家庭用蓄電池の価格・補助金|設置工事なしで導入できるポータブル蓄電池も紹介
いざというときのために防災の備えはしていますか。異常気象や災害の発生により、いつ停電になるのか予測できません。毎年さまざまな防災グッズが発売されていますが、そのなかでも注目されているのが「家庭用蓄電池」です。
非常時だけでなく、電気代の節約にも役立つことから導入を検討する方もいるのではないでしょうか。とはいっても、設置にどのくらいの費用がかかるのか気になるところです。この記事では、家庭用蓄電池を設置するメリット・デメリット・本体価格と設置費用・活用できる補助金について詳しく解説します。また、家庭用蓄電池の代用としておすすめのポータブル電源(蓄電池)も紹介します。ぜひご参照ください。
家庭用蓄電池とは?
家庭用蓄電池の本体価格・設置費用
家庭用蓄電池の費用相場は、本体+設置工事費込みで約80〜200万円です。蓄電容量や性能による違いが大きく、各メーカーの製品を比較検討する必要があります。
1kWhあたりの単価で計算されるのが基本で、家庭用蓄電池は5〜7kWhの製品が多くなっています。1kWhあたりの単価は15〜21万円ほどです。たとえば、5kWhの家庭用蓄電池であれば75〜105万円、7kWhは105〜147万円の予算を見込んでおくと良いでしょう。
また、蓄電池の設置工事費用は20〜35万円ほどが相場です。家庭用蓄電池を設置する業者によっては、配線工事費や諸経費が別途かかる場合もあります。家庭用蓄電池の購入で失敗しないためにも、複数社に見積もりを依頼すると安心です。
【2023年度】家庭用蓄電池の設置で使える補助金
国の補助金制度
国による家庭用蓄電池の補助金制度は、2023年2月時点で打ち切りとなっています。「蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金」が2022年に2度実施されていますが、すぐに予算満了となりました。
国が掲げる指針のなかには、再生利用エネルギーについても言及しています。そのため、新たに補助金制度を実施する可能性もあり、最新の情報をチェックしましょう。
各自治体が独自に補助金制度を実施
国での補助金制度は打ち切りなっていますが、各自治体が独自に実施しています。そのなかから2つの自治体をピックアップして、補助金制度の内容を紹介します。
例1:東京都の補助金制度
東京都では、家庭における蓄電池導入促進事業として「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」を行っています。予算額に達した時点で終了となりますが、令和6年度まで実施予定です。東京都内の住宅に助成対象機器を設置する個人・法人が助成対象者であり、具体的な補助金額と対象条件は以下のとおりです。
【対象条件】
・蓄電容量1kWh当たりの機器費が 20 万円以下
・補助対象機器としてSⅠⅠにより登録されているものである
・購入した際の領収日が、令和4年4月1日から令和8年9月30日までのものである
・都内の住宅に新規に設置されたものである
・未使用品であること
・対象機器から供給される電力が、住居用に供する部分で使用されている
【蓄電容量 6.34kWh以上の場合の補助金】(最大1,500万円)
・SII に登録された蓄電容量に1kWh当たり150,000円を乗じて得た額
・併せて設置の太陽光発電システムの発電出力に1kWh当たり300,000円を乗じて得た額(※太陽光(4kW未満)または蓄電池のみを設置の場合は、1,200,000円)
【蓄電容量 6.34kWh未満の場合の補助金】
・SII に登録された蓄電容量に1kWh当たり190,000 円を乗じて得た額
・950,000 円
参考元:東京都「家庭における蓄電池等導入促進事業|助成金申請の手続き」
例2:長野県の補助金制度
長野県では、住宅におけるエネルギー自立化の促進を目的に「既存住宅エネルギー自立化補助金」を行っています。長野県内の既存住宅において、家庭用蓄電池を新規設置する方が対象です。以下は具体的な補助金額と主な要件になっています。
【主な要件】
・申請者が居住する県内の住宅に対処の設備を設置すること
・信州の屋根ソーラー認定事業者との契約により設置すること
・令和5年2月28日(火)までに補助対象設備の設置が完了すること
・蓄電容量が4キロワット時以上であるもの
・国が実施するZEH化等支援事業の対象製品であること
【家庭用蓄電池を導入する場合の補助金】
·15万円
·参考元:長野県「既存住宅エネルギー自立化補助金」
家庭用蓄電池を設置するメリット
家庭用蓄電池を設置する3つのメリットについて解説します。
①停電時や災害時に電気が使える
