停電中でもトイレは使える?タンクレスの流し方や断水時の注意点や対策を解説
災害や人災などで停電が発生した際、トイレが使えるのか気になる方は多いのではないでしょうか。停電時トイレが使えるかどうかは、トイレの種類やメーカーによっても異なります。また、停電と同時に断水が発生している場合には、排水溝の故障している恐れもあるので、さらに注意が必要です。
この記事では、停電時にトイレが使用できるかについて解説します。メーカーごとのトイレの水の流し方や断水が併発した際の注意点も紹介するので、万が一の停電時に備えたい方はぜひ参考にしてみてください。
【種類別】停電時にトイレは使える?
停電発生時にいつものように用を足して水を流そうとしたら、水が流せない可能性があります。復旧するまで便が滞留することで異臭を放ち、不衛生な状態が続いてしまうことになるのです。停電時にトイレが使用できるかは、タンク式かタンクレスかによって異なります。
●タンク式トイレ
一般家庭で古くから使用されているタンク式トイレは、停電時にも使用可能です。停電が起きたとしても貯水タンクに溜まっている水で排水できます。排水作業に電気を使用していないので、停電有無に関わらず使用できるのです。
タンクがついている分、スタイリッシュさには欠けますが、断水が起きたとしても一回は使用できます。また、本体価格が安いことも特徴の一つです。
●タンクレストイレ
停電時に排水できないのが、タンクレストイレです。タンクレストイレとは、その名の通りタンクが設置されていないトイレを指します。タンクがついていない分、見た目をスマートにできます。
タンクレストイレの排出方法は、貯水した水を流すのではなく、水道の水を直接流す方法です。水が供給される道には「電磁弁」と呼ばれる蓋が設置されており、排水時以外は水が流れない仕様になっています。電磁弁は電気で動くので、停電した場合は蓋を開けることができません。
【住宅別】停電時にトイレは使える?
停電時にトイレが使えるかどうかは以下の3つの給水方式によっても異なります。一戸建てやマンション・アパートのそれぞれで給水方式が異なるので、お住まいがどちらに該当するか確認しておきましょう。
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·直結直圧方式
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·直結加圧方式
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·受水槽方式
●一戸建て
一戸建てで採用されている給水方式は「直結直圧方式」です。水圧を利用して水道管から直接水を汲み上げるので、停電になっても問題なく使用できます。浄水場が機能しなくなるケースを除いて、断水時にも水が流せるので安心してください。
ただし、4階以上の一戸建ての場合は他の給水方式が採用されている可能性がありますので、確認しましょう。これから一戸建ての購入を検討している方も、給水方式は直結加圧方式にするのがおすすめです。
●マンション・アパート
電気ポンプを使用する「直結加圧方式」「受水槽方式」を採用しているマンションやアパートでは、停電すると水が止まります。それぞれの給水方式の違いは次のとおりです。
直結加圧方式 | ・配水管の水圧だけでは足りない分を加圧装置で補う ・主に10階までの建物に採用される |
受水槽方式 | ・排水管の水を一旦受水槽に溜め、電気ポンプで送る ・断水時にある程度の水は確保できる |
水が使用できなくなることでシャワーや飲み水も制限されます。トイレは我慢できるものではないので、停電が長引く場合には近隣でトイレを探す必要が出てきます。
タンクレストイレの停電時における水の流し方
ご自宅がタンクレストイレを採用しているからといって、停電時に水が流れないと諦めるのはまだ早いです。タンクレストイレでもメーカーによっては停電時に水を流す手段を確保している場合があります。メーカーごとの停電時のタンクレストイレの水の流し方は以下のとおりです。
●TOTOの場合
トイレメーカーの中でも最も人気が高いTOTOのタンクレストイレは、停電時にも水を流せる仕様になっています。TOTOの水の流し方は以下の手順です。
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·側面のサイドカバーを外す
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·30秒以上レバーを引っ張る
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·音が鳴ったら停電時でも排水が可能になる
上記の方法では洗浄後1分間は使用できません。長期的に停電が続く場合は、乾電池BOXに電池を入れることで使用可能になります。
●LIXILの場合
空間づくりを意識したデザインで有名なLIXILにも、停電時の排水方法が確保されています。LIXILの停電時の水の流し方は以下の手順です。
・LIXILサティスS
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·左側のサイドカバーを外す
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·赤いレバーを手前に引いて水を供給する
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·赤いレバーを倒して排水する
・LIXILサティスG
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トップカバーを外す
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赤いレバーを反時計回りに180度回して水を供給する
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レバーを真上に引き上げて水位を上げる
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レバーを離すことで排水する
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●Panasonicの場合
