1.冬キャンプに暖房が必要な理由
室内を温める器具である暖房は、冬キャンプの必需品と言っても過言ではありません。冬キャンプの気温は-5℃〜5℃と低く、服を着込んだとしても手先足先や顔などから冷気が伝わります。また、厚着をし過ぎるとかえって蒸し暑くなることもあるでしょう。
暖房を使うことで、テント空間をまんべんなく暖めることができ、通気性の良い寝袋や服装でも快適に過ごせます。暖房と言えば燃料が必要だったり、重さがあったりと抵抗がある方も多いと思います。しかし、これから紹介する暖房の種類を理解することであなたに合った暖房が見つかるでしょう。
2.冬キャンプで使える暖房器具の種類
暖房器具にはいくつかの種類が存在し、それぞれ温める仕組みが異なることでキャンプの向き不向きが変わってきます。寒い冬キャンプを快適に過ごす上で使える暖房器具の種類は、次の4つです。
①薪ストーブ
薪ストーブとは、薪を燃やした炎でテント内を温める暖房器具です。鉄製や鋼板製の箱型の本体内部で、空気量を調整して薪を燃やします。煙突から排気するので、空気は汚れません。鉄板やオープンとして料理に使うこともできるので、冬キャンプには実用性の高い暖房器具です。
メリット |
デメリット |
・おしゃれでキャンプシーンに栄える ・炎を眺めるとリラックス効果がある ・料理にも使用できる |
・煙突を併用しないとテント内では使用できない ・価格が高い ・手入れの工程が多い |
②ガスストーブ
ガスを用いて温める暖房器具です。冬キャンプでは電気や灯油を使わず、ガスボンベを使うことで簡単に燃焼させられます。自宅でガスコンロで調理する方は、馴染みが深いでしょう。ただし、排気ガスが出るので、密閉されたテント空間内での使用は厳禁です。
メリット |
デメリット |
・立ち上がりが早い ・気分が悪くなる匂いを発しない ・空気が乾燥しにくい |
・火力調整が難しい ・連続運転時間が短い |
③石油ストーブ
灯油を燃料にする暖房器具です。冬キャンプに、テント内を効率よく温めるのに向いています。ただし、ガスボンベや燃えやすい衣類などの近くで燃焼するのは避けてください。
メリット |
デメリット |
・送風音がなく、静かに過ごせる ・自動消火機能が付いている ・空気が乾燥しない |
・一酸化炭素中毒になる恐れがある ・換気を必要とする |
➃電気ストーブ
電気を燃料として赤外線や遠赤外線によって温める暖房器具です。一酸化炭素中毒の危険がなく、電源さえ確保できれば場所を選ばず温められるので、冬キャンプに密閉されたテント内でも安全に利用できる暖房です。
メリット |
デメリット |
・持ち運びしやすい ・暖まるまでが早い ・空気を汚さない |
・電源を確保する必要がある ・空気が乾燥しやすい |
関連人気記事:冬キャンプの味方!ポータブル電源で作るこたつの作り方
3.冬キャンプにおすすめの暖房器具5選
寒い冬キャンプで使用する暖房は、コンパクトかつ軽量で連続稼働時間が長いタイプがおすすめです。ジャンルごとにおすすめの暖房器具を5つ紹介します。
①ホンマ製作所|ストーブカマド
どっしりとした重量感と洗練されたデザインが、冬キャンプの雰囲気を盛り上げてくれる薪ストーブです。揺らぐ炎を間近で見ることができ、テント内でもキャンプ気分を味わえます。一度温まれば余熱が持続するので、就寝に合わせて消灯したとしても安心です。
煙突を使って燃焼した空気は外に出せるので、テント内の空気が汚れることもありません。本格的な冬キャンプを楽しみたい方には一度は手にしてみたい暖房と言えるでしょう。
種類 |
薪ストーブ |
価格 |
23,700円(税込) |
②Yinleader|ガスヒーターストーブ
カセットボンベを使用するので、点火してすぐに暖まるガスストーブです。向きを自在に調節できるので、やかんでお湯を温められます。電気を使用しないため、電源のなしキャンプサイトでも使用できる暖房です。
軽量かつコンパクトな設計のため、持ち物が多くなりやすい冬キャンプに最適な暖房器具と言えます。キャンプシーンだけでなく、自宅でも使用でき、利便性の高い商品です。
種類 |
ガスストーブ |
価格 |
6,997円(税込) |
