電力不足に自宅で「エコ発電」はいかが?
深刻な電力不足が家庭生活にも影響を与えている。政府は7年ぶりに節電要請を行っており、さらに猛暑が電力需要の逼迫(ひっぱく)に拍車をかける状況が続いた。猛暑を乗り切るための節電対策について、節約アドバイザーの和田由貴さんにアドバイスしてもらった。話を伺ったのは、消費電力を減らすためのテクニックに加えて、太陽光から電力を手軽にまかなう「エコ発電」の可能性――。
無理をせずにスマートな節電を
無理をせずにスマートな節電を
和田由貴さんプロフィール
消費生活アドバイザー。環境カウンセラーや省エネ・脱炭素エキスパートでもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」を委嘱されるなど、環境問題にも精通する。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。
和田由貴さんプロフィール
消費生活アドバイザー。環境カウンセラーや省エネ・脱炭素エキスパートでもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R 推進マイスター)」を委嘱されるなど、環境問題にも精通する。私生活では2人の子を持つ母で現役の節約主婦でもあり、日常生活に密着したアドバイスを得意とする。
政府の節電要請の期間(7~9月)を待たずして、6月末には早くも「電力需給逼迫注意報」が発令されるなど、電力不足は予断を許さない。猛暑の中での停電は、経済活動をストップさせるだけでなく、私たちの命や健康をも脅かす。
支出の面でも、家計を圧迫している。さまざまな物価の上昇が続く中で、全国の電力会社が軒並み料金を値上げ。これまでの電気の使い方を見直して、一人ひとりが上手に節電することが重要となる。
特に節電が求められているのが、夕方にかけての時間帯。しかし、室温が高いためエアコンが欠かせない時間帯でもあり、節電に必死になるあまり生活に支障をきたしてしまうのは本末転倒だ。
そこで和田さんが提唱するのが、けっして無理をせずに、スマートに節電を心がける工夫。「エアコンを使わないでいて熱中症になることがないように、我慢するのではなく、どうやったら快適に過ごしながら節電できるかという方法を考えていただければ」と話す。
夏に心がけるべき3つの節電アイデア
心がけるべき3つの節電アイデア
節電の方法は家庭の事情によって異なり、テクニックも多岐にわたる。和田さんには、あらためてチェックすべき代表的な節電対策を3つ挙げてもらった。
(1)エアコンの設定温度を高めにして、扇風機などでカバー
「エアコンは家庭で使用する電力のかなりの割合を占めますが、設定温度を1度変えると消費電力量は10%ほど変わると言われています。そのため、設定温度を高めにすることが重要になります。それだけだと暑いので、電気代の安い扇風機やサーキュレーターを併用すると良いでしょう。扇風機の風が当たることによって体感温度を下げるのと同時に、部屋の空気をムラなく冷やすことができ、快適に過ごせると思います。日差しが部屋に入らないよう、よしずや簾(すだれ)などを使い、窓の外側で対策するのも効果的です」
(2)古い家電の省エネ性能や買い替え時をチェック
「家電の省エネ性能は進化しているので、古いものを頑張って使っていても無駄になる可能性があります。環境省のサイトでも、新旧の製品の電気代を比較できます。特にエアコンと冷蔵庫は、夏に使う電力も増えますので、早い段階から買い替えの検討をした方が節電対策になります。今年は半導体不足でエアコンが品薄になっていますので、突然壊れるという事態だけは避けたいものです」
(3)温めるタイプの家電の使用時間を見直し
「一般的に、冷やすよりも温める方が電力を消費します。電気ポットや炊飯器などで長時間温めていると、電気代は高くつきます。ご飯はまとめて炊いたものを冷凍して食べる時に温め直したり、お湯は使う都度に沸かすなどして、長時間保温するような使い方は極力控えた方が節電になります」
「日中にソーラー発電して蓄電できると、節電にも直結すると思います。ためた電力は、電力が逼迫する時間帯に積極的に使いたいですね」と和田さん。日常的に使いこなすことができれば、家庭での節電に大きく貢献しそうだ。
ソーラーパネルとポータブル電源を使うもう一つのメリットは、非常時の電源として活用できること。3月に福島県沖で起こった地震では、一部の発電所が停止して東北・関東地方で大規模な停電が一時的に発生した。この夏に電力逼迫が限度を超えてしまうと、広域的な停電が起こる可能性があり、けっして油断できない。
和田さんは「夏に停電すると熱中症の危険もあるし、冷蔵庫の中のものが傷む心配もあります。ポータブル電源があれば、備えられるので心強い※1。そういった日常の安心のために購入を検討しようという方もおられるのではないでしょうか」と語る。
※1:ポータブル電源のタイプによって使用できる家電が異なります。
自宅でのソーラー発電が節電にも直結
自宅でのソーラー発電が節電にも直結
ここまでは一般的な節電の話だが、使用電力を減らすのとは逆に、自分で電力を生み出すという、時代を先取りしたアプローチが脚光を浴びている。自宅で手軽に太陽光発電を行い、作った電力をためておいて使うという方法だ。
使用するのは、ソーラーパネルとポータブル電源の組み合わせ。自宅の屋根に太陽光発電の設備を工事するのは大変だが、これなら手軽にエコ発電と充電をすることができる。
