1.kVAとは無効電力を含む電力供給能力を表す単位
「kVA」とは「キロボルトアンペア」と読み、無効電力(※)を含む電力供給能力を表す単位です。「kVA」の「k」は、「kg(キログラム)」や「km(キロメートル)」などの「k」と同じ数値「1,000」の意味です。
※電源と機器の間を往復するものの、実際には消費されていない電力。電圧調整の役目を果たしている。
kVAの単位は、主に大規模な電力管理が必要な工場・データセンターで、正確な電力の計算が必要な時に活用されています。そのほかにも、電力会社によっては電力プランにおける「基本料金」の基準が、kvaで設定されている場合があります。
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2.kVAとkWの違いは「皮相電力」と「有効電力」
「kVAとkWの違いって何?」と疑問に思っている方もいると思います。2つの用語は、以下の意味がありそれぞれ異なります。
・kVA|皮相電力
・kW|有効電力
kVAとkWの違いについて解説しているので、詳しく見ていきましょう。
●kVA|皮相電力
kVAとは「皮相(ひそう)電力」の意味で、電圧(V)と電流(A)を掛け合わせた単位です。「皮相電力って何?」と、初めて聞く言葉に疑問を感じる方もいるのではないでしょうか。
簡単にいうと「電化製品を稼働させるために必要な、理論上の電力量」のことです。皮相電力は、実際には消費されない電力を含みます。
●kW|有効電力
「kW(キロワット)」とは、電化製品で実際に消費する「有効電力」のことです。電力の効率を測る際に重要な単位で、電化製品の本体や取扱説明書に記載されている「kw」や「消費電力」は、有効電力のことを指しています。
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3.kVAの計算方法は「V(電圧)×A(電流)÷1,000」
kVAの数値を求める場合、以下の計算方法で算出できます。
・kVA=V(電圧)×A(電流)÷1,000
電圧100V・電流10Aの場合を例に挙げて、kVAの数値を計算してみましょう。
・100V×10A÷1,000=1kVA
なぜ「1,000」で割るかというと、「V(電圧)×A(電流)」で求めた数値の単位は、「VA(ボルトアンペア)」になるからです。これを「kVA」に変換するために、「1,000」で割り算し「kVA」の数値を算出します。
4.kVA(皮相電力)とkW(有効電力)から「力率」がわかる
「kVAについて調べていたら『力率』って言葉が出てきたけど、どういう意味?」と疑問に思っている方がいるのではないでしょうか?力率について、以下3つの項目をまとめています。
・力率とは電力の効率を表す指標
・力率の計算式は「有効電力÷皮相電力」
・kVAをkWに変換する計算方法には「力率」が必要
それぞれ詳しく解説しているので、内容を把握し力率の理解を深めましょう。
●力率とは電力の効率を表す指標
力率とは、電力の効率を0~1で表す指標のことです。数値が高いほど、効率よく電力が働いていることを表しています。逆に力率の数値が低いと電力のロスが増すことも。力率を改善することで、電力のコスト削減・電力効率の向上に繋がります。
●力率の計算式は「有効電力÷皮相電力」
力率は、「有効電力(kW)÷皮相電力(kVA)」の計算式で求められます。有効電力が8kW、皮相電力が10kVAの場合の力率を計算式に当てはめて例に挙げてみましょう。
(例)
有効電力:8kW
皮相電力:10kVA
8kW÷10kVA=0.8
力率の数値は0.8になるので、80%の効率で電力が使われていることがわかります。力率の数値が高いほど、電力が効率良く使われていることを表しています。
●kVAをkWに変換する計算方法には「力率」が必要
kW(有効電力)を求める際、kVAと力率の数値を使って以下の計算式でkWに変換します。
・kW=kVA×力率
ただ「有効電力がわからないのにどうやって力率を調べるの?」と、疑問に思う方がいるかもしれません。力率は「有効電力÷皮相電力」の計算式以外にも、「力率計」という道具を使う方法で測定できます。
では、kVAの値が1、力率計で測定した数値が0.8の場合を例に挙げて計算してみましょう。
(例)
kVA:1
力率:0.8
1kVA×0.8=0.8kW
数値は0.8kWとなります。上記の計算方法のとおり、kVAをkWに変換する際は力率の数値が必要です。
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5.「kVA」と「kWh」を使って電気料金を計算しよう

