マンションの停電による7つの被害とは?取るべき行動や事前の対策を紹介

マンションの停電による7つの被害とは?取るべき行動や事前の対策を紹介

地震、雷などの自然災害だけでなく、火災や事故などの人為災害でもマンションの停電は起こりえます。マンションが停電すると冷蔵庫の食品の腐敗が進んだり、トイレが流せなくなったりと家での生活は困難を極めます。いつ停電が起きても迅速に対処できるよう、事前に準備しておくことが重要です。

この記事では、マンションが停電した際の適切な行動や事前に備えておくべき道具について紹介します。マンションの停電が起きる原因とリスクも解説するので、マンションの停電への備えを万全にしたい方は参考にしてみてください。

マンションの停電が起きる3つの原因

停電といえば雷が落ちたことで一時的に起こるイメージが強いと思いますが、自然災害以外の原因で起こる場合もあります。マンションの停電が起きる原因は次の3つです。

●自然災害

マンションの停電の原因で特に気をつけたいのは、二次被害の危険もある自然災害です。停電を起こす自然災害には主に4つの種類があります。

災害の種類

特徴

地震

地震によって電柱や電線が損傷を受けることで停電します。近年、南海トラフ巨大地震が起こる可能性も示唆されているので、特に注意が必要です。

大雨

大雨による土砂崩れで電柱や電線が損傷を受けることで停電します。

雷が電線に落ちることで電気を送るための設備が故障します。

大雪

電線に雪が付着し、電線同士が接触することで停電します。

 

●動物の接触

停電の原因の25%以上は動物による接触と言われています。フクロネズミ、ネズミ、蛇、鳥、リスが電柱に登り、変圧器に接触することで停電が発生するのです。

また、強度と曲がりやすさを備えた電線は、カラスなどの巣にされてしまうこともあります。巣になった箇所の金属に電気が流れると停電の原因となります。

●人為災害

電気供給が途絶える原因はコントロール不可なものばかりではありません。火災や交通事故といった人為災害もマンションの停電の原因になりえます。

火災では、電気を送る設備が損傷した場合だけでなく、安全な消火活動のために緊急で停電させる場合もあります。交通事故で電柱が傾いた場合も停電の原因になるでしょう。

人為災害の場合は、予兆がなく急に停電が起きるので咄嗟の対処が必要です。停電になったから焦らないように事前に準備しておきましょう。

マンションの停電によって起こる7つの事態

マンションの停電によって起こる7つの事態

一時的な停電であれば特に不便を感じないかもしれませんが、復旧に時間がかかると二次被害が発生してきます。マンションの停電による主な被害は次の7つです。

①全ての照明が付かなくなる

マンションが停電したら全ての照明が落ち、夜であれば真っ暗闇になります。すぐに復旧するようならその場でじっとしていれば問題ありませんが、復旧の目処が立たない場合は、次のような二次被害が起こるでしょう。

  • ・仕事や勉強などの日常生活に支障が出る

  • ・地震などの自然災害で家財が散乱している場合、暗闇で移動すると割れた破片などで怪我をする危険がある

  • ・照明がない場所は、盗難や不法侵入のリスクが高まる

②エレベーターが停止する

高層マンションに住んでいる方は、停電でエレベーターが停止することによる被害は甚大です。エレベーターに乗っていない状態で停電した場合は、階段を使って避難する必要があります。お年寄りや小さいお子さんがいる方にとって、階数が高いほど避難は大変です。

エレベーターに乗っている状態で停止した場合は、閉じ込められる不安からパニックに陥る危険があります。エレベーターのインターホンを使い外部と連絡を取りましょう。「地震時管制運転装置」が付いたエレベーターの場合は、近くの階まで自動で行って扉が開きます。

③トイレで水が流れなくなる

自宅のトイレがタンクレストイレの場合は、停電によって水が流れなくなる可能性が高いです。タンクがないため、水は常に水道から供給されています。普段は「電磁弁」によって水の通り道に蓋をしている仕組みなので、停電で電磁弁が稼働しなければ水も流れません。

