企業防災とは?災害対策や内閣府ガイドラインについて解説
近年の自然災害増加により「企業防災」というワードを目にする機会が増えたと思います。しかし、企業防災という言葉は曖昧で、具体的に何をすべきなのかイメージしづらいでしょう。
この記事では、企業防災が必要な理由や具体的な対策について解説し、企業防災に対するイメージの解像度を上げます。最後までご覧いただくことで、自社を災害から守るためにやるべきことが明確になるでしょう。
企業防災とは?
バックアップ電源とは?
企業防災とは、その名のとおり企業を災害から守るための対策のことです。企業防災には、以下2つの観点があります。
防災:人的、物的被害を最小にする
事業継続:災害時も企業活動を続けられるようにする
企業防災は、上記のうちどちらが欠けても成り立たなくなってしまいます。
ちなみに、企業防災に欠かせないものとして「BCP」があります。BCPとは、事業継続に向けた具体的な計画のことです。BCPについては、下記の記事で詳しく解説しているため、あわせてご覧ください。
企業防災が必要な7つの理由
企業防災が必要な理由は、以下の7つです。
- 企業には法的責任が求められるため
- 都道府県や市区町村の条例で求められるため
- 従業員や顧客を守るため
- 事業継続困難のリスクを回避するため
- 自然災害が増えてきているため
- 二次災害防止のため
- 地域住民に貢献するため
これらを理解することで、企業防災の重要性が伝わるでしょう。
1.企業には法的責任が求められるため
企業は、従業員や顧客の命を守らなければなりません。これは道義的にもそうですが、それだけではなく、法的責任も求められます。実際に、労働契約法第5条では、以下の内容が定められています。
(労働者の安全への配慮)
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
企業の安全配慮義務は、実際の判例でも認められています。2015年には、東日本大震災の津波で教習生25名と従業員1名の犠牲が出た自動車教習所に安全配慮義務違反があったと認定されました。その結果、自動車教習所は仙台地裁により、約19億1千万円の損害賠償を命じられました。
このように安全配慮義務に違反すると、人命の安全が大きく損なわれるうえ、企業自体の存続も危うくなる可能性があります。したがって、企業防災は必ず行なわなければなりません。
2.都道府県や市区町村の条例で求められるため
法律だけではなく、都道府県や市区町村の条例でも企業防災の必要性が求められています。例えば、東京都は「帰宅困難者対策条例」を定めています。帰宅困難者対策条例は、従業員1人に対し3日分として、水9リットルと食糧9食、毛布1枚を備蓄する努力義務を企業に求めています(参照:東京都帰宅困難者対策条例|東京都防災ホームページ)。
3.従業員や顧客を守るため
災害時に最優先すべきことは、従業員や顧客の安全確保です。また企業だけではなく、全従業員が自身の命に加えて、顧客の命を守るための行動をとれるように教育しておく必要があります。防災訓練を行う際も、自身を守るためのシミュレーションのみならず、災害時に怪我人が発生したケースなども想定しなければなりません。
4.事業継続困難のリスクを回避するため
災害によって企業活動が停滞してしまうと、大きな損失が発生し、最悪の場合事業継続が困難になる可能性もあります。実際に東日本大震災では、地震や津波、原発事故の影響により、多くの中小企業が事業継続困難となる状況まで追い込まれました。事業継続するためには、企業活動の早急な復旧が必要です。
事業継続困難のリスクが発生するのは、自社に限らず、取引先が被災した場合も同様です。したがって、企業防災においても取引先と連携することが望ましいと考えられます。
5.自然災害が増えてきているため
日本はもともと自然災害の多い国でしたが、近年ではさらに増加傾向にあります。2011年の東日本大震災だけではなく、マグニチュード7を記録した2016年の熊本地震、200人以上の犠牲を出した2018年7月豪雨(西日本豪雨)などの大災害も高い頻度で発生しています。日本国内では、どの地域も大きな自然災害に遭うリスクがあるため、企業防災は必要不可欠です。
6.二次災害防止のため
日本では、自然災害による二次災害も頻発しています。例えば地震による津波の発生や火災、台風による河川の氾濫などが挙げられます。特に、オフィスが古い物件にある場合は倒壊リスクも高いため、より注意が必要です。
7.地域住民に貢献するため
企業には、地域社会に対する貢献も求められています。その一環としても、企業防災は必要です。例えばオフィスを避難場所として開放したり、移動手段として社用車を提供したりすることなどがおもな取り組みとして挙げられます。
企業が災害対策として行うべき10のこと
知っておきたい家庭用蓄電池の種類
企業が災害対策として行うべきことは、多岐にわたります。以下で紹介する10種類の対策は、必ず実施しましょう。
1.従業員の通常時と非常事態発生時の役割分担を決める
ポータブル型蓄電池の特徴
従業員の役割分担は、通常時と非常事態発生時で別々に決めておくとよいです。なぜなら従業員によって、非常事態発生時でも出勤できる可能性の高さが異なるためです。職場の近隣に住んでいる従業員は出勤しやすいでしょうし、一方で遠方から公共交通機関を利用して通勤している従業員は、非常事態発生時の通勤が困難になる可能性が高いと考えられます。
役割分担の例として、以下の表を参考にしてみてください。
役割分担の例 |
平常時 防災責任者、防災訓練者、火元責任者など |
緊急事態発生時 救出・救護担当、初期消火担当、情報連絡担当など |
2.非常事態発生時のコミュニケーションや情報収集の手段を確認する
停電の時に1日に必要な最低電力は?