「kWh(キロワットアワー)」とは電力量の単位のこと。「kVA」と「kWh」を使って電気料金を計算できます。ここでは「kVA」と「kWh」について、以下2つの項目をまとめました。
・「kWh」とは電力量の単位
・電気料金の計算方法は「1kVAあたりの基本料金+電力量(kWh)× 電気料金単価(円/kWh)」
内容を把握しておけば電気料金を計算できるようになるでしょう。
●「kWh」とは電力量の単位
「kWh」とは電力量を表し、電力の単位「kW」と使用時間「h」を掛け合わせた単位です。電力量(kWh)を求める場合は、以下の計算式で算出できます。
電力量(kWh)= 電力(kW)× 使用時間(h)
例えば、1kWの電力を1時間使った時の電力量は1kWhです。
「kWh」は、電気料金の明細書でも使用されています。家庭で使用する電力量を確認できるので、電気代の節約をする際の目安にもなります。
●電気料金の計算方法は「1kVAあたりの基本料金+電力量(kWh)× 電気料金単価(円/kWh)」
「kVA」と「kWh」を使って、以下の計算方法で電気料金を算出できます。
・1kVAあたりの基本料金+電力量(kWh)× 電気料金単価(円/kWh)
ただ、「kVA」の単位を使っていない電力会社もあります。「kVA」を使って電気料金を算出している、「関西電力」の料金単価を例に挙げて計算してみましょう。
〇料金単価
・1kVAあたり:447.21円
・1kWhあたり:17.81円(最初の120kWhまで)
※契約容量を10kVA、電力量を100kWhの場合で計算
参考元:「関西電力|従量電灯B」より
1kVAあたりの基本料金を算出
・10kVA×447.21円=4472.1円
基本料金を計算式に当てはめて、電気料金を算出
・4472.1円+100kWh×17.81円=6253.1円
1ヶ月の電気料金は、6253.1円となります。
ただし、電力量(kWh)の料金は、各電力会社の単価設定と電気の使用量に応じて料金が決まります。そのため、電力量によって料金単価が変動することを理解しておきましょう。
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6.電気代を節約する3つの方法

電気料金の計算に役立つ単位の知識を得たところで、電気代を節約する3つの方法も紹介します。「電気代を節約して出費を抑えたいな」と考えている方は以下の方法を実践してみてください。
・省エネ家電を使う
・料金プランを見直す
・太陽光発電を導入する
それぞれ節電効果が見込めるので、さっそく検討してみましょう。
①省エネ家電を使う
自宅の古い家電を、最新の省エネ家電に買い換えると電気の消費量を抑えられる省エネ効果により、電気代の節約が期待できるでしょう。古い家電は省エネ機能が内蔵されていないため、電力を多く消費し電気代がかかります。
経済産業省資源エネルギー庁の公式サイトでは、省エネ家電と10年前の家電を比較した省エネ効果を公表しています。以下は、省エネ機能を内蔵している家電の省エネ効果の表です。
家電名 |
省エネ効果 |
冷蔵庫 |
約28~35% |
照明器具 |
約86% |
エアコン |
約15% |
温水洗浄便座 |
約8% |
参考元:「経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト|家庭向け省エネ関連情報 」より
買い換える際に出費はかさみますが、長期的に見て電気代の節約が見込めます。自宅で古い家電を使っていれば、省エネ家電の買い換えを検討してみてください。
②料金プランを見直す
電力会社と契約している電気料金プランの見直しも、電気代の節約に効果が期待できます。「昼間は家に誰もいないし、夜の方が電化製品を使うことが多いんだけどな」と夜間の電力消費が多い家庭は各電力会社の深夜電力プランがお得です。
例えば東京電力における、一般的な電気料金プラン「スタンダードS」と、夜間に使う電気料金が安くなるプラン「夜トク8」を比較してみましょう。
料金プラン |
基本料金 |
電力量料金 (1kWh) |
スタンダードS |
311.75円 |
29.80円(~120kWh) |
36.40円(121kWh~300kWh) |
||
40.49円(301kWh~) |
||
夜トク8 |
255.69円 |
42.60円(午前7時〜午後11時) |
31.64円(午後11時〜翌午前7時) |
深夜電力プランは、夜間の時間帯と基本料金も安く利用可能です。上記の東京電力の場合は、電力使用量が120Wを超えると、「夜トク8」の夜間電力量料金のほうが圧倒的に安くなります。夜間に電気を使うことが多いご家庭は、各電力会社の深夜電力プランを検討してみてください。
③太陽光発電を導入する