見た目がすっきりして、掃除の手間も削減できるタンクレストイレですが、停電時にはデメリットが大きくなります。メーカーによっては停電時でも水を流せる方法があるので、事前に確認しておきましょう。

➃外部との連絡手段がなくなる

停電することで固定電話が使えなくなるのはもちろんのこと、スマホの充電もできません。そのため、蓄電されている充電がなくなれば外部との連絡手段がなくなります。また、スマホが使えたとしても、地震や雷によって通信を行う設備が破損していると、電話やメールもできない可能性があります。

⑤温度調節ができなくなる

マンションで停電が起きるとエアコンやクーラー、扇風機が使えません。夏や冬であった場合、温度調節ができず、熱中症や凍傷の危険も高まるでしょう。温度調節ができないことによる被害が大きくなるのは次のような人たちです。

  • ・体が弱い高齢者や小さい子供

  • ・持病を抱えている人

  • ・温暖な地域や極寒の地域に住む人

  • ・オール電化の家に住む人

特に、オール電化の家に住んでいる場合、全ての電気機器が使えなくなり、ガスも供給できません。電気を使わなくても寒さ・暑さ対策ができるアイテムを完備しておく必要があります。

⑥食品の腐敗が進む

停電が起きると冷蔵庫が使えなくなるので、復旧が長引くほど食品の腐敗は進みます。一般的に冷蔵庫内の冷えがなくなり、食品が傷みだすのは停電から2〜3時間経過後からです。

冷気が保たれている2〜3時間は冷蔵庫の扉の開閉はしないほうがよいでしょう。また、一度解凍した食品を再冷凍すると品質が損なわれるため、避けたほうがよいです。

⑦セキュリティが低下する

マンションに備わっているセキュリティシステムも停電によって影響を受けます。ホームセキュリティ会社によっては、停電すると自動で予備バッテリーに切り替わる場合もありますが、長くは保ちません。

また、外部との通信が遮断されている場合があり、警報機が鳴ったとしても対応が遅れる場合があります。停電すると多かれ少なかれ、マンション全体のセキュリティは脆弱化するため、注意が必要です。

マンションで停電が起きた時の適切な3つの行動

停電が起きた際の対応が遅れると、食品の腐敗が進み、火災のリスクも上がります。マンションで停電が起きた際は、以下のような適切な行動を取り、復旧を待ちましょう

●ブレーカーを落とす

自宅から避難する場合や大雨等で自宅が浸水している場合、速やかにブレーカーを落としてください。電気を供給する機器の損傷が解消されれば、随時電気の供給が再開します。家電製品が浸水していた場合、漏電して火災に繋がりかねません。

停電が復旧したとしても、家電製品の浸水被害を取り除いてから、ブレーカーを上げましょう。ブレーカーを上げてもすぐに落ちてしまう場合は、配線が損傷している可能性があります。

●電化製品のプラグを抜く

停電が発生したら一部の電化製品のコンセントプラグは抜きましょう。消費電力の高い電化製品にプラグが繋がっていると、復旧した際に一斉に稼働し、ヒューズが飛ぶ恐れがあるからです。プラグを外すべきか否かは、こちらを参考にしてください。

プラグを抜く

プラグを抜かない

・テレビ

・暖房器具

・アイロン

・デスクトップパソコン

・洗濯機

・エアコン

・冷蔵庫

・無線LANルータ

●水栓・ガス栓を止める

マンションで停電が起きた場合、水栓やガス栓を閉める必要があります。長時間停電が続く場合、給湯機の凍結防止装置が稼働しません。そのまま水が流れるとパイプが凍結し、水道管が破裂する恐れがあります。そのため、日本海側の寒い地域にお住まいの方は特に、吸水の元栓を閉めましょう。