③コロナ|石油ストーブ SX-E2921Y
強力な遠赤外線を放出するため、真冬の極寒でも重宝します。電子点火を採用しているため、ワンプッシュで素早く温められるのも魅力です。
石油ストーブ特有の匂いをカットする設計がされているため、匂いが苦手な方でも安心して使用できます。蓋を開けて閉める動作だけで給油ができるので、手が汚れる心配もいりません。
種類 |
石油ストーブ |
価格 |
21,500円(税込) |
➃山善|電気ストーブ
小さくて軽量のシンプルな電気ストーブです。コスパが良いので、冬キャンプに頻繁に行く機会が少ない方やソロの冬キャンプにもおすすめできる暖房です。強(800W)と弱(400W)をワンタッチで切り替えられるので、キャンプ地の気温によって温度調節が可能です。
転倒防止スイッチを搭載しており、万が一転倒した際には自動で電源がオフになります。本体はスチール素材なので、火災のリスクが低く、初心者の方でも安心です。
種類 |
電気ストーブ |
価格 |
3,999円(税込) |
⑤ブルーノ|ノスタルストーブ ワイド
稼働音が気にならない首振り電気ストーブです。熱源としてカーボンを採用しているため、速暖性に優れ、体を芯から温めてくれます。ダイヤルを回して温度の微調整ができ、秋〜冬にかけて幅広い気温に対応している暖房です。
コンパクト設計なので、テント内のスペースを取らず、快適性も抜群です。転倒時には自動で停止する機能のほか、8時間の連続運転時に自動停止する機能も付いているので、電力を節約しながら安心して利用できます。
種類 |
電気ストーブ |
価格 |
16,500円(税込) |
4.冬キャンプで暖房以外に重宝する寒さ対策アイテム6選
冬キャンプでテント全体を急速に暖められる暖房は便利ですが、就寝中は使えなかったり、一酸化炭素中毒の危険があったりとデメリットもあります。
快適で安全な冬キャンプを楽しむためには、これから紹介する暖房以外の寒さ対策グッズと併用することがおすすめです。
●ポータブル電源
冬キャンプに1台あるだけで、安全に寒さ対策ができる電気供給アイテムがポータブル電源です。ポータブル電源とは、本体に内蔵されているバッテリーに大量の電気を蓄え、AC出力ポートから電気暖房器具や電気毛布等の家電や電子機器に給電できるアイテムを指します。
冬キャンプにポータブル電源があるメリットは、寒さ対策だけにとどまりません。ポータブル電源のメリットは次のとおりです。
-
・電気ストーブと電気毛布を用いて、朝まで暖かく寝れる
-
・電子レンジや電気ケトルで簡単に温かい料理が作れる
-
・ランタンやLEDライトに長時間給電して夜を照らしてくれる
-
・スマホを常にフル充電にしておけるので、娯楽や連絡手段を確保できる
関連人気記事:キャンプに革命を。Jackeryのポータブル電源で広がる自由
●電気毛布
暖房器具に比べて安価で購入でき、一酸化炭素中毒の危険もなく安全に体全体を暖められるアイテムです。冬キャンプで、電気毛布にくるまるだけでも温かいですが、電気毛布をシュラフの下に敷くことで底冷えを防止できます。テントの床に敷いて、上にテーブルと開いた封筒型シュラフを乗せれば、こたつを作ることも可能です。
軽量かつコンパクトなので、持ち運びの邪魔にもなりません。ただし、電源が必要なので、電源なしのサイトで冬キャンプする際は、ポータブル電源と併用することをおすすめです。
●湯たんぽ
お湯を注ぐだけで長時間体を暖められるアイテムが湯たんぽです。ガスや電気を必要としないので、最も手軽に冬キャンプに導入できます。湯たんぽの主な種類とその特徴は次のとおりです。
種類 |
特徴 |
金属製 |
・熱伝導率が高い ・直火で暖められるタイプがある ・本体が熱くなりすぎる場合がある |
ゴム製 |
・手触りが心地良い ・コンパクトに収納でき、持ち運びしやすい ・保温性は劣る |
プラスチック製 |
・軽量で持ち運びしやすい ・お手頃価格で購入できる ・保温性は劣る |
関連記事:キャンプにおすすめの湯たんぽ7選!各素材の特徴や使用する際の注意点も解説
●カイロ
