1.暖冬でも大雪が降る理由とは
地球温暖化によって平年より気温が上昇する「暖冬」であったとしても、大雪となる場合があります。暖冬でも大雪が降る理由は、気温が高くなるにつれ飽和水蒸気量が増えるためです。暖冬によって水蒸気を多く含んだ大気は、低温地域で大雪をもたらします。
気温が上がると当然、温暖地域では降るはずであった雪は雨に変わるため、トータルの雪の量は減っています。しかし、飽和水蒸気量が増えているために、温暖地域では一度に降る雨の量が増え、低温地域では雪の量が増えるのです。
2.過去に暖冬でも大雪が降った事例
暖冬傾向であった2024年2月には、東京都心では日降雪量9cm、最深積雪深8cmの大雪が降りました(※1)。東京都23区全域に大雪警報が発表され、警戒が呼びかけられました。
大雪による主な影響は、以下のとおりです。
・コンビニやスーパーへの商品配送に遅れが生じた
・荷物・郵便物の配達に遅れが生じた
・鉄道や飛行機、高速バスで運休や欠航、遅延が相次いだ
※1参考:日本気象協会「暖冬でも東京で大雪」
3.暖冬の大雪で起こりうる5つの災害
国土交通省が発表した資料によると、日本では、国土の半分以上を豪雪地域が占め、約2000万人が豪雪地域で暮らしています(※2)。大雪は、死者・行方不明者を出す以下のような災害を引き起こしかねません。
※2参考:国土交通省「豪雪地帯及び特別豪雪地帯の指定について(概要) 」
●除雪中の事故
大雪による事故の多くは、除雪中に起こります。建物の屋根での雪下ろしや雪かきの作業中に、以下のような事故が発生します。特に高齢者の事故が多いのが特徴です。
・屋根の上で足を滑らせて転落する
・軒下で落雪が直撃する
・融雪槽に雪を投げ入れている最中に、槽内に転落する
・除雪機に巻き込まれる
●車の雪道での事故
大雪が降っている最中だけでなく、降った後も、車の雪道での事故は発生します。吹雪によって視界不良が起きている状況では、車や障害物との衝突事故のリスクが高まり、危険です。路面が凍結していれば、いくら注意していてもスリップするリスクがあります。
●歩行者の雪道での事故
歩行者は、積雪や凍結によって雪道での転倒リスクが高まります。転倒事故が発生しやすい主な場所は、以下のとおりです。
・横断歩道の白線の上
・車の出入りがある駐車場の出入口やガソリンスタンド
・バスやタクシーの乗り場
・坂道
転倒災害件数は、降雪量に比例するので、例年1〜3月に多く発生します。
●冬のレジャーでの事故
大雪が降ると、スキーやスノーボード、登山など、冬のレジャーでも事故は発生します。転倒や滑落、衝突など、死亡事故にも繋がりかねません。冬のレジャーでは、自分自身を過信せず、適切な状況判断が必要になります。天候の変化やトラブルへの備えを事前に行っていなければ、事故に遭うリスクは高まるでしょう。
●雪崩による事故
斜面上にある雪や氷が流れ落ちる雪崩による事故も、大雪に起因して発生します。雪崩はスピードが速いため、気付いてから逃げ切るのは困難です。雪崩は、以下のような場所で起きやすいので、近づかないようにしましょう。
・傾斜が30度以上になっている急な斜面
・落石注意の看板が設置されている場所
・低木林やまばらな植生がある斜面
4.家庭でできる!暖冬による大雪対策3選
暖冬では大雪のリスクがあるため、油断は禁物です。雪道での転倒や滑落、衝突などによって、命を落とす事態にも発展しかねません。暖冬による主な大雪対策を紹介します。
●スタッドレスタイヤを装着する
凍結した路面で安全に走行するために、スタッドレスタイヤを装着しましょう。スタッドレスタイヤは特殊なゴムとトレッドパターンで、路面にしっかりとグリップします。
暖冬の傾向にある地域では、早めの交換が必要です。スタッドレスタイヤは、必ず4輪セットで装着するようにしてください。
●凍結の恐れがある燃料は避ける
ディーゼルエンジン搭載モデルの車を使用している方は、軽油の凍結に注意が必要です。軽油に含まれるワックス分は、低温になると凝固して燃料フィルターを詰まらせます。
最悪の場合は、エンジンがかからなくなるので、軽油の中でも凍結しやすい種類は控えた方がよいでしょう。大雪のリスクがある地域では「2号」や「3号」の使用がおすすめです。
●気象情報をこまめに確認する
大雪に関する気象情報は、予想される日の数日前から発表されるため、日頃からこまめに確認するようにしてください。大雪と併せて暴風によって視界が遮られる恐れがある場合には、風雪警報や風雪注意報が発令されます。大雪が予想されている状況では、不要不急の外出は控えた方がよいでしょう。
5.暖冬による大雪に備えて必要なアイテム5選
大雪が起きると物流がストップする可能性があるので、必要なアイテムは早めに準備しておくことが重要です。暖冬による大雪に備えて必要なアイテムを紹介します。
●飲料水・非常食
大雪が起きて物流がストップすると、生命維持に欠かせない飲食物が入手できない恐れがあります。飲料水は、1人あたり1日3Lを目安に備蓄しておきましょう。ミネラルウォーターは、5年〜10年の賞味期限があるタイプを選ぶのがおすすめです。
非常食は、最低3日〜1週間分を用意しておく必要があります。栄養バランスを考えて、家族の人数や好みに合った内容・量を決定してください。賞味期限が切れる前に消費し、消費したら買い足す習慣が必要です。
●ポータブル電源
大雪によって起こりえる二次災害として、停電が挙げられます。2022年12月には、新潟で降った大雪の影響により、9日間にも上る大規模停電が発生しました。停電が起きている間も電気の供給を継続するためには、ポータブル電源が欠かせません。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄え、コンセントが使えない状況でも電化製品に給電できる機器を指します。暖冬で発生した大雪による停電時に、ポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
