1.ヒートショックとは?なりやすい人と起こりやすい場所
ヒートショックとは、急激な温度変化が原因で血圧や心拍数に大きな変動が起こり、身体に負担を与える現象です。ヒートショックは、失神や不整脈、脳卒中、心筋梗塞などの症状を引き起こし、入浴中の溺死や急死につながります。
ヒートショックのリスクが最も高い季節は、家の中でも急激な温度変化がある冬です。若い人であっても、条件が重なるとヒートショックのリスクが高まるので、注意してください。
●ヒートショックが起こりやすい場所
ヒートショックが起こりやすいのは、温度差が激しくなる場所です。家の中でも暖房をしていない脱衣所や浴室、トイレなどは、室温が10℃を下回ることも珍しくありません。
暖房が効いた部屋から寒い場所に移ると一気に体が冷え込み、ヒートショックを引き起こします。特に、身体全体が露出する入浴時は、最も注意が必要です。寒い脱衣室で服を脱ぐと、体の表面温度が急降下し、血圧は急激に上がります。
●ヒートショックになりやすい人
ヒートショックは、年齢や病歴を問わず誰にでも起こりえる現象ですが、リスクの高さは人によって異なります。ヒートショックになりやすい人の特徴は、以下のとおりです(※1)。
ヒートショックになりやすい人 |
特徴 |
高齢者 |
血圧変化を起こしやすく、体温維持が難しい |
生活習慣病の患者 |
血圧の激しい上下変動により、低血圧症が起きやすい |
糖尿病・脂質異常症の患者 |
動脈硬化が進行していると、症状が起こりやすい |
※1参考:東京都健康長寿医療センター「冬場の住居内の温度管理と健康について」
2.シャワーだけでもヒートショックになる原因を解説
ゆっくり湯船につかる時間がなく、シャワーだけで済ませている方も多いのではないでしょうか。脱衣所で冷えた体をシャワーで急激に温めた後に、再び寒い脱衣所に戻るため、ヒートショックになるリスクは十分にあります。
特にシャワーの温度が高ければ高いほど、ヒートショックになりやすいと言えるでしょう。激しい温度変化によって、血管は収縮と拡張を繰り返し、心臓への負担が高まるのです。
3.ヒートショックの危険大!シャワーを控えるべき条件
ヒートショックは、年齢や持病といった条件に該当しない方であっても、体調や生活習慣によって引き起こされる可能性があります。ヒートショックのリスク因子を把握し、シャワーを浴びるかの判断を厳密に行えば、ヒートショックを大幅に予防できます。 ヒートショックの危険が高まるシャワーを控えるべき条件は、以下のとおりです。
①体調が優れない時
高齢者に多いヒートショックですが、若い人でも体調不良の時には十分起こりえます。ストレスがかかっていたり、不規則な生活を送っていたりすると、自律神経に影響を及ぼします。自律神経は、血圧を調節する役割も果たしているのが特徴です。
自律神経のバランスが崩れていると、温度変化による血圧の調節が上手くいかず、ヒートショックを引き起こしてしまうのです。少しでも体調が優れない時は、回復するまでシャワーや風呂を控えたり、ぬるめの温度に設定したりする工夫を行いましょう。
②食事や飲酒をした直後
食事をした後は、消化のために胃や腸に多くの血液が集まるため、血圧は下がります。また、飲酒後もアルコールの作用で血管が拡張し、血圧は一時的に低下しています。
この状態でシャワーを浴びると、血圧の変動が大きくなるため、ヒートショックのリスクは高まるのです。食事や飲酒をした後は、しばらく時間を置いてからシャワーを浴びましょう。
③医薬品を服用した後
精神安定剤や睡眠薬などの医薬品を服用した後も、シャワーと風呂は控えてください。一部の医薬品には、血圧を下げる作用があります。
医薬品の服用後に体が急激な温度変化に晒されると、血圧の上下運動が激しくなり、ヒートショックの引き金になるのです。服用している医薬品がヒートショックを助長するかどうかは、医師や薬剤師に確認しましょう。
4.冬でもシャワーだけ派のヒートショック対策3選
温度変化が激しい冬にシャワーだけで済ませている方は、ヒートショックへの対策が欠かせません。浴室を温めてから風呂場に入り、徐々にシャワーの温度に慣らしていく工夫が必要です。冬にシャワーだけ派のヒートショック対策を紹介します。
①入浴前にシャワーで浴室を温める