馴染みが深い方も多いカイロは、冬キャンプでも重宝する寒さ対策グッズです。暖めたい箇所をピンポイントで暖められるのが魅力です。携帯性にも優れているので、移動中やテントの外にいる際に、ポケットにいれておくだけで体を暖められます。
カイロには貼るタイプと貼らないタイプがありますが、貼るカイロは日中帯に背中や首元に貼り、貼らないカイロは就寝中に使用するのがおすすめです。就寝中に一箇所に熱を与えすぎると火傷の恐れもありますので、貼らないカイロをシュラフ内に忍ばせておき、シュラフ内部全体を暖めます。
●ブランケット
シュラフの中に隙間があると風が入ってきて寒いと感じることがあるでしょう。そんな時に活躍するアイテムがブランケットです。シュラフの中に入れることで毛布の役割を果たし、体中を保温できるので、寒い冬キャンプでも暖かく寝れます。冬キャンプ用ブランケットのおすすめの素材は次の3つです。
素材 |
特徴 |
フリース |
・肌触りが良い ・焚き火の炎に弱い ・安価で購入できる |
コットン |
・耐火性に優れている ・濡れると乾きにくい |
ダウン |
・軽量かつコンパクト ・保温力に優れている ・価格が高い |
●防寒着
冬キャンプで欠かせない寒さ対策が、防寒着の着用です。冬キャンプでは行くまでの道中やテント外で過ごす時間など、着ている格好が寒さに直結する場面が多くあります。
冬キャンプの寒さは場所や天候によっても大きく左右されるので、温度調節ができるよう、重ね着していくのがおすすめです。防寒着を選ぶ上で着目すべき機能を紹介します。
-
・保温性
-
・伸縮性
-
・軽量性
-
・吸湿性
-
・撥水性
防寒着は保温力に優れていれば良いというわけではありません。伸縮性や軽量性に優れていることは、キャンプのような動き回るアクティビティでは欠かせない要素です。また、雨天や積雪などの天候の場合、衣服が濡れてすぐに乾かないと体温が急速に奪われます。紹介した5つの機能に優れた服装を選んでみてください。
5.冬キャンプの寒さ対策で役立つポータブル電源4選
ポータブル電源は、一酸化炭素中毒などのリスクがなく、冬キャンプで電気ストーブや電気毛布などに安全給電できるだけでなく、キャンプ料理やスマホの充電などにも活用できるので、多くのキャンパーに重宝されています。特に、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、世界累計販売台数が400万台以上(2024年3月時点)を突破するほど人気が高く、安全性にも優れています。冬キャンプに一番おすすめな機種は、次の4機種です。
●Jackery ポータブル電源 1000 New
Jackery ポータブル電源 1000 Newは1,070Whの大容量と1,500Wの定格出力により、電気ストーブや電気毛布を含む、ほとんど全ての家電を稼働させられます。
商品の特徴
- ・同時に7台の給電が可能なので、暖房器具に給電しながら、スマホやパソコンへの充電や電化製品を使った料理ができる
-
・日中帯にソーラーパネルで2時間でフル充電できるので、冬キャンプ時暖房器具に給電する電力が就寝中に切れる心配がない
-
・寒さで動きたくない状況でも、Jackery専用アプリを用いると遠隔操作できる
-
・合計62個の保護システムと12重のBMS保護システムを搭載しているので、氷点下の冬キャンプでも安全に使用できる
Jackery ポータブル電源 2000 Newは2,042Whかつ2,200Wの高出力により、電気毛布であれば約25時間も稼働させられます。ファミリーキャンプなどの複数人の冬キャンプでも電気切れの心配がなく、おすすめです。
●Jackeryポータブル電源600Plus
Jackeryポータブル電源600Plusは、防災から日常使いや屋外での家電製品による本格調理まで、様々なシーンで利用できる「ちょうどいい」中容量モデルです。ソロの冬キャンプや日帰りキャンプ、車中泊で小型暖房や電気毛布、電子機器の充電には十分です。コンパクト且つ軽量で収納や設置もしやすいです。
●Jackery Solar Generator 240 New 40 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル
ポータブル電源業界ロングベストセラーJackeryポータブル電源240の後継機。リュックに入るほど業界「超コンパクト」を実現。タブレットに折りたためるミニソーラーパネルが付属されており、冬キャンプで昼にソーラー充電して、夜にその電力を電気毛布やプロジェクターなどに使えます。
6.冬キャンプで暖房を使用する際の3つの注意点
暖房器具は使い方を間違えると、命を危険にさらしてしまう恐れもあります。冬キャンプで快適且つ安全に過ごすためには、これから紹介する3つの注意点を守り、暖房器具を使用してください。
●一酸化炭素中毒を防ぐために換気する
石油ストーブやガスストーブを使用する際に注意しなければならないのが「一酸化炭素中毒」です。テント内の空気を使用して燃焼させるため、排気ガスに含まれる一酸化炭素濃度が上昇すると、一酸化炭素中毒を起こす恐れがあります。
一酸化炭素中毒の主な症状は次のとおりです。
-
・頭痛
-
・不快感
-
・めまい
-
・意識障害
-
・吐き気
石油ストーブやガスストーブを使用する場合は、必ず30分〜1時間に一度は換気をして新鮮な空気を取り込むようにしてください。冬キャンプのテント内で暖房を使うなら、電気ストーブがおすすめします。また、冬キャンプの就寝時は、電気毛布や湯たんぽのご利用もおすすめします。
●就寝時には暖房器具を消す
冬キャンプで寝る前にテント内をしっかり温めることができたら、就寝中は暖房器具の電源を切りましょう。就寝中に換気はできないので、灯油ストーブや石油ストーブなど排ガスが出る暖房を付けっぱなしにしていると一酸化炭素中毒に陥る可能性が高まります。換気した状態で寝たとしても、暖房からの熱風は外に逃げてしまい、寒さで起きてしまうかもしれません。
また、暖房器具を付けたまま寝ることで、他の物への点火や暖房の転倒などによって火事の危険も高まります。万が一、電源を切り忘れたときのために、転倒時の自動停止機能が付いているタイプがおすすめです。
●暖房器具の周辺に物を置かない
暖房の周辺に物があると引火する危険が高まります。暖房器具の電源を入れる前に、周辺に物がないかを確認しましょう。特にキャンプでは持ち物が多くなりがちで、普段テント内に物が散乱している方は注意が必要です。
7.冬キャンプで暖房の利用に関するよくある質問
冬キャンプでは暖房の利用が快適さに大きく影響しますが、安全面や効果的な使い方など多くの疑問が浮かびます。ここでは、冬キャンプでの暖房利用に関するよくある質問とその回答をまとめて紹介いたします。
①暖房なしで冬キャンプを快適に過ごすにはどうしたらいいですか?
暖房なしで冬キャンプを快適に過ごすためには、しっかりとした防寒対策やアイテム選びが重要です。詳しくは下記記事よりご確認ください。
②バイクのソロキャンプに持っていけるの暖房器具ってありますか?
バイクでの冬キャンプには、コンパクトで持ち運びやすく、かつ安全に使える暖房器具が最適です。例えば、携帯用カセットガスストーブ、小型湯たんぽなどがおすすめです。また、小型ポータブル電源を持参して電気毛布を使うことはより効果的で安全のため、おすすめです。
③冬キャンプにテント内で暖房を使う際の換気方法は?
冬キャンプでテント内に暖房を使用する際には、一酸化炭素中毒や酸欠を防ぐために十分な換気が必要です。たとえば、テントの入口やベンチレーション(通気口)を2箇所以上開けて、空気の入れ替えを行えます。30分~1時間に1回ほど、テントの出入り口を大きく開けて換気すると一酸化炭素中毒になるリスクがより減らします。
また、換気が十分でないときのために、一酸化炭素警報機をテント内に設置し、異常時にすぐに対応できるようにしましょう。
まとめ|冬キャンプは暖房で快適に過ごそう
冬キャンプに暖房器具があると、テント内を急速に暖められます。キャンプの雰囲気を最大限引き出すためには薪ストーブがおすすめです。石油ストーブやガスストーブはテント内を効率的に暖められる一方、一酸化炭素中毒の危険があるので注意しましょう。
ポータブル電源を持っていると、電気ストーブと電気毛布を組み合わせて安全に寒さ対策ができます。防寒着を着込み、複数の寒さ対策グッズを併用することで、初心者でも安心して冬キャンプが楽しめるでしょう。
コメント