マンション停電の原因が地震である場合はガス栓も閉める必要があります。ガス漏れが起きた場合、引火して火災に繋がる恐れがあるからです。ガスを使用しない場合は、停電と同時に元栓を閉めておくと安心して復旧を待てるでしょう。

マンションの停電に備えて準備しておきたい防災グッズ5選

マンションの停電に備えて準備しておきたい防災グッズ5選

マンションで停電が発生すると、復旧するまで電気が使えない生活を余儀なくされます。停電が起きても普段通りの生活を送るためには、事前の備えが欠かせませんマンションの停電に備えて準備しておきたいグッズは次の5つです。

①ポータブル電源

マンションの停電時でも電気が使えるようになるアイテムがポータブル電源です。ポータブル電源とは、内蔵されたバッテリーに事前大量の電気を蓄え、数種類の端子から電子機器や生活家電に給電できる機器を指します。停電時にポータブル電源があることで、次のようなメリットがあります

  • ・冷蔵庫の食品の腐敗を防げる

  • ・通信機器に給電し、外部と連絡が取れる

  • ・PCが使用でき、勉強や仕事といった生活に必要な作業を継続できる

  • ・エアコンや電気ストーブに給電し、気温調節ができる

  • ・調理家電を使い、停電時でも暖かい料理を食べられる
  • ・LEDライトに給電して、停電時の照明に役立つ

電気が復旧する目処が立たない場合、普段通りの家電生活を続けるためには、大容量のバッテリーを備えたポータブル電源がおすすめです。

関連人気記事:ポータブル電源とは?容量や節電効果とともに日常、キャンプ、災害シーン別の使い道を紹介

②飲料水・生活用水

人間の体は60〜65%が水で構成されています。水によって栄養素を身体中に行き届かせ、老廃物を排出し、体温調節が行われています。停電で長時間、自宅待機を余儀なくされた場合、生命維持に必要な飲料水の確保は欠かせません。

また、停電による断水によってトイレの水が流せなくなったり、シャワーが浴びれなかったりするケースも想定されます。事前に生活用水をペットボトルに溜めておくと、安心です。最低でも3日分の家族全員分の飲料水と生活用水を確保しましょう。

③非常食

停電から2〜3時間が経過すると冷蔵庫の食品の腐敗が始まり、無理に食べると食中毒になる恐れもあります。長期保存に向いている非常食を常備しておきましょう。停電時の非常食のおすすめは次のとおりです。

  • ・アルファ米

  • ・豆類の缶詰

  • ・カップ麺

  • ・レトルト食品

  • ・乾パン

  • ・フリーズドライ食品

➃LEDランタン

停電時の照明代わりになるのがLEDランタンです。LEDランタンとは、LEDを光源にした充電式又は乾電池式のランタンを指します。機種の中にはモバイルバッテリー機能が付属しているタイプもあります。LEDランタンの魅力は次のとおりです。

  • ・火を使用しないため、火災や一酸化炭素中毒の心配がない

  • ・連続使用可能時間が長いタイプが多い

  • ・予備のバッテリーや乾電池を用意しておくことで、長時間点灯できる

  • ・軽くコンパクトなため、収納スペースの幅を取らない

⑤カセットコンロ

停電によってライフラインが途絶えたとしても、カセットコンロさえあれば調理が可能です。カセットコンロではカセットボンベを燃料にします。特に地震が併発している際は、ガスの復旧には時間がかかることが見込まれるため、予備のカセットボンベは多めに用意しておくと良いでしょう。

カセットコンロがあることで、温かい料理が食べられるだけでなく、寒さ対策も可能です。沸かしたお湯でタオルを濡らして顔や体を拭いたり、湯たんぽで手足を温められます。

マンションの停電に備えておすすめのポータブル電源3選

マンションの停電に備えておすすめのポータブル電源3選

数あるポータブル電源の中でも、特におすすめなのがJackery(ジャクリ)製ですJackery(ジャクリ)は、11年間の販売実績で世界販売台数300万台を突破しました。また、リチウムイオン電池を採用していることで、長期保管にも向いています。一般社団法人防災安全協会などから認証をもらうほどの安全性も誇ります

