エレベーターで地震発生!閉じ込められた時の復旧方法や家庭でできる対策も解説

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マンションに住んでいると、毎日の生活にエレベーターは必要不可欠です。しかし、エレベーター内で地震が起きた場合の対処法を知っている方は少ないのではないでしょうか。エレベーターには緊急時の安全機能が備わっていますが、閉じ込められる可能性もあります。

 

そこで本記事では、エレベーターで地震が発生した際の対処法について解説します。地震時管制運転装置の挙動や、日頃から揃えておくべきアイテムも掲載しているので、マンションで地震対策を万全にしたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次
1.エレベーターで地震が起きたらどうなる?
2.エレベーター内で地震に遭遇した時の対処法
3.地震で停止したエレベーターの復旧方法
4.地震発生時は「エレベーターを使用しない」が原則
5.地震に備えて家庭で揃えるべき防災グッズ5選
6.地震発生時のエレベーターに関するよくある質問
まとめ

1.エレベーターで地震が起きたらどうなる?

 

「エレベーターに乗っている最中に地震が起きたら…」と考えたことがある方も多いでしょう。エレベーターは揺れを感知すると自動で最寄り階に停止する仕組みですが、トラブルが起きる可能性もゼロではありません。 

エレベーター内で地震が発生した際に、起こりえるパターンを紹介します。

最寄りの階に停止する

地震時管制運転機能が付いたエレベーターの場合は、地震を感知すると自動的に最寄りの階に停止し、扉が開きます。その後、しばらくしてから扉は閉まりますが「開」ボタンを押すと再度扉は開くので、閉じ込められる心配は基本的にありません。 

ただし、外からはボタンでエレベーターを開けられないので、怪我を負って動けない場合は、業者に連絡する必要があります。地震時管制運転機能が付いていないエレベーターの場合は、手動で近い階を押さなければ降りられません。

エレベーター内に閉じ込められる

強い揺れをエレベーターが感知すると、エレベーター内に閉じ込められる恐れがあります。平成30年6月に大阪府北部で発生した最大震度6弱の地震では、約63,000台のエレベーターが停止し、346台の閉じ込めが発生しました(※1)。 

高いガルのS波を感知した場合、エレベーターはその場で運転を休止します。エレベーターが損傷を受けていなかったとしても、業者の点検を受けるまでは復帰できません。 

※1参考:国土交通省「エレベーターの地震対策の取組みについて(報告)」

停電によって外部との連絡が途絶える

地震によって送電設備が損傷すると、大規模な停電が発生します。エレベーター内で停電が起きたとしても、停電灯が自動で点灯するため、暗闇に包まれる心配はありません。停電時バッテリーが運転し、最寄りの階に到着後、自動で扉が開きます。 

停電時バッテリーで運転できるのは一時的なので、扉が開いたらすぐに避難する必要があります。ルーム内の電話機は緊急時の連絡手段になりますが、基地局が損傷している場合は、連絡が途絶えるケースもあるでしょう。

関連人気記事:地震でエレベーターが停止!閉じ込めを防ぐ耐震強化対策と4つの対処法を解説

2.エレベーター内で地震に遭遇した時の対処法

 

エレベーター内で地震に遭遇した時の対処法

大規模な地震に遭遇した経験がない方は、エレベーターという閉鎖空間で地震が起きるとパニックに陥るリスクがあります。閉じ込められたからといって無理やりエレベーターの扉をこじ開けようとすると、昇降路に転落する事態になりかねません。 

エレベーター内で地震に遭遇した時の対処法は、以下のとおりです。

揺れを感じた場合

エレベーターが地震を感知すると、自動で最寄りの階に停止し、扉を開放します。しかし、地震時管制運転機能が搭載されていない場合を想定して、全ての階のボタンを押し、最初に停止した階で降りた方が安全です。 

閉じ込められる可能性があるので、エレベーターで1階まで降りようとしないでください。最寄りの階で停止したら、速やかにエレベーターから出ましょう。エレベーターの扉が一度閉まると、外からは開けられません。

閉じ込められた場合

万が一、エレベーター内に閉じ込められた場合は、扉を無理にこじ開けようとせず、そのまま待機してください。開ボタンや行き先階ボタンを押しても動かない場合は、非常ブザーボタンを押して建物内の人に非常事態を知らせます。 

