1.冬ツーリングの3つの魅力
冬のバイクといえば、路面の凍結によるスリップや極寒による低体温症など、危険なイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。しかし、冬はライダーにとって最もバイクに乗りたくなる時期と言っても過言ではありません。
冬ツーリングの魅力を詳しく見ていきましょう。
●空気が澄んでいて気持ちいい
冬は夏に比べて気温が低く、空気中に含まれている水蒸気やチリが少ないために空気が澄んでいます。澄みきった冷たい空気を体全身で浴びている瞬間は、形容しがたい爽快感に包まれるでしょう。
また、バイク走行中の視界をクリアにし、自然の美しさを一層引き立てます。どのシーズンよりも遠くを見渡せるので、眺める景色に魅了されること間違いありません。
●綺麗なオーシャンブルーが見られる
冬は、1年を通して最も海が綺麗な季節です。水温の低下に伴い、プランクトンの数が減少するため、水中の濁りが少なくなります。また、冬の季節風が太平洋側では陸から海に向かって吹くため、濁った海水が沖へと流され、深海の澄んだ海水が上がってくるのです。
そのため、海岸沿いをツーリングすれば、見渡す限りの綺麗なオーシャンブルーが見られます。海といえば夏のイメージが強い方もいるかと思いますが、冬こそ海沿いをバイクで駆け抜けてみてください。
●エンジンの調子が良い
普段からバイクに乗る方で、冬の方がエンジンの調子が良いことに気付いている方も多いのではないでしょうか。冬は夏よりも空気中に含まれる酸素の割合が多くなるため、エンジンの調子が良くなります。
エンジンが軽やかに吹け上がり、独特の爽快感を楽しめるでしょう。空冷も効くので、オーバーヒートを気にせずに走れるのも大きな魅力です。ただし、スピードを出し過ぎると路面のスリップで大事故に繋がる恐れもあるので、注意してください。
2.冬のツーリングに潜むリスクとは
冬のツーリングには、他の季節にはない危険が潜んでいます。何も対策をしていなければ、転倒や衝突事故を引き起こし、最悪の場合は死に至るケースもあります。冬のツーリングを安全に楽しむために、冬のバイクに潜む以下のリスクを把握しておきましょう。
●路面が凍結している
冬のバイクで最も危険な要因の一つが、凍結した路面です。特に夜間や早朝の走行時は、凍結が目に見えにくいことが多く、突然スリップしてしまう可能性があります。
橋やトンネルの出入り口、日陰部分は凍結しやすい場所なので危険です。スピードを抑え、急な操作を避けることで、凍結による転倒のリスクを減らせます。
●体が硬直して操作性が悪くなる
冬の運転は寒さで手がかじかんで、操作性が悪くなる恐れがあります。全身が硬直して、カーブで上手く重心移動ができない場合もあるでしょう。バイクがバランスを崩せば、思わぬ事故にも繋がりかねません。
また、寒さは体だけでなく、脳の働きも鈍らせます。単調な道を走行していると、意識が朦朧としてきて、衝突事故に発展する危険があります。カーブがない道を走っている際も、イノシシや鹿などの野生動物が飛び出してくる可能性があるため、注意してください。
●雪で視界が悪くなる
雪の降る中でのバイク走行は、視界が悪くなるため非常に危険です。吹雪や雪の反射によって視野が狭まり、前方の状況を把握しにくくなります。
視界不良によって前方の車両や障害物を見落とすと、大事故にも繋がりかねません。視界が悪い状況ではバイクに乗らないのが、最も得策と言えるでしょう。
3.冬のツーリングを安全に楽しむための注意点
空気が澄んでいて気持ちいい冬のツーリングですが、事故に遭うリスクも他の季節と比べて高いのが特徴です。自分は大丈夫という油断が、事故に繋がります。冬のツーリングを安全に楽しむための注意点を詳しく見ていきましょう。
●バイクのメンテナンスを依頼する
バイクのメンテナンスを、個人で行うのには限界があります。長期間保管していると、結露やサビが発生している恐れがあるため、冬の走行前に専門業者にメンテナンスを依頼しましょう。専門業者で行ってもらえるメンテナンスの内容は、以下のとおりです。
