テント泊と山小屋泊の違いは?両者のメリット・デメリットを徹底比較!
泊りがけで登山をするのなら、テント泊と山小屋泊、2つの選択肢があります。これから初めて、泊りがけで登山をするという方は、この2つのどちらを選ぶべきか、迷ってしまいますよね。
テント泊と登山泊には、それぞれメリットとデメリットがあります。
両者のメリット・デメリットを知ったうえで、どちらにするかを決めれば、こんなはずじゃなかったと、現地で後悔することを防げますよ。
今回は、テント泊と山小屋泊、それぞれのメリット・デメリットを説明したうえで、それぞれに向いているのがどんな人なのかについて、紹介していきます。
テント泊と山小屋泊の違い
テント泊と山小屋泊は、それぞれ以下の宿泊方法です。
- テント泊…テント場にテントを張って宿泊する
- 山小屋泊…山小屋で宿泊する
どちらも、山の中腹などにあるテント場や山小屋まで歩いて登っていく点は、変わりありません。
テント泊と山小屋泊には、それぞれ以下のような、メリットとデメリットがあります。
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テント泊 |
山小屋泊 |
メリット |
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デメリット |
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では次から、それぞれのメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
テント泊のメリット
テント泊のメリットは、以下のとおりです。
- 大自然を身近に感じられる
- プライベートな空間で過ごせる
- 自由度が高い
- 使用料が安い
テント泊の魅力とは、大自然を身近に感じられることです。なにしろテント泊では、山とテントの生地1枚隔てただけの空間に泊まることになります。
テントの入り口を開ければ、そこには大自然が広がっているなんて、ロマンがありますよね。
ソロキャンプの場合は、テントが自分専用のスペースになります。誰にも気兼ねせず、自由に過ごせるので、開放感もバツグンです。
自由度が高いのも、テント泊の魅力の1つです。テント泊では、寝るのも起きるのも、食事をするのも、自分の好きなタイミングを選べます。
テント場の使用料は、数百円から、高くても1,000円程度なので、お財布に優しいのも嬉しいポイントですね。
テント泊のデメリット
テント泊には、以下のデメリットもあります。
- 装備を揃える必要がある
- 食事の準備が必要
- 荷物が重くなる
- 天候の影響を受けやすい
- 快適に過ごしにくい
- 電気が使えない
テント泊では、山小屋泊に比べて、必要な装備が増えます。
通常の登山に必要なものに加えて、最低限以下の装備は必要です。
テント泊に必要な装備 |
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1人用のテント |
クッカー |
ペグ |
バーナー |
ペグハンマー |
カトラリー(箸やフォークなど) |
シュラフ(寝袋) |
食材 |
マットレス |
水(通常より多く必要) |
普段からキャンプをしている人ならともかく、そうでないのなら、最初に装備を揃えるのにお金がかかります。
また、装備が増えるということは、必然的に背負っていく荷物も重くなってしまいます。
天候の影響を受けやすいのも、テント泊のデメリット。強い雪や強い雨や風によって、テントが崩れてしまうこともあるので、悪天候のときは気が抜けません。
もちろん、テント泊では、季節の影響も受けますテント内では、暑さや寒さの対策がしにくいため、快適に過ごすのは難しいと言えるでしょう。
気温の対策ができない理由の1つには、テント内では、電気が使えないということもあります。
ただし、テント泊でも、電気を使用する方法はありますその方法については、後ほど「テント泊で電気を使用する方法」のパートで紹介しますね。
山小屋泊のメリット
山小屋泊のメリットは、以下のとおりです。
- 荷物が軽く済む
- 食事を用意してもらえる
- 天候の影響を受けない
- 快適に過ごせる
- 電気が使える
テントや食料が必要なぶん、どうしても重装備になってしまうテント泊と違って、山小屋泊では、装備を必要最小限にできます。荷物が少ないぶん、同じ山を登るのでも、テント泊に比べると、ずっと登山が楽になりますよ。
食事も、山小屋で用意してもらえるので、食料や調理器具を背負って山を登ったり、自分で作ったりする負担や手間がかかりません。
また、小屋の中で過ごすので、雷雨や強風などがあっても、影響を受けません。
山小屋内には冷暖房の器具もあるので、気温の影響も受けず、快適に過ごせます。