上記のメーカーとは違い、自分で水を溜める工程が必要なのがPanasonicです。排水後に水を溜めずに放置していると下水の臭いが充満し、不衛生なので注意してください。Panasonicの停電時の水の流し方は次のとおりです。
・アラウーノシリーズ
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·電源プラグを抜く
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·右側のサイドカバーを外す
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·停電用のハンドルを時計回りに回して排水する
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·排水後にハンドルを元に戻す
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·バケツで水4Lを入れる
※アルカリ電池を入れて排水することもできます。
停電と断水が併発した際のトイレの3つの注意点
大規模災害による停電の場合、浄水場が機能しなくなり、断水が起きる可能性があります。断水により水道が利用できない場合は、上記で解説したような方法でも水が流せません。停電と同時に断水が発生している場合トイレ利用の注意点は、次のとおりです。
●排水管が壊れている場合は使用を控える
地震や火災が起きた場合は、トイレの使用は控えましょう。排水管が曲がったり、破損したりしている可能性があり、無理やり流そうとすると水が逆流し、不衛生な下水が溢れ出る恐れがあるためです。
自宅避難をする際は、災害用トイレを使用するか、近隣で使用できるトイレを利用することを推奨します。仮に復旧したとしても、修理業者が点検するまでは使用を控えるのが良いでしょう。
●復旧してもすぐに流さない
断水が復旧してもすぐに流さない方が良いです。停電と同時に断水が発生した場合は、水道管の中に空気が溜まってます。断水が解消された場合にトイレで大量の水を流すと「エアーハンマー現象」が発生する可能性があります。
エアーハンマー現象とは、給水管が復旧した後の水圧によって、溜まっていた空気が圧縮され、給水管の破裂や水漏れを引き起こす現象のことです。まずは、お風呂や洗面台の蛇口を少しずつ捻り、溜まった空気を抜くようにしましょう。
●タンクに直接水を入れない
強制的に水を流そうとタンクに直接水を入れるのも厳禁です。タンクに直接水を入れない方がいい理由は、主に3つあります。
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·入れる水の量が足りないと洗浄不良で不衛生な状態になる恐れがある
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·便やトイレットペーパーを流しきれずに詰まりを起こす恐れがある
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·電気部品に水がかかり、故障する可能性がある
無理に水を流そうとすると、トイレが詰まりさらに不衛生な状態になりかねません。また、電化製品に水がかかって故障すると復旧後も使用できない可能性があります。トイレで水を流すことは諦めて、復旧を待つのが得策です。
停電中でもトイレを使うための対策2選
地震や火災の発生は予想できず、いつ停電が発生するか分かりません。生きていれば人間は必ず排泄する必要があります。そのため、事前に停電が発生した際の対策をしておくことが重要です。停電してもトイレを使うための対策を3つ紹介します。
①災害用トイレを準備しておく
断水が併発して自宅のトイレが流せない場合に備えて、災害用トイレを用意しておきましょう。家庭で用意できる災害用トイレの種類とそれぞれの特徴は以下のとおりです。
災害用トイレの種類 | 特徴 |
携帯トイレ | ・既存の洋式便所に取り付けて使用する便袋 ・吸水シートと凝固剤で水分をコントロールする ・便袋は使い捨て ・安価で入手できる ・使用済みの便袋の保管場所をする必要がある ・臭い対策をする必要がある |
簡易トイレ | ・室内に設置できる小型のトイレ ・尿を貯留できる ・水なしで使用できる ・製品によって汚物の処理方法は異なる ・臭い対策をする必要がある |
仮設トイレ(組立式) | ・5〜10分ほどで組み立てられる仮設トイレ ・汚物は便槽に貯留するかマンホールへ流す ・バリアフリータイプもある ・搬送や保管が簡単にできる ・野外に設置することもできる |
②ポータブル電源を用いる
ポータブル電源とは、事前にACコンセントから大量の電気を内部バッテリーに蓄電しておき、いつでもどこでも生活家電や電子機器に給電できる持ち運びできる蓄電池のことを指します。
停電や災害時でもトイレの機能を使えるのは、ポータブル電源の魅力です。「ウォシュレットがないとやっていけない!」という人でも、停電時にウォシュレットが使えます。また、タンクレストイレを利用している場合、停電してもポータブル電源で給電することにより、水を流すことができます。
ポータブル電源があれば、昼夜問わずトイレが使用できます。また、ソーラーパネルと併用することで日中帯に太陽光からポータブル電源に充電することも可能です。
また、停電時に電気が使えないことで不便になるのはトイレだけではありません。停電時にポータブル電源があるメリットは次のとおりです。
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·冷蔵庫を稼働させられるので、食品の腐敗を防げる
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·スマホをフル充電にしておけるので、災害時の連絡手段を確保できる
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·エアコンが使用できるので、寒さ・暑さ対策ができる
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·電子レンジを使用して、簡単な加熱料理ができる
関連人気記事:災害におすすめのポータブル電源一覧|選び方も解説
停電時に重宝するJackeryポータブル電源
