1.小さい地震が頻発する「前震」とは
本震に先立って頻発する小さい地震は「前震」と呼ばれます。前震は、本震の1ヵ月以上前に発生するケースや直前に発生するケースなど様々です。また、本震の前に必ず前震があるとは限りません。
最初に発生した地震が前震ではなく、本震である場合も十分にありえます。科学的に前震と判定するためには数日から10日程度の解析が必要になるため、本震の後に前震と判定される場合が一般的です。
2.大地震の前に小さい地震が頻発した事例3選
過去に前震から本震を予測できた例はまだありません。しかし、これまで起きた大地震の中には、前震と思われる小さい地震が本震の前に発生している事例が存在します。ここでは、近年起きた震度7の大地震を例に見ていきましょう。
●【2011年3月11日】東日本大震災
2011年3月11日に戦後最大の自然災害となる東日本大震災が、三陸沖を震源として発生しました。死者は19,747人、行方不明者は2,556人に上り、約466万戸で停電が起きました。
本震の2日前である2011年3月9日には三陸沖を震源としてマグニチュード7.3(震度5弱)の地震を観測しており、これが前震と発表されています。
●【2016年4月16日】熊本地震
2016年4月16日に熊本県で発生した熊本地震では、最大震度7を観測しました。2,957人の人的被害と約21万棟の住宅被害をもたらし、約47万戸で停電が発生しました。
マグニチュード7.3の本震に対して、前震は2日前の4月14日に発生し、マグニチュードは6.5を記録しています。地域によっては前震も震度7を観測し、本震の揺れと変わりません。
●【2024年1月1日】能登半島地震
2024年元旦に石川県輪島市・志賀町を震源として、能登半島地震が発生しました。家屋倒壊や土砂災害によって、死者260名・重軽傷者1,323名の人的被害をもたらしています。停電は約4万4千戸で発生しました。
マグニチュード5.5の前震が観測されたのは、本震のわずか4分前です。元日で帰省者が増加している中、前震の直後に本震が起きたために、人的被害は拡大する結果となりました。
3.前震以外にもある大地震の予兆3選
震度7クラスの巨大地震「南海トラフ」は、今後30年以内に70〜80%の確率で起こると言われています。地震から家族を守るためにも、大地震の予兆を把握しておきたい方は多いのではないでしょうか。前震以外に大地震の予兆とされている現象は、以下のとおりです。
●電離圏の電子数異常が起きる
大地震の直前には、上空の電離圏電子数の異常を検知することが分かっています。実際に2011年に発生した東北地方太平洋沖地震では、前震・本震・余震の約20〜30分前に電離圏電子数の異常を検知しました。
現在も研究が進められている段階なので、最先端科学で「地震の予知ができる」とは言えません。しかし、京都大学は2024年4月に電離層異常発生の物理メカニズムを発見したと公表しています。実証が進められれば、地震発生予知が実現する未来も期待できるでしょう。
※参考1:京都大学「大地震発生直前に観察される電離層異常発生の物理メカニズムを発見」
●地鳴りが聞こえる
地盤が振動して鳴り響く音「地鳴り」も、地震の予兆と言われています。地鳴りは地震の発生と同時に鳴る音と考えられているため、地震の直前かほぼ同時に聞こえるのが特徴です。
地震の揺れには、横揺れであるP波と縦揺れであるS波、海底面で音波に変換されたT波の3種類があります。P波、S波、T波の順で発生するため、P波の振動が地鳴りといって私たちの耳に聞こえ、その直後に大きな揺れになるS波がやってくるのです。
●地盤のひずみが変化する
地下深くにある岩盤の僅かな変化も、地震の前兆と言われています。今後30年以内に高確率でやってくる南海トラフ地震は、発生の直前にプレートの境界付近でわずかに岩盤が動くと指摘されています。
2024年2月18日には、南海トラフ地震に備えて地盤の僅かな変化を観測できる「ひずみ計」が大分県佐伯市に設置されました。通常の地震計では検知できない地盤の僅かな変化も、ひずみ計では検知が可能です。
4.小さい地震が頻発する前に必要な5つの対策
前震は本震の直前にやってくるケースもあるため、小さい地震を感じてから対策を講じるのでは遅い可能性があります。小さい地震が頻発する前に必要な対策は、以下のとおりです。
●家具類の転倒防止対策を行う
地震による怪我のリスクを軽減する上で、家具類の転倒防止対策は欠かせません。東京消防庁が公表した資料によると、近年発生した地震で怪我をした人のうち約30〜50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因でした(※2)。
家具類による直接的な怪我はなかったとしても、玄関の通路を倒れた家具類が塞いでいると、迅速に避難ができません。主な家具類の転倒防止対策は、以下のとおりです。
・生活空間にできるだけ家具類を置かない
・重たい物を低い位置に収納する
・壁にL型金具で家具類をネジ止めする
・家具と天井の隙間に突っ張り棒を設置する
※2参考:東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」
●住宅を耐震化する
古い木造の住宅にお住まいの場合は大地震で倒壊する危険があるため、住宅の耐震化が必要です。耐震基準は過去に1981年と2000年に改正されていますが、1981年以前の旧耐震基準は震度6強から7の大地震を考慮していません。まずは専門業者に相談し、必要に応じて耐震改修を行いましょう。
●避難場所・経路を確認する
大地震によって避難指示が出た場合に備えて、避難場所・経路をハザードマップから確認しておきましょう。ハザードマップとは、被災想定区域や避難場所、避難経路が記されたマップです。市区町村のホームページから取得できるので、家族全員で確認してください。
●安否確認の手段を確認する
地震発生時に家族全員が一緒にいるとは限りません。離れた場所にいてもお互いの安否を確認できるよう、安否確認の手段を話し合っておきましょう。災害時には回線が繋がりにくくなる恐れがあるため、災害用伝言ダイヤル(171)の利用がおすすめです。
●防災グッズを揃える
地震が発生すると、電気やガス、水道、通信、交通などのライフラインが停止する恐れがあります。支援物資もいつ届くか分かりません。地震に備えて、以下の防災グッズは最低限準備しておきましょう。
