1.震度6弱はどれくらい揺れる?
2024年の元旦に発生した能登半島地震では、震度7の地震が起きた僅か2分後に、震度6弱の地震が発生していました。震度6弱の地震は、人が立っていることが困難になる程の揺れを発生させます。固定してない家具の大半が移動するほど、強力な揺れです。
また、震度6弱の揺れは、縦揺れか横揺れかによっても体感が異なります。縦揺れの場合は、突然激しく揺れることが多いので、同じ震度6弱であっても縦揺れの方が恐怖心は強まるでしょう。
2.震度とマグニチュードの違いとは
地震の大きさを測る尺度に、「震度」と「マグニチュード」があります。震度とマグニチュードの定義は、以下のとおりです。マグニチュードは地震で単一なのに対し、震度は観測値によって異なります。
地震の尺度 |
定義 |
震度 |
・ある場所がどの程度揺れたか ・計測震度計で測られる |
マグニチュード |
・地震そのものの大きさ(規模) ・一つの地震に一つの数値しかない |
3.震度6弱以上の地震の被害規模
10段階で表される震度の中で、震度6弱は一つの基準になります。震度6弱以上を観測すると、建物の全壊率が高くなるため、緊急地震速報を「特別警報」に位置づけると定められているのです。震度6弱以上の地震の被害規模は、どの程度なのか紹介します。
●震度6弱|耐震性の低い建物が傾く
震度6弱の地震では、耐震性の低い木造の建物の被害が大きくなります。瓦の落下や建物の傾斜などの被害です。耐震性が高い建物であっても、壁のタイルが剥がれたり、窓ガラスが飛散したりする恐れもあります。扉が開かなくなる危険もあるので、揺れが落ち着いたら、すぐに脱出口を確保しましょう。
●震度6強|耐震性の低い建物が損壊
震度6強になると、耐震性の低い建物は崩壊する恐れがあります。多くの建物の窓ガラスや壁が破損するため、建物に近づくのは危険です。耐震性の高い建物であっても、壁にヒビや亀裂が入ることがあります。人は、地面をはわなければ動けません。
●震度7|耐震性の高い建物が損壊
最大震度である震度7になると、耐震性の低い建物は全壊したり、耐震性の高い建物は傾いたりする可能性があります。鉄筋コンクリートでできた建物も耐震性が低ければ、倒れるものが多いです。補強されたブロック塀も破損することがあります。屋内では、ほとんどの家具が動き、飛んできた家具で怪我をする危険もあるので注意が必要です。
4.震度6弱を超える地震で起こりえる7つの二次災害
地震の怖さは、揺れだけではありません。揺れの後にやってくる二次災害にも警戒する必要があります。震度6弱の地震で起こりえる二次災害の例は、以下のとおりです。
●余震
大きな地震の後に、同じ地域で再び発生する地震が「余震」です。余震は小さい地震と認識されがちですが、本震と同程度の地震がやってくる可能性もあります。2003年に発生した十勝沖地震では、本震の1時間後にやってきた余震が、本震と同じ震度6弱でした。特に、本震が発生した2~3日程度は、規模の大きな余震が続く恐れがあるので注意してください。
●津波
海の近くにお住まいの方が最も注意する必要がある二次災害が、津波です。地震の揺れが海水を押し上げ、数十メートルにも及ぶ高さの波が襲来します。東日本大震災は、約15万人の死者を出しましたが、そのほとんどが津波による被害でした。津波から身を守るためには、迅速な情報収集と避難が欠かせません。
●火災
地震と同時に、火災も発生する可能性があります。阪神・淡路大震災では、285件もの火災が発生したと言われています。火災が発生する主な原因は、以下のとおりです。
・ストーブなどの暖房器具が転倒して引火する
・破損した電源コードから漏電して引火する
・避難時に消し忘れたガスコンロの火が燃え移る
・電気復旧後の通電で、照明器具やストーブが可燃物に接触する
●地割れ
地震による揺れで地面に亀裂が入る「地割れ」も二次災害の一つです。地割れが起きると、割れ目に足が挟まったり、車が走行できなくなったりと、割れ目の大きさに比例して被害が拡大します。家の中にいたら安全というわけではなく、建物直下の地面が地割れを起こすと、建物が傾いていきます。
●土砂災害
山地や丘陵地にお住まいの方は、土砂災害に注意が必要です。土砂災害には、以下の3つの種類があります。地震が発生したら、直ちに避難してください。
土砂災害の種類 |
特徴 |
土石流 |
地震で崩れた土砂が川をせき止め、急に崩れて押し寄せてくる |
がけ崩れ |
地震で急な斜面や崖が崩れ落ちてくる |
地すべり |
土地の一部や全部が地震によって下方向に滑ってくる |
●ライフラインの遮断
普段通りの日常生活を送る上で欠かせない電気・ガス・水道・交通機関などのライフラインは、地震によって遮断される恐れがあります。東日本大震災では、電気の復旧に6日、水道に24日、ガスに34日かかりました。ライフラインは、生命の維持に不可欠なので、日頃から対策しておく必要があります。
●通信の寸断
地震によって電波を送る設備が障害を受けると、通信ネットワークが遮断される恐れがあります。通信ができなくなると、地震発生後に情報収集や家族の安否確認ができません。避難が遅れるばかりか、二次災害のリスクが高い地域に避難してしまう危険もあります。万が一、家族と連絡が取れなくなった事態に備えて、集合場所を決めておくと良いでしょう。
5.被害を最小限に!震度6以上の地震に備える防災グッズ
震度6以上の地震に備えるためには、本震と二次災害に対する対策が必要です。地震はいつ起きるか分かりません。最低限、以下の5つの防災グッズを準備しておきましょう。
●飲料水・食料
地震による避難生活では、救援物資がいつ届くか分かりません。最低でも、3日分の飲料水と食料は備蓄しておきましょう。飲料水は、1日1人当たり3Lが必要です。食料は、日持ちがする缶詰やレトルト食品、野菜ジュースなどをバランスよく揃えてください。
●ポータブル電源