災害による停電が発生しても、家庭用蓄電池があれば電源確保には困りません。家庭用蓄電池は貯めた電気を使うため、もしものときにもしっかりと備えられます。
たとえば、5〜7kWhの製品であれば、次のような電化製品を動かせます。
・冷蔵庫(消費電力:50W) ・LED照明(消費電力:100W)・携帯電話の充電(消費電力:15W)・テレビ(消費電力:100W)
さまざまな電化製品が生活の軸となっており、非常時でも使用できるのはメリットです。
②電気代の節約につながる
家庭用蓄電池を設置するメリットとして、電気代の節約も挙げられます。電力会社から供給している場合、電気料金プランを夜間の安いプランに変更します。夜間に電気を貯め、昼間に使用することで電気代の節約が可能です。ガスを使用しないオール電化住宅であれば、家庭用蓄電池を設置することによる電気代の節約効果を得やすくなります。
③太陽光発電との併用で効率的に電力消費できる
家庭用蓄電池と太陽光発電を併用することで、電気の自家消費・売電が可能です。昼間に太陽光発電で発電した電気を家庭用蓄電池に貯めておきます。必要な際に自宅で電力を消費することもできれば、余った電気は売電できます。すでに太陽光発電を導入している家庭であれば、環境とお財布に優しい生活スタイルが確立するでしょう。
家庭用蓄電池を設置するデメリット
ここでは、家庭用蓄電池を設置する3つのデメリットを見ていきましょう。
①設置するための金額が高い
家庭用蓄電池の大きなデメリットとなるのがコスト面です。メーカーや機種などにもよりますが、一般家庭に導入されるものであれば最低でも100万円前後かかります。各自治体の補助金制度が活用できるものの、気軽に設置できるとはいえません。安心を買うための必要な出費ではありますが、導入費用の高さはネックとなるでしょう。
②家庭用蓄電池には寿命がある
初期費用が高額な家庭用蓄電池ですが、充放電の回数に限りがあります。寿命を超えると蓄電容量が徐々に減っていくため、いずれは交換が必要です。家庭用蓄電池の寿命は15~20年が目安となっています。最新機種など耐用年数は徐々に増加傾向にあるものの、少しずつ劣化していくことはデメリットといえるでしょう。
③設置場所が限られている
家庭用蓄電池は屋内・屋外のどちらかに設置するため、場所の確保が必要です。サイズの目安は、幅:約80cm・奥行:約40cm・高さ:約100cmとなっています。大きなスペースは必要ありませんが、設置場所には以下のような環境が望ましいです。
・直射日光が当たらない
・高温多湿でない
・重塩害地域でない
このように、スペースがあればどこでも設置できるわけではありません。
家庭におすすめの蓄電池---ポータブル電源:
家庭用蓄電池のデメリットを解消できるポータブル電源について
家庭用蓄電池はメリットもありますが、費用面がネックという方も少なくないでしょう。そこで代用としておすすめなのがポータブル電源です。ここでは、ポータブル蓄電池と家庭用蓄電池の違いや災害用として購入する場合の選び方を解説します。
関連人気記事:ポータブル蓄電池とは?買うべき人の特徴と後悔しないための注意点
●レジャーや防災目的としても活用できる
ポータブル蓄電池の特徴であり家庭用蓄電池との違いは、持ち運びができることです。家庭用蓄電池は設置場所が限られていますが、ポータブル蓄電池は違います。大容量ではあるものの比較的コンパクトに作られており、屋外への持ち運びも可能です。キャンプや車中泊へ持っていくことで、寒い季節でも電気毛布などを使用して快適に過ごせます。
また、家庭で蓄電池を設置できないケースでも、ポータブル電源であれば気軽に導入できる点もメリットといえるでしょう。災害時の動力源として常備しておくのもおすすめです。
●電気代の節約につながる
ポータブル電源は家庭用蓄電池と同様に、電気代の節約効果もあります。ポータブル電源のみの使用であれば、深夜帯に充電して、その電気を昼間に使用する方法です。電気料金プランを夜間の安いプランに変更することで、電気代を抑えられるでしょう。
また、ポータブル電源はポータブルソーラーパネルと併用できることも魅力です。一般的に太陽光発電のソーラーパネルは自宅の屋根に取り付ける必要があります。初期費用がかかることがデメリットですが、ポータブルソーラーパネルは設置工事が不要です。
●安くて導入しやすい
自治体の補助金制度を活用できる家庭用蓄電池ですが、それでも初期費用が高く感じてしまう方も少なくないでしょう。ポータブル電源は設置工事や複雑なメンテナンスが不要で、家庭用蓄電池に比べて、安価なため導入しやすいこともメリットです。メーカーや製品によって機能性が異なりますが、ポータブル電源は電池容量の大きさが価格に大きな影響を与えます。