・エンジンオイル交換
・オイルフィルター交換
・冷却水の交換
・ブレーキパッドの交換
・タイヤの点検
・サビ取り
メンテナンスを行わずに冬のツーリングを行い、事故に遭わなかったとしても、バイクに蓄積したダメージが大きくなり、メンテナンスで莫大な修理費用がかかる恐れもあります。
●ヘルメットの曇り止め対策を行う
冬のライディングで欠かせないのが、ヘルメットの曇り止め対策です。冬の寒さで冷え切ったシールドに、吐息がかかると視界は真っ白に変わります。視界が悪くなると、前方から来る対向車や障害物に気付きづらくなり、大事故にも繋がりかねません。
ヘルメットの簡単な曇り止め対策は、曇り止めスプレーを塗っておく方法です。スプレータイプで走行前にヘルメットに吹きかけるだけで、曇り止め効果を発揮します。また、シールドの内側に装着し、断熱層を作ってくれるピンロックシートも効果的です。
●高所に行くのは避ける
冬場の走行ルートに高所を選ぶのは避けてください。標高が100m上がるごとに、気温は約0.6℃下がると言われています。気温が低くなればなるほど路面が凍結する確率は高くなるため、事故に遭う危険が高まります。
路面の凍結だけでなく、風の影響で体温が奪われやすく、体が硬直して操作が難しくなることもあるでしょう。低地や安全なルートを選び、冬のライディングを楽しんでください。
4.冬のバイクは極寒!ツーリングに必要な服装
冬のツーリングで最もネックになるのが「寒さ」です。冬場の走行では、無風状態で10℃以上も寒くなると言われています。バイクに乗る際の服装は、体温をできるだけ外に放出しないよう、肌の露出を避ける工夫が必要です。冬のツーリングで必要になる服装を見ていきましょう。
●電熱ジャケット
バイクの防寒対策に欠かせないのが、電熱ジャケットです。内蔵したヒートパネルを電気で発熱させることで、暖房効果を発揮します。保温効果で冷えにくくするだけでなく、温める効果も発揮してくれるのが大きな魅力です。
電熱ジャケットへの給電方法として、車体給電と外部バッテリーによる給電の2種類があります。車体給電は長時間稼働できますが、バッテリー上がりのリスクがあります。
一方の外部バッテリーを使う方法は、バッテリー上がりを防いで手軽に給電できるのが特徴です。長時間の運転でも充電が切れないよう、バッテリーの持続時間が長いタイプを選びましょう。外部バッテリーには、大容量を備えたポータブル電源がおすすめです。
電熱ウェアは、ジャケット以外にベストやパンツ、グローブなども発売されているので、温めたい部位に合った商品も併せて選ぶとよいでしょう。
●グローブ
ハンドルを握っている手の冷えは操作性にも影響するため、寒さ対策に優れた冬用グローブは必需品です。操作性が失われると、転倒や衝突事故にも繋がりかねません。冬用グローブは、防風フィルムや中綿が採用されているため、保温性に優れています。
冬用グローブの種類と特徴は、以下のとおりです。
冬用グローブの種類 |
特徴 |
革のグローブ |
・耐久性が高く、伸縮性に優れている ・使い続けると手にフィットしてくる |
電熱線内蔵グローブ |
・グローブ内にヒーターが内蔵されている ・給電方法は車体給電か外部バッテリーによる給電 |
ロングタイプのグローブ |
・指先から手首までを覆い隠せる ・雪や風が入り込みにくい |
●ネックウォーマー
防風・防寒対策にネックウォーマーは欠かせません。頭から被って首元を冷風から保護します。冬のツーリングで活躍するネックウォーマーの選び方は、以下のとおりです。
・防風性や防水性に優れたネオプレン素材
・着脱やサイズ調整が容易な面ファスナータイプ
・目出し帽が付いて目元以外を覆えるバラクラバタイプ
顔や首は走行中に風を直接受ける部位であるため、ネックウォーマーは慎重に選びましょう。
5.バイクのお供に!冬に役立つポータブル電源2選
冬のツーリングにあると便利なアイテムが、ポータブル電源です。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄え、外出先でも電化製品に給電できる機器を指します。冬のバイクに携帯していると、以下のような場面で活躍します。