Jackery製の中でマンションの停電対策に最適な機種を3つ紹介します。

●Jackery Solar Generator 1000 Plus|ジャクリソーラージェネレーター1000プラス

Jackery Solar Generator 1000 Plusは、1264Whの大容量かつ2000Wの定格出力を備えた「Jackery ポータブル電源 1000 Plus」に「ソーラーパネル 100W」1枚が付属しています。

■商品の特徴

  • ・2000Wの高出力に対応しているため、LEDライトの充電や電子レンジが使える

  • 同時に8台の機器に給電できるため、冷蔵庫、エアコン、調理家電を同時に使用できる

  • 4000回使用しても70%以上の容量を確保できる

  • ・付属のソーラーパネルで長期間の停電中でも太陽光発電で充電できる

製品名 Jackeryポータブル電源1000Pro

容量

1264Wh(最大5kWhまで)

定格出力

2000W/正弦波(最大瞬間出力:4000W)

出力ポート数

ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4

満充電時間

AC充電:1.7時間
ソーラー充電:最速4.5時間
シガーアダプター:7時間

寿命

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
4000サイクル数

保証期間

5年間

●Jackery Solar Generator 2000 Plus|ジャクリソーラージェネレーター2000プラス

Jackery Solar Generator 2000 Plusは、2042Whの大容量かつ3000Wの定格出力を備えた「Jackery ポータブル電源 2000 Plus」に「ソーラーパネル 200W」1枚が付属しています。

■商品の特徴

  • ・3000Wの高出力により、自宅のほぼ全ての家電を動かせる

  • ・合計62個の保護システムと12重のBMS保護システムを搭載しているため、停電による環境変化にも対応している

  • ・長期間の停電でも太陽光があれば、付属のソーラーパネルで最速2時間でフル充電できる

  • 最大24kWhまでバッテリーを拡張できるので、復旧まで継続的に使用できる

製品名 Jackery ポータブル電源 2000 Plus

容量

2042.8Wh(最大12kWhまで)

定格出力

3000W/正弦波(最大瞬間出力:6000W)

出力ポート数

ACⅹ5、DCⅹ1、USBⅹ4

充電時間

AC充電:2時間
ソーラー充電:最速2時間
シガーアダプター:25時間

寿命/サイクル数

4000回サイクル
※4,000回サイクル放充電後も工場出荷時の容量の70%以上をキープできます。

保証期間

5年間

●Jackery Solar Generator 1500 Pro|ジャクリソーラージェネレーター1500プロ

Jackery Solar Generator 1500 Proは1512Whの大容量と1800Wの定格出力を備えた「Jackery ポータブル電源 1500 Pro」に「ソーラーパネル 200W」1枚が付属しています。

■商品の特徴

  • ・80%の電池残量で472日間も保管できるため、マンションの停電対策として長期保管できる

  • ・地震で0.9mから3度落下しても耐える耐衝撃設計がされている

  • ・米国UL規格の最高レベルを取得した耐火素材を使用している

  • LEDライトを搭載しているので、停電時のライト代わりになる

製品名 Jackery Solar Generator 1500 Pro

容量

1512Wh

定格出力

1800W/正弦波(最大瞬間出力:3600W)

出力ポート数

ACⅹ3、DCⅹ1、USBⅹ4

充電時間

AC充電:2時間
ソーラー充電:最速1.8時間
シガーアダプター:16.5時間

保証期間

5年間

まとめ|マンションの停電に備えて準備しよう

自然災害、人為災害、動物の接触などで発生するマンションの停電。電気が復旧するまで時間を要すると、セキュリティの脆弱化やライフラインの遮断、食品の腐敗などの二次被害が増大します。マンションの停電は予測ができないため、いつ起きても適切な対処が取れるよう、事前に準備しておきましょう。