・エアコンや電気ストーブを稼働し、常に快適な気温で生活できる
・電子レンジや電気ケトルを使い、簡単に料理を温められる
・冷蔵庫に給電し、食品の腐敗を防ぐ
・停電情報を調べるためのスマホを常にフル充電にしておける
・LEDライトを点灯させて、夜間に暗闇を照らせる
・電動除雪機を使い、簡単に除雪作業が行える
大雪による停電対策を万全にしたい方は、ぜひポータブル電源を導入してみてください。
大雪対策に揃えるポータブル電源は、創業から12年間で世界販売台数400万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。
業界トップクラスの軽量コンパクト設計を実現しているので、電気を使用したい場所まで、気軽に持ち運べます。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、ポータブル電源の寿命は10年以上です。
●スコップ
大雪を除雪するために、スコップも用意しておきましょう。大雪は硬く凍る恐れがあるため、強度が高い金属製がおすすめです。角型を選べば、先が平になっているので、多くの雪を一度に運べます。丸型は、先が尖っているので、硬い雪を砕く際に便利です。広範囲の雪を一気に運びたい場合は、スノーダンプを用意するとよいでしょう。
●除雪用ブラシ
車の除雪や除氷で活躍するアイテムが、除雪用ブラシです。車のボディについた雪を落とせるだけでなく、アイススクレーパーで硬い氷を削り取れます。除雪用ブラシは、縦向きブラシと横向きブラシの2種類がありますが、大雪対策には横向きタイプがおすすめです。
T字型でブラシの面積が広いため、一度に大量の雪を除雪できます。車高の低い車にはハンディタイプ、車高が高い車にはロングタイプを選びましょう。作業効率を上げられる首振り機能付きや、安全に除雪できる滑り止め付きも便利です。
●携帯ラジオ
大雪によって送電設備が損傷し、停電が起きた場合には、インターネット経由で情報収集ができない恐れがあります。携帯ラジオがあれば、周波数を合わせるだけで簡単に気象情報の収集が可能です。
大雪対策としての携帯ラジオは、以下のポイントを押さえて選びましょう。
・災害による影響を受けづらいワイドFMに対応している
・手回しタイプで、電源がなくても充電できる
・ライト付きで、停電時に灯りを確保できる
停電時にスマホの充電は貴重なので、情報収集を携帯ラジオから行うことで、スマホの充電を節約できます。
6.大雪の停電対策に必須!ポータブル電源2選
暖冬で発生した大雪による停電対策におすすめの機種を見ていきましょう。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、容量1070Wh、定格出力1500WのJackery ポータブル電源 1000 Newと出力100Wのソーラーパネルのセットです。従来モデルから50%アップの定格出力1500Wを実現しているので、大雪による停電でも自宅にあるほとんど全ての家電を動かせます。
1000〜1500Whクラスで最軽量を実現し、全体のサイズが約20%コンパクトになっているので、持ち運びも楽々です。1〜3人暮らしの停電対策として、活躍します。
●Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット
Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セットは、大容量2042Wh、定格出力2200Wのポータブル電源 2000 Newと出力200Wのソーラーパネルのセットです。40%の小型化と34%の軽量化を実現し、保管する際に場所を取りません。
IEC60068-3-3耐震試験に合格しているため、移動時の激しい揺れにも動じず、ハンドルを使って気軽に移動させられます。3人家族以上の停電対策におすすめです。
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7.暖冬の大雪に関するよくある質問
最後に、暖冬の大雪に関するよくある質問を紹介します。あなたが住んでいる地域における暖冬による大雪のリスクを把握し、適切な対策を講じましょう。
●地球温暖化の最中に大雪が降るのはなぜ?
地球温暖化が進むと、大量の温室効果ガスが大気中に放出され、気温は上昇するため、雪は少なくなると考える方も多いでしょう。しかし、気温が上昇すると、海から多くの水が蒸発し、大気中の水蒸気量が増えます。水蒸気が増えれば、雪を降らす雲も発達するので、低温地域において雪の量が増えるのです。
●暖冬でも大雪が降るリスクが高い地域は?
暖冬でも大雪が降るリスクが高いのは、北陸・信越・北海道などの豪雪地域です。気温の上昇によって大量の水蒸気を含んだ大気は、温暖な地域では多量の雨を降らしますが、寒冷地では多量の雪を降らします。
特に、日本海側の山岳部や緯度の高い北海道に住んでいる方は、注意してください。近年の研究では、冬の平均気温の高まりに伴って、10年に一度と言われる大雪の危険性は、5倍になると言われています。
●暖冬の大雪は天気予報で把握できる?
暖冬の大雪は、数日前から天気予報で把握できます。予想降雪量や降雪のピークとなる時間帯も予想されるので、こまめに確認するようにしてください。
万が一、天気予報で大雪が予想されている場合は、不要不急の外出を控えたり、車で走行するルートを変更したりする対策が必要です。大雪が降ると物流がストップする恐れがあるので、大雪が予想された時点で必要な物資は調達しておきましょう。
まとめ
気温が平年よりも上昇する暖冬の場合、寒冷な地域では大雪が降るリスクが高まります。気温が高くなれば、飽和水蒸気量が増えるために、降雪量も増えるのです。大雪は、命に関わる事故を引き起こす恐れがあるため、事前の対策が欠かせません。
この記事で紹介したアイテムを揃えて、暖冬による大雪に備えてください。