1.台風の日に車を運転するのは危険?
台風が接近している日に車を運転するのは危険です。
台風の日に運転が危険な理由として、以下のような晴天日の運転との違いが挙げられます。
・暴風にあおられて、ハンドルを取られる恐れがある
・豪雨がフロントガラスに降り注ぎ、視界を遮られる
・雨によって道路が滑りやすくなっている
・看板や樹木の枝、瓦などが車体に飛んでくる恐れがある
・道路が冠水して、身動きが取れなくなる恐れがある
いくら注意して運転していたとしても、強風でハンドルを取られたり、道路でスリップしたりすると、車は制御不能になります。こちらの車は安全運転をしていても、対向車線からやってくる車が突っ込んできて事故になる可能性もあるでしょう。
2.台風が引き起こす車への被害
台風によって車が暴風と豪雨に晒されると、以下のような被害に遭う危険があります。最悪の場合、車体が損傷するだけでなく、運転者や同乗者も命を落としかねません。台風の日に運転するリスクを十分に理解しておきましょう。
●強風による飛来物で車体が傷付く
台風の強風による看板や樹木の枝、瓦などの飛来物が車に直撃し、車体が傷付く恐れがあります。窓ガラスが割れたり、ボディに深い傷や凹みができたりと、運転にも影響を及ぼしかねないほど損傷する可能性もあります。
一般的に、台風によって物が飛び始めるのは風速20m/sからです。気象庁が発表している台風の大きさと強さの基準によると、風速20m/sは強い台風とは言えません。そのため、台風の日に運転していると、高確率で物が飛来していると言えるでしょう(※)。
●転倒した街路樹や電柱の下敷きになる
台風時には強風により街路樹や電柱が転倒し、車がその下敷きになる危険性があります。これらの構造物は強風や豪雨で根元から倒れることがあり、車が下敷きになると、車体が大きく凹むだけでなく搭乗者の命も危険です。特に電柱が倒れると、感電の危険も伴います。
●強風によって車が横転する
台風の強風にあおられると、車が横転する可能性があります。特に強風の影響が増大するのは、高速道路や開けた場所です。風の影響でハンドルを取られる感覚が強くなるので、通常のスピードでは運転が難しくなります。
車が横転する危険が高まるのは、風速20m/sからです。特に車両の軽い軽自動車や背の高いワンボックスやミニバンは風の影響を受けやすく、横転する危険があります。横転すると、運転者や同乗者の命に関わる重大な事故となる可能性が高いです。
●氾濫・冠水によって車体が浸水する
豪雨によって河川の氾濫や道路の冠水が発生すると、車体が浸水するリスクがあります。氾濫・冠水した道路に侵入してしまえば、車の制御は難しくなるでしょう。道路の水位が走行に及ぼす影響は、以下のとおりです。
水位 |
走行への影響 |
10cm~30cm |
ブレーキが効きづらくなる |
30cm~50cm |
エンジンが停止する恐れがある |
50cm~ |
車体が水面に浮く恐れがある |
水位がドアの下端にかかると、水圧によって内側からドアを開けづらくなります。ドアの高さの半分まで水位が上がると、ドアを開けられなくなり、完全に車内に閉じ込められてしまうのです。また、エンジンや電気系統は故障し、修理費用も高額になります。
●強風によって他の車と衝突する
台風の強風により、他の車と衝突する危険性が高まります。車を制御不能にする要因は、強風だけではありません。雨に濡れた道路の滑りやすさや、豪雨による視界の悪さも相まって、横風に押し出されて車線を逸れます。その結果、隣の車線の車に衝突するのです。
また、こちらに全く非がなかったとしても、他の車が衝突してきて、事故に巻き込まれる恐れがあります。最悪の場合、命を落とす大惨事にもなりかねません。
3.台風で車中避難する際のポイント3選
台風によって自宅が停電していたり、避難所が満杯だったりする場合、車中避難を選択するケースもあるでしょう。プライベート空間を確保でき、冷暖房が使えるため、避難場所に打ってつけのように思われますが、注意しなければならないポイントがあります。
●エンジンをかけたままにしない