電気代の節約方法に、太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか。太陽光発電で発電した電力を使えば、電力会社から電気を購入する量を減らして電気代を節約できます。
ただし太陽光発電のみでは発電した電力を蓄電できないので、常に電力を消費するか家庭用蓄電池も一緒に導入して余剰電力を溜める必要があります。
「節電のために大きなコストをかけたくない」と、余計な出費に躊躇している方もいるかもしれません。確かに太陽光発電の導入には、100万円近くのコストが必要です。そこで設置工事費が不要で、数万円からの低コストで導入できるポータブル電源とソーラーパネルのセットをおすすめします。
ポータブル電源とは、据付型の家庭用蓄電池に劣らない性能を誇る可搬型の蓄電池です。もちろん、ソーラーパネルで発電した電力を溜めて、エアコンや電子レンジをはじめとする電化製品が動かせます。太陽光発電で電気代の節約を考えている方は、導入費用を抑えられるポータブル電源とソーラーパネルの導入も検討してみてください。
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7.「Jackery Solar Generator」でお手軽太陽光発電をスタートしよう
太陽光発電の導入を検討している方には、低コストで電気代の節約を始められる当社の「Jackery Solar Generator」がおすすめです。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は、世界中で500万台以上の販売実績があり、たくさんのユーザーが愛用している蓄電池です。
ソーラーパネルがセットになっており、太陽光発電より低予算で購入できます。例えば、632Whの中容量ポータブル電源と100Wソーラーパネルのセット「Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セット」の価格は定価で119,800円(税込)です。初期費用が100万円以上かかる、据付型の太陽光発電のセットモデルよりお得な価格で導入できます。
さらに、一般的な太陽光発電の導入時に発生する、設置工事費も一切発生しません。ソーラーパネルは高い耐久性と防水性能を備えているため、屋外でも安心して使えます。「安かろう、悪かろう」で損をする心配は無用です。
Jackery Solar Generatorは、電気代の節約方法以外にも活用できます。例えば、キャンプではテントでテレビを視聴したり、コーヒーメーカーで淹れたコーヒーを飲みながら自然を満喫したりと快適なひとときを過ごすことが可能です。ほかにも電源がない場所でのDIYや、災害時の停電対策として活躍します。
お手軽に太陽光発電をスタートできるJackery Solar Generatorを自宅に1台導入して、電気代を節約しながら快適なライフスタイルをゲットしましょう。
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8.kVAに関するよくある質問
kVAに関してよくある質問に以下の3つがあります。
・kVAは何kwですか?
・kVAの読み方は?
・kVAの契約容量とは何ですか?
質問に詳しく回答しているので、それぞれ見ていきましょう。
●kVAは何kwですか?
kVAをkwに変換する際、力率を使って以下の計算式で算出できます。
・kW=kVA×力率
1kVA、力率0.8の場合を例に挙げてkwを求めてみましょう。
(例)
・kVA=1
・力率=0.8
1kVA×0.8=0.8kW
kwは、kVAと力率の数値を使って変換ができます。
●kVAの読み方は?
「kVA」は「キロボルトアンペア」と読みます。「k(キロ)」は「1,000」の意味で、「kVA」の「VA(ボルトアンペア)」は、電圧(V)と電流(A)を掛け合わせた電力の単位です。
●kVAの契約容量とは何ですか?
kVAの契約容量とは、電力会社との契約上で使える電気の最大容量のことです。容量が大きいほど、同時に複数の電化製品が使えます。
まとめ
kVAとkWの概要を理解しておけば、電化製品の電力管理の効率向上につながります。またkVAとkWを使って電気料金が計算できるので、電気代を節約する時の目安にしてみてください。家庭や職場で活用すれば、電化製品の消費電力を把握でき電気代の節約に役立ちます。
なお、「自宅の電気代を節約して家計をラクにしたい」と考えている方は、ソーラーパネルがセットになったポータブル電源を使った節電方法があります。太陽光発電よりも低コストでお得な「Jackery Solar Generator」を、自宅に1台導入して電気代を節約しましょう。
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