非常事態発生時には、メールや電話などの連絡手段が使えなくなる可能性があります。そのような事態に備えて、安否確認システムやチャットツールを導入しておくとよいです。これらの導入により、緊急時にも従業員との連絡を取りやすくなります。
また、情報収集手段の確保も必要です。乾電池式ラジオなど、停電時でも使えるものを用意しておくとよいでしょう。
3.非常用食料や救出用資器材などを準備する
自然災害はいつ起きるかわからないため、非常用食料や救出用資器材などはあらかじめ準備しておく必要があります。加えて緊急時にも使用できるよう、準備した備品の内容や保管場所、使い方の周知も行いましょう。具体的に必要なアイテムについては、下記の記事で解説しているためあわせてご覧ください。
4.避難経路を確保する
避難経路が物で塞がれていると、避難の際邪魔になったり、つまずいて怪我をしたりする恐れがあります。避難経路が安全に使える状態になっているか、定期的に確認しましょう。
5.地震に強いオフィスを作る
日本は地震の頻度が高く、被害の規模も大きい傾向があるため、地震に強いオフィスづくりをしておきましょう。地震に有効な対策の例として、以下のものがあります。
● 家具や什器の固定
● 転倒防止ベルトによるパソコンの固定
● 美品落下防止ネットの設置
● 窓ガラスへの飛散防止シートの貼り付け
● 耐震マットの設置
6.データのバックアップを取っておく
事業に必要なデータが破損してしまうと、膨大な損失が発生する恐れがあります。そのため、データのバックアップは必ず取っておきましょう。
バックアップ先は、遠隔地かクラウド上が望ましいです。なぜならデータの保管地をオフィスの近くにしてしまうと、自社と同時に被災してデータが使えなくなる可能性があるためです。クラウドサービスにデータを保管している場合は、ネット環境があればどこからでもアクセスできるため、復旧作業を行いやすくなります。
7.危険物の管理方法確認や消火器の準備をしておく
危険物の管理方法を明確にしておかないと、地震による火災などの二次災害に発展する恐れがあります。危険を防ぐためにも、使わないコンセントにキャップをしたり、ガソリンなどの危険物が入った容器の転倒・落下防止対策を実施したりしましょう。また、被災地には消火栓やスプリンクラーが破損する可能性があるため、消火器の準備も必要です。
8.帰宅困難者対策を行う
企業が被災した際は、従業員が帰宅できなくなるケースも想定されます。そのため、オフィスで従業員が寝泊まりできる環境を整えるなどの対策をしておきましょう。
また、従業員はオフィスでの待機後に徒歩で帰宅することになる可能性もあります。そのようなことも想定し、スニーカーなどの歩きやすい靴を備品として用意したり、帰宅経路を確認したりしておくとよいでしょう。
9.防災マニュアルを用意する
防災マニュアル用意しておくことで、自然災害発生時にどのような被害が想定されるか、どのような対応をとるべきかなどがより明確になります。各地方自治体では、防災マニュアル作成の手引きを紹介しているため、参考にするとよいでしょう。
ただし防災マニュアルは、用意するだけでは意味がありません。従業員が内容を理解して実践できるよう、教育や訓練を行うことが重要です。また、従業員の防災意識を薄れさせないためにも、携帯式の防災マニュアルを用意するのも効果的です。
10.従業員に対し防災に関する教育を定期的に行う
いつ非常事態が発生しても対応できるよう、従業員への防災に関する教育を定期的に行いましょう。例えば、防災訓練や有識者によるセミナー開催などが有効です。他にも、カレンダーに災害関連の日を記載したり、社内報に災害速報を掲載したりするのもおすすめです。
内閣府の事業継続ガイドラインについて
内閣府は「事業継続ガイドライン」を公開しています。事業継続ガイドラインでは、BCM(事業継続マネジメント)についての詳細に説明されています。自社が自然災害を乗り越えるのに必要な指針が明確になるため、ぜひご覧ください。
災害や非常時の備えにポータブル電源を
企業防災には電力の確保が必要不可欠
企業防災には、防災と事業継続両方の観点から、電力確保が必要だと考えられます。防災面では冷蔵庫やトイレなどの必需品、事業継続面ではパソコンやWi-Fiルーターの使用に必要です。特に企業防災の場合は、多くの電子機器を同時に動かす必要があるため、停電時に備え大容量のポータブル電源を用意しておくことが望ましいです。
企業向け非常用発電機はJackeyのポータブル電源がおすすめ!