浴室暖房がない場合は、入浴前にシャワーで浴室を温める方法がおすすめです。高い位置から湯船に向けてシャワーを注げば、湯気によって浴室全体が温まります。
湯船だけでなく壁にも直接シャワーをかけておけば、浴室の温度はさらに上がるでしょう。体の冷え込みを抑えるために、服を脱ぐ前にシャワーで浴室を温めてください。
②かけ湯をしてからシャワーを浴びる
服を脱いで浴室に入ってからは、熱いシャワーを浴びる前にかけ湯で体を慣れさせましょう。かけ湯によって徐々に体を温めれば、血圧の急上昇を防げます。
かけ湯を行うのは、手や足などの心臓から遠い場所です。いきなり心臓に近い場所にお湯をかけると、体の負担が大きくなるので注意してください。
かけ湯は、38〜41℃程度のぬるめの湯が最適です。特に高齢者や高血圧の方、糖尿病を患っている方は、最後に頭から湯を浴びておけば、脳出血の予防になります。
③首から背中にかけてを温める
かけ湯をした後は、42℃程度のお湯で最初に首から背中にかけてを温めましょう。首から背中には太い血管が通っているため、効率的に全身を温められます。また、冷えた血液が急に心臓に戻るのを防ぎ、血圧の乱高下を抑制するので、心臓への負担を軽減できます。
全身が温まれば、自律神経も整うため、血管の収縮・拡張が穏やかになるでしょう。お湯がかかっていない時間が長くなるほど、体と浴室内の温度は急激に下がるので、基本的には出しっぱなしがおすすめです。
5.シャワー後にできるヒートショック対策3選
ヒートショックの危険は、シャワーを浴びた後にも潜んでいます。せっかくシャワーで温まった身体も、寒い脱衣所に戻れば急激に冷えていきます。シャワー後にできるヒートショック対策は、以下のとおりです。
①体を浴室内で拭く
脱衣所の寒い空気に触れると、体が急激に冷えて血管が収縮するため、浴室内で体を拭きましょう。濡れた状態で脱衣所に出ると、体に付いた水滴が蒸発して体温を奪っていきます。
一方の浴室内は、飽和水蒸気量に達しているため、体に付いた水滴がほとんど気化しません。シャワーが終わったらすぐに体を拭けるように、タオルは浴室内に準備しておきましょう。
②髪をすぐに乾かす
髪を濡れたままにしていると、体温の低下につながります。浴室から出たら、すぐに髪を乾かしましょう。ドライヤーで急激に熱風を当てるのではなく、最初は低温設定で乾かすと、頭皮や髪に優しく体温調整にも効果的です。
浴室内でしっかり髪の水気を取ってからドライヤーを使うと、短時間で効率的に乾かせます。暖房が効かない脱衣所の滞在時間を短縮できるので、ぜひ実践してみてください。
③コップ1杯の水を飲む
シャワーを浴びると汗をかき、脱水になりやすいため、浴室から出たらコップ1杯の水を飲みましょう。脱水になると血液の粘度が高くなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。水分補給はヒートショックだけでなく、熱中症の予防にもなるため、1年中通して役立つ習慣です。
5.家族がヒートショック起きたらの対策と行動
家族が浴室でヒートショックが起きて気を失っていたら、身体を浴槽から出して呼吸の確認と気道の確保を行いましょう。呼びかけても反応がなかったり、呼吸が弱かったりする場合は、早急に救急車を呼んでください。
嘔吐や窒息のリスクもあるため、横向きの回復姿勢にします。呼吸や脈が確認できない場合は、胸骨圧迫と人工呼吸をしなければなりません。意識があっても、ろれつが回らなかったり、体に力が入らなかったりする場合は、迷わずに救急車を呼びましょう。
6.ヒートショック対策で役立つJackeryポータブル電源
ヒートショックを防ぐためには、部屋間での温度差をなくす工夫が必要です。ポータブル電源があれば、暖房が効いていない廊下や脱衣所、トイレなどの気温を簡単に上げられます。
ポータブル電源とは、内部に大量の電気を溜め込み、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器です。コンセントに依存せず、どこでも暖房機器を稼働できるようになるため、浴室に入るまで体を冷やしません。ポータブル電源を使ってヒートショックを防ぐための方法を見ていきましょう。
①ヒーターで脱衣所・浴室を温める