車内でエンジンをかけっぱなしにしていると、一酸化炭素中毒の症状を起こす危険があります。一酸化中毒とは、エンジンの排気ガスに含まれる有毒な一酸化炭素を吸い込み、体が酸素欠乏になる状態です。
台風時の飛来物によって車の排気口が塞がれていると、一酸化炭素が車内に入り込む恐れがあります。最悪の場合、心肺機能が停止し、死に至ります。車内のエアコンやテレビ機能を使うためにエンジンをかけ続けたくなりますが、こまめにエンジンを切ったり、換気を行ったりしましょう。
●こまめに水分補給する
台風が最も多くなるのは夏の時期です。夏に車内にこもっていると、熱中症の危険が高まるため、こまめな水分補給が欠かせません。また、車内の狭い空間に水分も取らずに長時間座っていると、エコノミークラス症候群のリスクも高まります。エコノミークラス症候群になると、血行不良による血栓が肺に詰まり、肺塞栓を引き起こす恐れがあるのです。
●ポータブル電源を活用する
車中避難では、ポータブル電源が活躍します。ポータブル電源とは、大量の電気を内部のバッテリーに蓄え、コンセントがない状況でも電化製品を動かせる機器のことです。
真夏の車中避難では、暑さからつい車内のエアコンを使いたくなります。また、時間を持て余してラジオを聴いたり、テレビを観たりすることもあるでしょう。それらの電気供給源を車のバッテリーにしていると、バッテリー上がりを引き起こす恐れがあります。
バッテリー上がりを起こすと、いざ車を使って避難しようにも、エンジンがかからなくなります。電気供給源をポータブル電源にすれば、エンジンを停止できるので、バッテリー上がりは起きません。また、一酸化炭素中毒の予防にも繋がります。
4.台風による車体被害を防ぐための対策3選
車の運転時に限らず、駐車しているだけでも、台風による被害を受けるリスクがあります。台風による車体被害を防ぐには、以下のような対策が重要です。
●立体駐車場を借りる
車が台風被害に遭わないようにするには、立体駐車場を借りることを推奨します。立体駐車場とは、多層化・立体化させ、多くの車両を収容できる駐車場のことです。屋内に停められるので、雨風の影響を受けません。また、床から高さがあるため、浸水被害も防げます。
●ハザードマップを確認する
台風時に車での移動を余儀なくされた場合に備えて、ハザードマップを確認しておきましょう。ハザードマップとは、災害時の危険個所を地図上に表したものです。ハザードマップでは、主に以下のような情報が入手できます。
・河川が氾濫した場合の浸水範囲と深さ
・土砂災害の危険区域
・冠水する恐れがある道路
・避難場所と水害時の使用可否
・気象情報の入手先
台風時に近づくべきではないエリアが分かるので、被害に遭うリスクを軽減できます。ハザードマップは、お住まいの自治体で入手しましょう。
●車カバーを取り付ける
台風による車体被害を防ぐうえで、最低限行うべきなのが、車カバーの取り付けです。クルマの車体に車カバーを被せることで、雨や飛来物による傷を防げます。車カバーは、防水性や耐風性の高い素材を選びましょう。日常生活では、花粉や黄砂、紫外線・熱などから車体を守る効果もあります。
5.台風の停電で活躍するJackeryポータブル電源3選
台風の最中に車を運転する危険性は十分に理解できたでしょう。外に出ずに在宅避難をしていたとしても、台風による強風や豪雨、土砂災害によって送電設備が損傷すると、停電が発生します。そんな時にも、ポータブル電源があれば電気を供給し続けられます。
台風による停電時に、ポータブル電源が役立つ場面は以下のとおりです。
・扇風機やエアコンを使って、快適な室温を維持できる
・ガスの供給が遮断しても、電子レンジや電気ケトルで簡単に加熱調理が行える
・冷蔵庫を稼働して、食品が傷むのを防げる
・LEDライトに給電して、夜の暗闇を照らせる
・災害情報を収集するためのスマホを常に稼働させられる
創業から12年間で世界販売台数400万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)のポータブル電源は、台風による停電時に大活躍します。防災製品等推奨品認証やフェーズフリー認証を取得するほどの高い安全性と耐久性を兼ね備えています。