コンセントもあるので、スマホやデジカメの電池切れの心配も少なくなります(ただし、混雑時にはコンセントが埋まっている可能性もあるので、モバイルバッテリーは準備しておいたほうが安心です)。
山小屋泊のデメリット
山小屋泊には、以下のデメリットもあります。
- 自由度が低い
- 混雑しやすい
- プライベートな空間がない
- 宿泊料金が高い
山小屋泊は、テント泊と違い、自由度がかなり低くなっています。というのも、山小屋では、チェックインやチェックアウト、食事や就寝の時間などが決められているからです。
予約した時間に遅れてチェックインすると、受付から怒られてしまうことも。
多くの山小屋は、登山道の途中にあり、そこまで山を登っていくことになります。そのため、チェックインに遅れないよう、余裕を持って出発したり、遅れてしまいそうな場合は、ペースを上げたりしなければなりません。
また、登山泊の醍醐味といえば、山から見る日の出や夕日ですが、食事の時間が指定されていると、日の出や日没と食事の時間がかぶってしまうこともあります。
休日に登山をすると、混雑しやすいのも、山小屋泊のデメリット。
多くの山小屋では、他の登山客と、相部屋になります。特に混雑時は、性別に関係なく相部屋に押し込まれて、1畳のスペースに2人で寝ることも少なくありません。
隣が同性になるという保証もないため、山小屋泊に慣れていない女性には、ハードルが高いと言えるでしょう。また、1畳に2人で寝るわけなので、当然プライベートな空間はありません。
山小屋は、あくまで寝るための場所と考えておいたほうがいいでしょう。
このように、ホスピタリティとは程遠い環境の山小屋ですが、その割に宿泊料金は高くなっています。テント泊の使用料が数百~1,000円程度なのに比べて、山小屋泊の宿泊料は、食事付きなら6,000~10,000円程度。
寝るためのスペースが0.5畳ということを考えると、かなり割高に感じてしまいます
テント泊はこんな人におすすめ!
ここまで説明したように、テント泊にも山小屋泊にも、様々なメリットとデメリットがあります。
テント泊と山小屋泊のどちらを選ぶかは、それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、自分がどちらに向いているかを考えて、決めるのがおすすめです。
テント泊に向いているのは、以下のような人たちです。
- 登山の上級者
- 体力に自信がある人
- キャンプ経験者
- 登山だけでなく、キャンプも楽しみたい人
- 自分のペースで登山を楽しみたい人
テント泊では、山小屋泊に比べて、背負っていく荷物が重くなるので、登山の初心者や、体力のない人には向きません。
登山経験が豊富で、体力作りもしている人は、テント泊に向いています。
また、登山は初心者でも、キャンプの経験が豊富にあるのなら、テントを張ったり、キャンプ料理を作ったりできるので、テント泊に向いていると言えるでしょう。
そのうえで、登山もキャンプも両方楽しみたいという人や、時間を指定されずに自分のペースで登山がしたいという人に、テント泊はおすすめです。
テント泊で電気を使用する方法
テント泊では電気が使えないと説明しましたが、実は電気を使用する方法もあります。その方法は、テント場に「ポータブル電源」を持っていくことです。
ポータブル電源は、持ち運びのできる電源(コンセント)です。充電済みのポータブル電源に、電化製品のコンセントを挿せば、ためた電気を利用して、電化製品を動かせます。
ポータブル電源は3~15kg程度の重量があるので、ただでさえ荷物が多くなるテント泊で、テント場まで背負っていくのは現実的ではありません。しかし、テント場のなかには、駐車場から歩いて行けるところもあります。
こうしたテント場にテントを張り、そこに荷物を置いて、軽装備で登山するスタイルなら、テント泊の際にポータブル電源や電化製品が使えます。ポータブル電源があれば、夏はサーキュレーター、冬はハロゲンヒーターを使って快適に過ごせるほか、コンセント式の調理器具も使えて、キャンプ料理にも幅が出ますよ。
テント泊で電気を使いたいという方は、検討してみるといいでしょう。
持ち運べやすいコンパクトな
Jackery ポータブル電源
まとめ
テント泊にも山小屋泊にも、良いところと悪いところがあります。
両者のメリット・デメリットを知ったうえで、自分がどちらをやりたいか、どちらに向いているかを考えれば、登山のときに後悔する心配も少なくなります。
これから泊りがけの登山をするという方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考にして、テント泊と山小屋泊のどちらにするか、決めてくださいね。
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