「日中にソーラー発電して蓄電できると、節電にも直結すると思います。ためた電力は、電力が逼迫する時間帯に積極的に使いたいですね」と和田さん。日常的に使いこなすことができれば、家庭での節電に大きく貢献しそうだ。
ソーラーパネルとポータブル電源を使うもう一つのメリットは、非常時の電源として活用できること。2022年3月に福島県沖で起こった地震では、一部の発電所が停止して東北・関東地方で大規模な停電が一時的に発生した。この夏に電力逼迫が限度を超えてしまうと、広域的な停電が起こる可能性があり、けっして油断できない。
和田さんは「夏に停電すると熱中症の危険もあるし、冷蔵庫の中のものが傷む心配もあります。ポータブル電源があれば、備えられるので心強い※1。そういった日常の安心のために購入を検討しようという方もおられるのではないでしょうか」と語る。
※1:ポータブル電源のタイプによって使用できる家電が異なります。
ポータブル電源+ソーラーパネルが実現する暮らし
ポータブル電源+ソーラーパネルが実現する暮らし
ポータブル電源とソーラーパネルを併用することで、節電に役立てようと提案しているのが、Jackery(ジャクリ)。両製品の合計で累計200万台を全世界で販売してきたブランドだ。
家庭のコンセントから充電できるポータブル電源だが、持ち運び可能なソーラーパネルとつないで充電できることもJackeryの製品の特長だ。セットで使用することで、環境に優しいグリーンエネルギーによる発電・蓄電・給電の流れがワンストップで実現する。
米国市場ではセットが人気商品で、日本でも2021年の後半頃からセットで購入するユーザーが増加しているという。日本法人Jackery Japanの平松孝太さんは「マンションの1階に住んでおられる方が、晴れた日には庭にソーラーパネルを設置して充電し、ためた電気を夜のテレビ等に使用されるケースもあるようです」と話す。
電力の逼迫に備えて、節電や停電対策のための利用も広がっている。「アウトドアや防災用途に加え、エコロジーを意識して使う方も多くいらっしゃいます。災害時のためだけに保管しておくのではなく、普段から電気代を節約したり、日常使用やアウトドア、イベントなど、シームレスに使っていただければうれしいですね」と平松さん。
CO2排出削減に貢献する「Jackery Solar Generator」とは
CO2排出削減に貢献する「Jackery Solar Generator」とは
Jackeryは2022年から、ソーラーパネルとポータブル電源のセットを「Jackery Solar Generator」という商品名に変更。コンセントがなくても発電や充電ができるオールインワンの太陽光システムを提供することによって、CO2排出の削減に貢献するライフスタイルを誰もが実感できることを示している。
さらに、2022年5月には新製品「Jackery Solar Generator 2000 Pro」を発表した。ポータブル電源の電力容量はこれまで240~1534Whの5種類だったが、長時間利用に適した2160Whの大容量で、エアコン※2やホットプレートなど、消費電力2200W以内の電化製品に給電することができる。
平松さんは「キャンプであれば、ソロなのかファミリーなのか、どの家電を何時間ぐらい使うのか。防災なら、停電になった時に動かしたい家電をどれぐらい使用したいか。自身の用途に照らすと、6種類のラインナップから迷わず選んでいただけると思います」と話しており、詳細はJackeryのサイトで比較することができる。
※2:100V対応機器に限る。
誰でも簡単に始められるエコライフへ
誰でも簡単に始められるエコライフへ
未来のエコライフのあり方について、和田さんは「そう遠くない将来、自分の家で作った電気を蓄電池にためて、自分の家で消費していくという家庭がどんどん増えて、エネルギーの自家消費が当たり前になっていくのではないでしょうか。それがゆくゆくは、脱炭素や世界のエネルギー問題の解決にもつながっていくのかなと思います」と話す。
そのきっかけの一つに、「ソーラーパネル+ポータブル電源」はなりうる。誰でも簡単に導入できることは、普及に向けたパワーとなるからだ。
「Jackeryは、世界中にグリーンエネルギーを提供することをグローバルグループ全体のミッションとしており、最も信頼できるグリーンエネルギーブランドになることを目標に掲げています。Jackery Solar Generatorが普及することで、ミッションへの貢献、そしてより良い社会の実現に貢献できると思っております」と平松さんは語る。
節電もエコも、無理をせずにできることから。その第一歩として、自宅に「エコ発電」を導入してみるのはいかがだろうか。
オールインワンの太陽光発電システム「Jackery Solar Generator」
オールインワンの太陽光発電システム「Jackery Solar Generator」
Jackeryポータブル電源とソーラーパネルがセットになった「Jackery Solar Generator」。ソーラーパネルが屋外で太陽光を吸収することで発電し、ポータブル電源にケーブルを接続することで充電が可能です。災害時の備えやアウトドアでの電化製品使用など、さまざまなシーンで活用できるセットです。
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