それでは、台風による停電対策としておすすめの機種を見ていきましょう。
●Jackery ポータブル電源 240 New
容量256Wh、定格出力300Wのポータブル電源です。約3.6kgと軽量コンパクト設計なので、電化製品を使いたい場所に自由に持ち運べます。UPS&パススルー機能を搭載しているので、停電時には0.02秒以内で電気供給源を切り替えます。
防火性能や耐震性能、耐衝撃性能に優れているので、車中避難時にも大活躍です。バッテリー節約モードによって、バッテリー寿命は1.5倍に延長できます。台風の接近が予測できれば、1時間での高速充電も可能です。扇風機を使った気温対策や、災害情報を取得するスマホの充電用に最適なモデルと言えるでしょう。
●Jackery ポータブル電源 600 Plus
容量632Wh、定格出力800Wのポータブル電源です。軽量コンパクト設計なので、台風被害が甚大になり、避難する際にも持ち運びの邪魔になりません。
耐衝撃性とUL94-V0認証の耐火性能に優れているため、防災時にも安全に使用できます。UPS&パススルー機能により、停電時も電気供給が途切れません。緊急充電モードを使えば、最短1時間でフル充電できます。2人家族以下の防災グッズにおすすめのモデルです。
●Jackery ポータブル電源 1000 New
容量1002Wh、定格出力1500Wのポータブル電源です。最速1時間で充電できる「緊急充電モード」や、30db以下で充電する「サイレント充電モード」を搭載しています。
150時間点灯するLEDライトも搭載しているので、夜に停電が発生しても、瞬時に明かりを確保できます。耐震性や防火性能にも優れているので、車内での使用も可能です。3人家族の停電対策にぴったりなモデルと言えるでしょう。
6.台風接近時に車を運転する際の注意点
台風接近時にどうしても運転しなければならなくなった場合には、以下のような点に注意しましょう。被害状況を逐一収集し、危険を察知したらすぐに避難する姿勢が重要です。
●気象庁が発令する警報を確認する
運転する前に、気象庁が発令している気象警報・注意報を確認してください。台風によって発令される主な気象警報・注意報と取るべき行動は、以下のとおりです。
気象警報・注意報 |
取るべき行動 |
大雨特別警報 |
命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保する |
・土砂災害警戒情報 ・高潮特別警報 ・高潮警報 |
自治体からの避難指示の発令に留意する |
・大雨警報 ・洪水警報 ・高潮注意報 |
自治体からの高齢者等避難の発令に留意する |
・大雨注意報 ・洪水注意報 ・高潮注意報 |
災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認する |
早期注意情報 |
最新の防災気象情報に留意する |
警報や特別警報が発令されている場合は、車の使用を控えた方が良いでしょう。
●水害の危険がある場合は高台に移動する
道路の冠水によって車が浸水する危険を感じたら、水が来ないような高台に素早く避難しましょう。避難した先で車を駐車させる際には、以下のような点に注意してください。
・土砂災害の恐れがある崖や、氾濫の恐れがある河川の近くは避ける
・道路よりも低い位置にある地下駐車場は避ける
・強風で物が飛んでくるのを避けるために、屋根が設置された駐車場を選ぶ
●浸水したらエンジンを止めて避難する
車が浸水したら、エンジンを止めて、すぐに車から離れてください。ドアの下端まで水位が上がると、ドアが開かなくなる恐れがあります。少し先に行けば水位が下がる場所があったとしても、無理に突き進むのは危険です。
まとめ|台風接近時には車を運転しないのが基本
台風接近時に車を運転するのは危険です。道路が雨で滑りやすくなっているうえに、豪雨で視界が悪いので、強風によってハンドルを取られると、反対車線に突っ込む恐れがあります。自分がいくら気をつけていたとしても、事故に巻き込まれるリスクもあるでしょう。
この記事で紹介した台風対策を徹底して、自分や家族の命を守りましょう。