地震で電気が遮断されたとしても、ポータブル電源があれば心配いりません。ポータブル電源とは、大量の電気を内部に蓄電し、コンセントから給電できない状況でも、電化製品に電気を供給できる機器を指します。地震発生時にポータブル電源があると、以下のような場面で活躍します。
・電気毛布や扇風機を使い、自宅や避難所で体温を維持できる
・電気ケトルや電気鍋を使い、安全かつ簡単に加熱料理が行える
・家族との連絡や情報収集に必要なスマホを、常にフル充電にしておける
・LEDライトを点灯させ、夜の安全を確保する
●携帯トイレ
地震で水道・電気が遮断されると、トイレの水が流せません。そのまま排便して放置すると、菌が繁殖したり、悪臭が充満したりと不衛生です。防臭力・凝固速度・後処理のしやすさに優れた携帯トイレを用意しておきましょう。
●電気毛布
保温機能に優れ、気温に合わせて自由に温度調節できる電気毛布もおすすめです。ポータブル電源も合わせて持っていると、地震で停電していても給電できます。体温が低下すると、感染症などの病気にかかるリスクが高まります。診療をすぐに受けられない可能性もあるので、体温維持のために電気毛布は欠かせません。
●救急セット
地震発生時の怪我や体調不良に備えて、救急セットを準備しておきましょう。救急セットの中身には、以下のアイテムを入れておくのがおすすめです。
・絆創膏
・消毒液
・ガーゼ
・包帯
・軟膏
・常備薬
・市販薬(解熱鎮痛剤、胃腸薬、頭痛薬など)
6.地震発生時に活躍する「ポータブル電源」のおすすめ4選
防災対策グッズとして重宝するポータブル電源は、Jackery(ジャクリ)製がおすすめです。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、創業から12年間で世界販売台数400万台を突破した実績を誇ります。自然放電が少ないので、災害発生時にすぐに使えるのが特徴です。震度6弱以上の地震停電対策におすすめのポータブル電源を紹介します。
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セット
容量632Wh・定格出力800Wのポータブル電源と100Wのソーラーパネルのセットです。二つで10.95kgという軽量かつコンパクト設計なので、荷物を持ってスムーズに避難できます。
ポータブル電源は、耐衝撃性とUL94-V0の耐火性を備えているため、地震の揺れや二次災害が起きている状況でも使用可能です。LED内蔵で、停電中の灯りとしても活躍します。
●Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery ポータブル電源 240 NewとJackery SolarSaga 100W ソーラーパネルのセットです。防災リュックに入るコンパクトサイズなので、両手を自由にした状態で避難できます。
ソーラーパネルは、24%の高変換効率なので、自宅や避難所で素早く電気を充電します。スマホを11回充電できるので、必要な時に被害状況を調べたり、家族と連絡を取ったりすることが可能です。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery ポータブル電源 1000 NewとJackery SolarSaga 100W ソーラーパネルのセットです。従来モデルから50%アップの定格出力1500Wを実現、ほとんど全ての家電を稼働させられます。
IBCセル技術を採用したソーラーパネルにより、電気の供給が止まった自宅や避難所で、高い変換効率で太陽光発電が可能です。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しているため、10年以上も防災グッズとして活躍します。
●Jackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 セット
Jackery ポータブル電源 2000 PlusとJackery SolarSaga 200W ソーラーパネルのセットです。AC5口、USB4口、シガーソケット1口を使い、家族全員の気温対策や通信機器の充電ができます。
合計62個の保護システムと12重のBMS保護システムを搭載しているため、激しい環境変化が予想される避難生活でも安心です。約30dB以下の静音設計のため、避難所で他の被災者の迷惑にもなりません。
7.震度6弱はどれくらいかに関するよくある質問
これまで震度6弱以上の地震を経験したことがない人は、被害規模を想像するのが難しいでしょう。震度6弱の地震に関するよくある質問は、以下のとおりです。
●過去にあった震度6弱の地震の例は?
近年、最大震度6弱を記録した主な地震は、以下のとおりです。
地震発生日 |
地域 |
2022年6月19日 |
石川県能登地方 |
2018年9月6日 |
胆振地方中東部 |
2018年6月18日 |
大阪府北部 |
●木造住宅は鉄筋に比べて損壊リスクが高い?
構造が違ったからといって、耐震性能にはほとんど差がありません。木造の建物は、同じ大きさの建物を比較したときに、揺れが小さくなるのが特徴です。一方の鉄筋コンクリートは、重量が大きいため、揺れは大きくなりますが、倒壊しにくい構造をしています。
●マンションとアパートで耐震性が高いのは?
マンションやアパートは、その構造によって耐震性が変わります。一般的に、鉄筋よりも木造の方が耐震性が低いと思われがちですが、木造も工法によって耐震性が高められています。また、鉄骨については、重量鉄骨よりも軽量鉄骨の方が耐震性が劣ります。
まとめ|震度6弱以上の地震への防災対策を行おう
震度6弱の地震は、人が立っていられない程の揺れです。耐震性の低い建物が傾く恐れもあります。本震が終わった後も二次災害の危険があるため、油断はできません。
この記事で紹介した防災グッズを揃えて、震度6弱を超える地震に備えましょう。