建物内に人がいない場合は、エレベーター内に設置された電話機で直接メンテナンス業者に救出を依頼しましょう。エレベーター内には隙間があるため、酸素不足になる心配はありません。無理に扉を開けようとすると昇降路に転落する原因になるので、落ち着いて対処してください。

3.地震で停止したエレベーターの復旧方法

 

万が一、地震でエレベーターが停止したとしても、安全機能が作動して自動で復旧する可能性があります。自動で復旧しない場合は、緊急連絡先への連絡が必要です。地震で停止したエレベーターの復旧方法は、主に以下のパターンに分けられます。

自動診断・仮復旧運転機能が作動する

自動診断・仮復旧運転機能が備わったエレベーターであれば、地震によるエレベーターの損傷有無を遠隔で診断し、運転に支障がない場合は自動で復旧します。技術者の到着を待たずに復旧するため、エレベーターが長時間停止する心配はありません。 

ただし、地震感知器が高い揺れを感知した場合は、二次災害を防ぐために自動診断・仮復旧運転が作動しないケースもあります。

リスタート運転機能が作動する

リスタート運転機能は、エレベーター内の閉じ込めを解消する機能です。地震時管制運転によって最寄り階に到着する前に安全装置が稼働してしまうと、エレベーターがその場で停止してしまいます。「動かないことが安全」という判断で、結果的に閉じ込められるのです。 

リスタート運転機能が搭載されたエレベーターであれば、安全装置が正常だと確認できた場合に地震時管制運転を再開させます。最寄り階に低速で向かい、自動で扉が開くため、閉じ込めを防止できます。

緊急連絡先に復旧を要請する

安全機能が作動せずにエレベーターが停止したままの場合は、非常ボタンを押して外部に復旧を要請してください。非常用のインターホンが動作しない場合には、スマートフォンからエレベーター内に記載されている緊急連絡先や119番に連絡しましょう。 

連絡時には、建物名や住所、エレベーターが止まっている階などの情報が必要です。地震発生時には通信回線が混雑して繋がりにくくなります。外部に連絡できないからと焦って無理に扉を開けようとすると、昇降路に落下する危険があるので注意してください。

4.地震発生時は「エレベーターを使用しない」が原則

 

地震発生時は「エレベーターを使用しない」が原則

高層マンションや高層ビルで強い地震に遭った際、迅速に避難しようとエレベーターを使いたくなる方も多いでしょう。しかし、エレベーター内では閉じ込められる危険があるため、たとえ稼働していたとしても、使用しないでください。 

安全装置や停電、故障などが原因で緊急停止する恐れがあります。大きな地震の後には余震がくる可能性もあるので、油断できません。高層階にいたとしても、非常階段で避難した方が安全です。エレベーターは、建物管理者の安全確認が取れてから使用しましょう。

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5.地震に備えて家庭で揃えるべき防災グッズ5選

 

地震に備えて家庭で揃えるべき防災グッズ

エレベーターが付いている高層マンションにお住まいの方は、防災グッズの備えが欠かせません。建物に被害がなく在宅避難を選択された場合は、支援物資の到着が遅れる恐れがあります。地震に備えて家庭で揃えるべき防災グッズは、以下のとおりです。

飲料水・非常食

飲料水と非常食は、生命維持のために備蓄が必須です。地震によって水道や物流が停止すると、数日間は水や食料が手に入りません。農林水産省によると、一人あたり1日3Lの水を3日〜1週間分は備蓄しておく必要があります(※2)。 

飲料水以外にも、手を洗ったりトイレを流したりする生活用水が必要です。お風呂で溜めた水を翌日まで残しておけば、無理をせずに必要量を備蓄できるでしょう。 

非常食は、栄養バランスを考慮して家族の人数や好みに合った食品を選んでください。保存期間が長い食品を選べば、賞味期限を気にする手間が最小限で済みます。地震対策として揃えるべき非常食は、以下のとおりです。 

分類

非常食

主菜

肉・魚・豆の缶詰、レトルト食品、フリーズドライ食品

副菜

野菜の缶詰、インスタント味噌汁、乾物

主食

パックご飯、カップ麺、缶詰パン

果物

果物の缶詰、野菜ジュース、ドライフルーツ

※2参考:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」

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簡易トイレ

水道が止まってトイレの水が流せなくなった事態に備えて、簡易トイレを用意しておきましょう。簡易トイレは、便器の上から設置して、用を足した後に袋を縛って捨てられます。便は凝固剤で固まるので、外に漏れ出す心配がありません。 