・飲料水
・非常食
・ポータブル電源
・現金
・救急用品
・常備薬
・衛生用品
・携帯ラジオ
5.頻発する地震対策に必要なポータブル電源4選
大規模な地震が発生すると、送電設備が損傷して停電が発生する恐れがあります。地震による停電は、3日以上復旧しないケースも少なくありません。前震、本震、余震を合わせると、一つの地域で地震は頻発するため、いつ停電に見舞われてもおかしくないでしょう。
地震による停電対策として活躍するアイテムが、ポータブル電源です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄え、コンセントが使えない状況でも電化製品に給電できる機器を指します。頻発する地震対策にポータブル電源を備えるメリットは、以下のとおりです。
・夜間に停電が発生しても、LEDライトで暗闇を照らして安全を確保できる
・停電時にエアコンや扇風機などの冷暖房器具を使い、快適な気温を維持できる
・停電中も電気ケトルや電子レンジを稼働して、簡単に調理が行える
・冷蔵庫に給電して、食品の腐敗を防げる
・携帯ラジオを稼働して、災害情報を迅速に収集できる
・家族との連絡手段に必要なスマホを常にフル充電にしておける
・避難所にも持ち込んで、電気のある快適な生活が送れる
地震による停電は長期化する恐れがあるため、ポータブル電源に蓄電した電力量だけでは底を尽きてしまう可能性があります。そこでおすすめなのが、ソーラーパネルとの併用です。
ソーラーパネルで太陽光発電できれば、停電がどれだけ長期化しても電気を供給し続けられます。創業から12年間で世界販売台数400万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)は、ポータブル電源とソーラーパネルのセットを販売しています。ソーラーパネルは業界トップクラスとなる25%の変換効率を誇る製品もあり、低照度条件下でも多くの電気を発電します。地震による停電対策に最適な製品は、以下のとおりです。
●Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、容量256Wh、定格出力300WのJackery ポータブル電源 240 Newと出力100Wのソーラーパネルのセットです。約3.6kgと軽量コンパクトなので、大地震が予想される前震が頻発して避難する際にも気軽に持ち運べます。
災害時に貴重な連絡手段となるスマホや、停電時の明かりとなるLEDライト、小型の冷暖房機器などに給電できます。一人暮らしの停電対策におすすめの製品です。
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル セット
Jackery Solar Generator 600 Plus 100 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル セットは、容量632Wh・定格出力800Wのポータブル電源 600 Plusと100W Miniのソーラーパネルのセットです。フェーズフリー認証を取得しているため、第三者機関から日常時も災害時も価値を持つことが証明されています。
本体とソーラーパネルは合わせて約10kgなので、気軽に外に持ち出して太陽光発電が行えます。中容量モデルにより、小型冷暖房機器を同時に使用したり、炊飯器や冷蔵庫などの調理家電を稼働したりと2人暮らしの停電対策に最適です。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、大容量1070Wh、定格出力1500Wのポータブル電源 1000 Newと出力100Wのソーラーパネルのセットです。60万人に選ばれた大人気1000モデルの後継機であり、従来モデルから定格出力は50%アップし、全体のサイズは約20%コンパクトになっています。
ソーラーパネルは両面発電で業界トップクラスの25%の変換効率を実現しています。高出力・大容量により、3人家族の停電対策におすすめの製品です。
●Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット
Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セットは、大容量2042Wh、定格出力2200Wのポータブル電源 2000 Newと出力200Wのソーラーパネルのセットです。2000Whクラスの市場モデルより40%コンパクトになり、34%軽量化しています。
IEC60068-3-3耐震試験に合格しているため、震度7の地震が起きても本体の安全性を守ります。3〜5人の家族で3日間程度の停電生活を想定されている方におすすめの製品です。
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6.小さい地震の頻発に関するよくある質問
最後に、小さい地震の頻発に関するよくある質問を紹介します。前震に関する正しい知識を身につけて、地震への備えを行いましょう。
●小さい地震が続くと大地震の前兆で危険?
小さい地震が頻発すると、数日〜数か月後に大きな本震が来る可能性があります。ただし、前震と思っていた地震が本震であったケースも多くあるため、正確に予測するのは困難です。小さい地震が頻発していれば、大地震の可能性を考慮して行動するとよいでしょう。
●大地震の前兆としてカラスが騒ぐ?
東日本大震災が発生する約1ヶ月前からカラスの群れが空を覆っていたと言われています。しかし、カラスが騒いだら大地震が起こる、という科学的な根拠はありません。見慣れない姿だったために、地震と結びつけられた可能性も大いにあるでしょう。
●大地震で前震が起きないパターンはある?
地震活動のパターンは「本震-余震」「前震-本震-余震」「偶発的な地震活動」の3種類に分けられます。前震が起きずにいきなり大きな本震がやってくる場合もあるので、前震を待ってから行動しようと考えるのは止めましょう。
まとめ|小さい地震が頻発すると注意が必要
小さい地震が頻発する場合は、数日〜数か月後に大きな本震がやってくる可能性があります。ただし、前震は必ずあるわけではないので、日頃からの備えが欠かせません。
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