コンセントが少なかったり、高い位置にあったりする脱衣所や、暖房が使えない浴室でも、ポータブル電源があればセラミックファンヒーターを稼働できます。セラミックファンヒーターとは、置き場所を選ばないコンパクトな暖房器具です。
脱衣所と浴室を快適な温度に保てるので、服を脱いだ際に血圧の急上昇を防げます。タイマー機能のあるヒーターを選べば、浴室から出る直前に脱衣所で稼働して、服を着る際にもヒートショックを予防できるでしょう。
②エアコンの温風を脱衣所まで届かせる
ポータブル電源を使えば、暖房の効いた部屋から脱衣所までの廊下も効率的に温められます。まずは、浴室に行く前にリビングで稼働しているエアコンの設定温度を28℃に設定しましょう。その後、リビングのドアを開けて、廊下に扇風機を設置します。
ポータブル電源から廊下の扇風機に給電すれば、エアコンからの温風を効率的に廊下まで循環させられます。リビングから浴室への行き帰りでの温度差を最小限に抑えられるため、ヒートショックの対策が可能です。
③Jackery(ジャクリ)ポータブル電源がおすすめ
ヒートショック対策で使用するポータブル電源は、創業から13年間で世界販売台数500万台を突破した実績を誇るJackery(ジャクリ)製品がおすすめです。Jackery製品の主な特徴を見ていきましょう。
● BMSとNCM制御機能により、いかなる環境下でもバッテリー異常を防ぐ
● リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、10年以上も活躍する
● 業界屈指の軽量コンパクト設計により、使いたい場所まで気軽に持ち運べる
● 高出力モデルが多数取り揃えられており、暖房機器を複数台同時に稼働できる
万が一、災害によって大規模な停電が起きたとしても、常に快適な室温を保ち、シャワーを浴びた際の温度差を最小限に抑えられます。ソーラーパネルと併用すれば、コンセントが使えない状況でも、ポータブル電源に充電できます。
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7.「ヒートショックシャワーだけ」に関するよくQ&A
最後に、「ヒートショックシャワーだけ」に関するよくある質問を紹介します。シャワーだけ派の方は、湯船に入るべきか悩まれているのではないでしょうか。また、万が一自分がヒートショックになった場合に備えて、対処法も把握しておく必要があります。
①冬はシャワーだけでなくお風呂に入った方がよい?
時間に余裕がある日は、シャワーだけで済ますよりもお風呂に浸かった方がよいでしょう。シャワーにはない、風呂につかるメリットは、以下のとおりです。
● 血管が広がり、新陳代謝が活発になることで、多くの老廃物が排出される
● 深部体温が上がるため、下がる過程で深い眠りに入れる
● 筋肉が緩み、体のコリや疲れが和らぐ
● 心身がリラックスして、ストレスや疲れの緩和につながる
ただし、湯船につかってもヒートショックのリスクはあるため、注意してください。
②ヒートショックで死亡する年間の人数は?
東京都健康長寿医療センターの調査によると、入浴中の死亡者数は年間で約17,000人にのぼります(※1)。ただし、ヒートショックは医学用語ではないため、入浴中の死因は溺死や病死に大別され、ヒートショックによる正確な死亡者数は分かりません。
③自分にヒートショック起きたらどうする?
自分にヒートショックが起きた場合は、その場でゆっくりしゃがみ、横になりましょう。立ったままの状態でいると、転倒して怪我につながる恐れがあります。
お風呂に浸かっている場合は、溺れないようお湯の栓を抜いてください。その後、すぐに家族を呼んで助けを求めましょう。
まとめ
ヒートショックは、シャワーだけで済ませている場合にも起こりうる現象です。脱衣所や浴室、トイレ、玄関、廊下など、温度差が激しい場所で起こりやすくなります。ヒートショックが起きると、失神や不整脈、脳卒中、心筋梗塞などの症状に見舞われます。
ヒートショックを防ぐためには、入浴前後の対策が欠かせません。ポータブル電源を用意しておけば、暖房が効かない廊下や脱衣所、浴室でも暖房機器を稼働できるのでヒートショックの予防で役立ちます。ヒートショックは若い人でも起こる可能性があるので、万全の対策を講じてください。
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