たとえば、200Wh程度の電池容量が小さいタイプであれば3万円以下で購入できます。大容量タイプである2000Whの製品でも30万円以下で購入可能です。家庭用蓄電池の導入には最低でも100万円はかかることを考えれば、比較的安価に手に入るでしょう。
また、ポータブルソーラーパネルとセット販売されているポータブル電源もあります。電池容量が小さなタイプであれば本体価格にプラス2万円程度、大容量タイプは本体価格に7~10万円程度プラスされた金額が相場となっています。
●災害時に備えるなら1000Wh以上の大容量のものを選ぼう
ポータブル電源は家庭用蓄電池と比べると、容量が小さくなります。防災時や停電時に備えるなら、1000Wh以上のポータブル電源を選びましょう。
その理由として以下の3つが挙げられます。
・冷蔵庫やエアコンなど命を守るための家電製品を使用する
・家電製品のなかには消費電力の高いものがある
・大規模災害だと復旧までに2~3日かかるケースもある
・1000Whのポータブル電源があれば、一般的な電気毛布(40〜50W)を約14時間の使用が可能です。また、2000Wh以上の大容量タイプもあります。バッテリー容量が大きいほど価格も高くなるため、予算と使用目的に合わせて選びましょう。
家庭用蓄電池の代用としておすすめのポータブル電源製品
家庭用蓄電池の代用となるポータブル電源は、Jackery(ジャクリ)が販売する製品がおすすめです。ここでは、非常時でも活用できる大容量タイプのポータブル電源製品を紹介します。
●Jackery Solar Generator 2000 Pro
Jackery Solar Generator 2000 ProはJackeryのポータブル電源のなかで、もっとも容量の大きいJackery ポータブル電源 2000 Proとソーラーパネル200Wを組み合わせた商品です。電池容量2160Whの定格出力が2200Wの大容量タイプとなっています。非常時はもちろんのこと、家庭の節電対策としても活用できるポータブル電源です。
Jackery ポータブル電源 2000 Proで使用できる電気製品の例は以下のとおりです。
・ミキサー(300W):約5時間
・冷蔵庫(520W):約3.3時間
・エアコン(1150W):約1.5時間
・電子レンジ(1160W):約1.5時間
ソーラーパネル200Wを6枚で最速2.5時間でフル充電が可能です。
デュアルバッテリーチップを搭載したバッテリーマネージメントシステム(BMS)によって過充電や過放電を防止します。また、4つの温度センサーによって異常発熱などを確実に防ぐなど、安全性にも優れたポータブル電源です。
おすすめの家庭用ポータブル蓄電池一覧:
Jackery Solar Generator 2000 Pro
容量:2160Wh
定格出力:2200W
フル充電:7.5時間(Solarsaga 200W×1枚)
通常価格:¥285,000(税込)
Jackery Solar Generator 1000 Pro
容量:1002Wh
定格出力:1000W
フル充電:17時間(Solarsaga 80W×1枚)
通常価格:¥178,600(税込)
Jackery Solar Generator 1500pro
容量:1,512Wh
定格出力:1800W
フル充電:11時間(Solarsaga 200W×1枚)
通常価格:¥206,210(税込)
Jackery Solar Generator 1000
容量:1002Wh
定格出力:1000W
フル充電:17時間(Solarsaga 100W×1枚)
通常価格:¥169,900(税込)
関連人気記事:「徹底解説」用途別のポータブル電源容量目安を紹介
まとめ
家庭用蓄電池は補助金を活用できますが、手軽に購入できるものではありません。しかし、万が一を想定して停電時でも電力の供給システムを探している方も少なくないでしょう。
そこで、家庭用蓄電池に代用できるのがポータブル電源です。家庭用蓄電池と比べて電池容量は少ないですが、比較的安価で購入できます。また、コンパクトサイズで持ち運びも可能なため、非常時以外でもキャンプや車中泊などで活用可能です。
Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は大容量でコンパクトな設計に加えて、安全性が高いため非常時でも安心して使用できます。また、ソーラーパネル『Jackery Solar Generator』とセットで販売されていておすすめです。
災害時に備えたいという方は、この記事を参考に検討してみてください。
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