企業防災には、大容量のポータブル電源が役立ちます。例えば、冷蔵庫を使えるようにしたり、事業復旧に必要なデータベースを動かすためのWi-Fiルーターを動かし続けたりできます。大容量のポータブル電源を用意しておくことで、人命を救えるだけではなく、早急な事業復旧を実現しやすくなるでしょう。
Jackey(ジャクリ)は、企業防災向けに大容量のポータブル電源を用意しています。そのなかでも、おすすめの2点を紹介します。
ポータブル電源1500Pro
ポータブル電源1500Proスペック |
容量 1512Wh |
定格出力 1800W |
満充電時間 コンセントX 1 約2時間 ソーラーパネル 200W X 6 約2時間 |
AC出力 3ポート |
シガーソケット 1ポート |
USB出力 USB-A(Quick Charge 3.0)出力:2ポート USB-C出力(PD100W):2ポート |
ソーラーパネル接続可能枚数 最大6枚 |
保証期間 5年(3年+無料延長サポート2年) |
ポータブル電源1500Proには、防災と事業継続両方を実現するのに充分な容量、定格出力が備わっています。特におすすめなポイントは、以下のとおりです。
● 容量が大きいため企業防災にも充分役立つ
● 充電にかかる時間が短い
● 同時に多くの電子機器に給電できる
● ソーラーパネルで発電できるため、コストが抑えられるうえ、環境にやさしく企業イメージもよくなる
● LEDライト機能がついているため照明器具が使えなくなった際も安心
企業の被災時においては、同時に多くの電子機器に給電できるというメリットが大きく役立ちます。防災と事業継続両方に必要な電子機器を同時に動かせるようになるためです。
保証期間は本来3年間ですが、公式サイトからご購入いただくことで2年間延長し、計5年間の保証がつきます。ご興味がある方は、こちらのリンクをご覧ください。
ポータブル電源2000Pro
■ポータブル電源2000Proスペック |
容量 2160Wh 定格出力 2200W 満充電時間 コンセントX 1:約2時間 ソーラーパネル 200W X 6: 約2.5時間 AC出力 3ポート シガーソケット 1ポート USB出力 USB-A(Quick Charge 3.0)出力:2ポート USB-C出力(PD100W):2ポート ソーラーパネル接続可能枚数 最大6枚 保証期間 5年(3年+無料延長サポート2年) |
より容量の大きいポータブル電源をご希望の場合は、こちらの2000 Proがおすすめです。パソコンの利用回数に関しては、1500 Proの17回に対し、2000 Proは23回使えます。2000Proを選ぶことで、より長期間の停電にも耐えられるようになります。
また、定格出力も1500 Proより大きいため、より多くの電子機器を同時に動かせます。
保証期間は1500 Proと同様に本来3年間ですが、公式サイトからご購入いただくことで2年間延長し、計5年間の保証がつきます。ご興味がある方は、こちらのリンクをご覧ください。
まとめ
まとめ
企業防災は、あらゆる面から必要とされています。すべての対策が明確に義務化されているわけではないものの、人命や事業を守るためには、企業防災への真剣な取り組みが欠かせません。この記事で解説した内容を参考に、自社の企業防災にぜひ取り組んでみてください。