保つには、コントローラーのスティックを固定させる方法がおすすめです。
始めのうちは、ゆっくりとした速度で練習を重ねることをおすすめします。
●ジンバルの設定をする
ジンバルは、カメラの水平を保ち、機体の揺れを補正する重要な機能です。
撮影前にジンバルの動作をチェックし、適切な設定で撮影することで、高品質な映像が撮影できます。感度設定は、撮影シーンに応じて調整しましょう。
●構図のバランスを意識する
効果的な空撮映像を作るには、構図の基本を押さえることが重要です。以下のポイントを意識しましょう。
・画面の中心に主要な被写体を配置する
・地平線は画面を三分割した位置に合わせる
・動きのある被写体には、進行方向に余白を持たせる
・建物や自然物を額縁として活用する
構図を意識すると初心者でも安定感のある動画を撮影できます。
●定番の動きを決めておく
効率的な撮影のために、以下のような基本的な動きのパターンを習得しておくのがおすすめです。
・真上からのトップビュー
・徐々に上昇しながらの後退
・水平移動での横パン
・円を描くような周回移動
動きを組み合わせることで、変化に富んだ映像が撮影できます。
●動きをつけて臨場感を出す
基本的な操作に慣れてきたら、以下のような動きを取り入れて映像に変化をつけましょう。
・ドリー効果(カメラを被写体に向けながらの平行移動)
・リビール効果(障害物の背後から被写体を表示)
・オービット(被写体を中心とした円周移動)
・ティルトアップ/ダウン(カメラを上下に動かす)
ドローンの操縦は練習を重ねることで、より精度の高い操作ができます。操作に慣れてきたら、技術の幅を広げられるように、新しい操作方法に挑戦してみてください。
6.ドローン撮影に関するよくある質問
初めてドローン撮影に挑戦する方からよくある質問について解説します。
●初心者でもドローン撮影はできますか?
最近のドローンは高性能な自動制御機能を搭載しており、初心者でも安全に飛行させられます。
最初は天候の良い日に、広い場所で基本的な操作を練習してみてください。自動飛行モードを活用して安全に撮影することもおすすめです。慣れてきたら徐々に難しい技術に挑戦して、飛行技術を上げられると良いでしょう。
スクールで技術を学ぶことも、短期間で技術を身につけたい方には効率の良い選択肢です。
●ドローン空撮の仕事に資格は必要?
一部のエリアで撮影する場合を除き、ドローン空撮に資格は必須ではありません。有人地帯における補助者なしの目視外飛行でドローン空撮をするには、資格が必要になります。
ドローンを飛ばす場合、100g以上のドローンは機体登録が必要です。また、エリアによっては飛行申請を行い、許可を得る必要があります。資格を保有していると飛行申請が省略できる場合があり、仕事でドローンを使用する際に作業の簡略化につながります。
資格保有は、クライアントからの信頼獲得にもつながり、ビジネスの幅を広げる重要な要素です。
●ドローン撮影を行う際の注意点は?
安全な撮影のために、以下の点に注意しましょう。
・天候条件の確認(風速、雨、視界)
・バッテリー残量の確認
・飛行制限区域の確認
・プライバシーへの配慮
・周囲の安全確保
・緊急時の対応手順の確認
天候が悪い中での飛行やバッテリー残量が少ない状態での飛行は、機体を損傷したり人に怪我をさせてしまったりするリスクにもつながります。
ドローンを安全に飛行させるには、飛行に関する知識の理解と適切な手続きが必要です。安全な飛行ができるように十分な準備を行って、ドローン撮影を楽しみましょう。
まとめ
ドローン撮影は、適切な準備と基本的な知識があれば、初心者でも安全に楽しめます。
機材選びから法規制の理解、基本的な操縦テクニックまで段階的に学習を進めることで、誰でも魅力的な空撮映像を撮影できます。この記事で紹介した内容を参考に、安全で楽しいドローン撮影にチャレンジしてみてください。
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