トイレの回数は1日平均6〜7回と言われているため、簡易トイレの交換頻度は1日2回程度です。1人100回分の大容量セットを備蓄しておけば、水道が復旧するまでトイレには困らないでしょう。トイレットペーパーの備蓄も忘れないでください。

ポータブル電源

地震による停電対策として、ポータブル電源が欠かせません。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄え、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。地震発生時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。 

冷暖房機器を稼働し、快適な気温で避難生活を送れる

電子レンジや電気ケトルなどの調理家電を使い、簡単に調理が行える

冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防げる

防災ラジオに給電して、迅速に災害情報を収集できる

家族との連絡手段になるスマホを常にフル充電にしておける 

ポータブル電源があれば、地震によって大規模な停電が起きたとしても、電気のある生活を維持できます。ソーラーパネルを併用すると、太陽光発電によって充電が切れる心配もありません。 

地震による停電対策には、創業から13年間で世界販売台数500万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。BMSとNCM制御機能を搭載しているので、バッテリー異常からの安全性を確保できます。 

UPSとパススルー機能によって、停電時には0.02秒未満で電気供給源が切り替わります。自然放電率が低いため、地震発生の直後から使用できる点も魅力です。地震による停電対策を万全にしたい方は、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源を導入してください。 

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防災ラジオ

大規模な地震が起きると、回線の混雑や基地局の損傷によってインターネットが繋がらない恐れがあります。インターネットを使わない防災ラジオがあれば、迅速な情報収集が可能です。被害状況を素早く入手できれば、危険な場所を回避できます。 

防災ラジオは、ポータブル電源から充電できるタイプがおすすめです。地震によって停電が起きていても、蓄電した電気で問題なく稼働できます。また、ライトが搭載されているタイプを選べば、周囲の安全を素早く確保できます。

救急セット

地震が起きると、医療機関をすぐに受診できるとは限りません。倒れてきた家具や散乱したガラス片などで怪我をするリスクが高まるので、救急セットを常備しておきましょう。地震対策で揃えておくべき救急セットは、以下のとおりです。 

絆創膏

消毒液

ピンセット

包帯

ガーゼ

三角巾

常備薬

市販薬(風邪薬、頭痛薬、胃腸薬) 

災害時は環境の変化から体調不良になりやすいので、注意してください。

6.地震発生時のエレベーターに関するよくある質問

 

最後に、地震発生時のエレベーターに関するよくある質問を紹介します。地震発生時にエレベーターの挙動を理解していなければ、閉じ込めや転落の危険が高まります。いざという時に冷静に対応できるよう、シミュレーションしておきましょう。

地震発生時、エレベーターの地震時管制運転装置の挙動は?

地震時管制運転装置は、初期微動(P波)を感知すると強制的にエレベーターを最寄り階に停止させます。「ドアが開いたら降りてください」のアナウンスと共に扉が開くので、素早く外に出ましょう。 

P波を感知した後、一定期間内にS波感知器が作動しない場合は、平常運転に戻ります。主要動(S波)を感知した場合は、扉を閉じて運転を休止する仕組みです。自動診断・仮復旧運転機能が作動すると、技術者の到着を待たずに復旧するケースもあります。

閉じ込められた際の復旧・救助にかかる時間は?

平成30年6月に大阪府北部で起きた地震では、エレベーターに閉じ込められた人の約87%が3時間以内に救出されました(※1)。救出に3時間以上を要する主な理由は、以下のとおりです。 

公共交通機関の遅延や交通渋滞によって、技術者の到着が遅れる

電話回線が混雑していて、保守員への情報伝達が遅れる 

万が一閉じ込められた場合には、エレベーター内に設置されている非常ボタンや電話機から早急に救出を依頼しましょう。

エレベーターの地震感知器が反応する震度は?

地震の揺れには、初期微動(P波)と主要動(S波)の2種類があります。S波感知器が作動してエレベーターを緊急停止させるのは、震度4〜5に相当する主要動を感知した場合です。地震感知器は震度ではなく加速度(ガル値)を計測して判断します。

まとめ

 

地震が起きると、エレベーターは自動で最寄り階に停止し、扉が開きます。扉が一度閉まると、外からは開けられません。主要動(S波)を感知した場合は、損傷の有無に関わらず、運転を休止します。 

無理やり扉を開けようとすると、昇降路に転落する危険があるので、注意してください。地震発生時のエレベーターの挙動を把握し、閉じ込められた場合は冷静に行動しましょう。

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