停電用のポータブル電源を購入する際、どのメーカーの製品を買おうか迷われるのではないでしょうか。Jackery(ジャクリ)製のポータブル電源は、創業から11年間で世界販売台数300万台を突破した実績を誇り、自然放電が少なく、純正のソーラーパネルと併用できます。Jackeryのポータブル電源の停電時におすすめの機種は、以下のとおりです。
●Jackery Solar Generator 1000 Plus
1264Whの大容量かつ2000Wの定格出力の「Jackery ポータブル電源 1000 Plus」と「ソーラーパネル 100W」がセットになっています。
■商品の特徴:
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·全てのタンクレストイレを稼働させられる
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·1264Whの大容量により、300Wのタンクレストイレを4時間以上使用できる
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·多彩な出力ポートからトイレや冷蔵庫、スマホなどに同時に給電できる
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·EPS機能により、電気の供給先をポータブル電源に切り替え、中断なくトイレが使用できる
製品名 | Jackery ポータブル電源 1000 Plus |
容量 | 1264Wh(5kWhまで拡張可能) |
定格出力 | 2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W) |
出力ポート数 | ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
満充電時間 | AC充電:1.7時間 |
寿命 | リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用 |
保証期間 | 5年間 |
●Jackery Solar Generator 1500 Pro
1512Whの大容量と1800Wの定格出力の「Jackery ポータブル電源 1500 Pro」と「ソーラーパネル 200W」がセットになっています。
■商品の特徴:
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·過放電による熱の上昇を抑えるため、災害発生時も安心して使用できる
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·80%の電池残量で472日間保管できるため、停電時の非常用に最適
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·地震が伴う停電で0.9mから3度落下しても問題ない
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·付属のソーラーパネルを6枚使用すると、日中帯2時間でフル充電器ができる
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·搭載したLEDライトを105時間使えるので、部屋を照らすライト代わりになる
製品名 | Jackery ポータブル電源 1500 Pro |
容量 | 1512Wh |
定格出力 | 1800W/正弦波(最大瞬間出力:3600W) |
出力ポート数 | ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 | AC充電:2時間 |
保証期間 | 5年間 |
●Jackery Solar Generator 2000 Plus
2042Whの大容量かつ3000Wの定格出力の「Jackery ポータブル電源 2000 Plus」と「ソーラーパネル 200W」がセットになっています。
■商品の特徴:
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·2042Whの大容量により、トイレや他の家電の同時使用ができる
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·365日保管しても10%程度の自然放電に留められ、停電が発生したらすぐ使用できる
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·ハンドル・キャスター付きのため、避難する際にも持ち運びやすい
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·最大24kWhまでバッテリーを拡張することで、数日間トイレを使用し続けられる
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·付属のソーラーパネルを含む6枚を使用して、最短2時間でフル充電できる
製品名 | Jackery ポータブル電源 2000 Plus |
容量 | 2042.8Wh(最大12kWhまで拡張可能) |
定格出力 | 3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W) |
出力ポート数 | ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4 |
充電時間 | AC充電:2時間 |
寿命/サイクル数 | 約4000回サイクル |
保証期間 | 5年間 |
まとめ|停電時でもトイレを使えるよう準備しよう
停電が発生すると、タンクレストイレの場合は水が流れません。メーカーによっては水を流す方法があるので、事前に確認が必要です。
また、マンション・アパートで採用されている事が多い直結加圧方式、受水槽方式で給水している場合も、水は流れないので注意しましょう。停電と断水が併発している場合は、無理やり流さず、復旧を待つのが望ましいです。ポータブル電源やソーラーパネルを活用し、停電時でもトイレが使えるよう準備しておきましょう。
また、日常生活でトイレの詰まり、蛇口の水漏れなど水まわりのことでお困り事がある方は、水のトラブル即解決!水の救急隊に相談してみてはいかがでしょうか?水の救急隊は、水のトラブルを年中無休でスピード解決しています。「ネット見た」と伝えるだけで¥3,000の割引もしてくれるようです。ぜひ活用して下さい。