・ナビ代わりになるスマホの充電を切らさずに、目的地までたどり着ける
・電熱ジャケットを充電して、常に温かく冬のツーリングを楽しめる
・バイクの目的地や休憩地点に着いたら、暖房機器で暖を取れる
・目的地や休憩地点で電気ケトルを使って、簡単に温かい料理が作れる
冬のツーリングで使用するポータブル電源は、創業から12年間で世界販売台数400万台(2024年3月時点)を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、UL認定の安全性、耐火性、耐衝撃性を備えており、バイクに安全に携行できます。冬のツーリングにおすすめの機種を見ていきましょう。
●Jackery ポータブル電源 240 New
Jackery ポータブル電源 240 Newは、容量256Wh、定格出力300Wのポータブル電源。世界累計50万台以上を販売したJackery(ジャクリ)の大ヒットモデル「240」の後継機であり、容量・定格出力ともにパワーアップしています。
約3.6kgと軽量なので、バイクのシートバッグに入れて気軽に持ち運べます。ナビ代わりになるスマホの充電用に最適な製品です。
●Jackery ポータブル電源 300 Plus
Jackery ポータブル電源 300 Plusは、リュックに入るぐらいコンパクトなポータブル電源です。UL 94V-0 認定規格の耐衝撃性なので、バイクの揺れが激しくても問題ありません。
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6.冬のバイクに関するよくある質問
最後に、冬のバイクに関するよくある質問を紹介します。冬のバイクの保管方法から、走行時のトラブルシューティングまで、正しい知識を身に着けてツーリングを楽しみましょう。
●冬はバイクに乗らない場合の保管方法は?
冬のツーリングに潜む危険を理解して、バイクに乗らないという選択をした方も多いでしょう。しかし、バイクに乗らないからといって何もしなくていいわけではありません。
冬にバイクを長期保管する場合には、以下の2点に気を付けましょう。
・ガソリンを満タンにする
・定期的に洗車を行う
バイクに乗らないからとガソリンを空にしていると、タンク内で結露やサビが起きて故障に繋がりかねません。また、サビが発生しないように酸化の原因となる物質を定期的に取り除きましょう。洗車後に水分をしっかり拭き取ることも重要です。
●雪道の走行で滑らないための注意点は?
雪道の走行で滑らないためには、スピードを落とすのが原則です。10~20km/h程度の速度で走行しましょう。フロントブレーキは前輪がロックして転倒する恐れがあるため、使わないようにしてください。基本はエンジンブレーキで速度を落とします。
また、万が一スリップしたとしても、すぐに足が地面に着くような体勢で運転しましょう。曲がるときは足を着きながら、ハンドルを切って方向転換するのがおすすめです。
●凍結路面に遭遇した際の対処法は?
冬のツーリングをしていると、凍結した路面に遭遇する機会があるでしょう。凍結した路面の走行で転倒を回避するためには、以下の点に注意してください。
・フロントブレーキを使わない
・バイクを傾けない
・速度を落とす
・アクセスを開けて加速しない
また、引き返せるのであれば、凍結した路面は無理に走行しないのが無難です。バイクに乗って走行するのが怖い場合は、バイクから降りて押していきましょう。
まとめ|冬はバイクで安全にツーリングを楽しもう
冬のツーリングは、澄んだ空気を体で感じて走行できる爽快感が魅力です。海は1年を通して最も透明度が高く、オーシャンビューの絶景が見られるでしょう。ただし、路面凍結や視界不良などの危険も潜んでいるので、安全対策が欠かせません。
この記事で紹介した寒さ対策や安全対策を実践し、冬のツーリングを楽しんでください。
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