1.自転車発電の基本的な仕組み
自転車発電は、ペダルを漕ぐ力を利用して電力を作ります。基本的な仕組みは、以下の通りです。
ステップ |
詳細 |
1.ペダルを漕ぐ |
ペダルを漕ぐとクランク(ペダルの回転を伝える部分)が回ってチェーンが動き、後輪が回転する。 |
2.発電機を回す |
後輪の回転の力で発電機が回転し、発電機内の磁石がコイルの中を動いて電流が発生する。 |
3.電気の生成 |
発生した電流が安定していないため、整流や交換を行う。 |
4.電力の交換 |
発生した電流を必要な電圧や形式に変更し、電子機器に供給できる状態にする。 |
5.電力の利用 |
生成した電力はバッテリーの充電や小型の電子機器に利用される。 |
自転車発電の基本的な流れは、「ペダルを漕ぐ→回転→発電→電力利用」です。環境に優しく、自給自足できるエネルギーとして注目されています。
2.自転車発電の発電量の目安は1時間で50〜200W程度

自転車発電の発電量は発電機の性能や漕ぐ人の体力、スピードによって異なります。1時間自転車を漕いだ場合の一般的な発電量は、以下の通りです。
ペダルを漕ぐスピード |
発電量の目安 |
用途例 |
ゆっくり |
50W |
・小型LEDライト ・スマホの充電 |
普通(※1) |
100W |
・ノートパソコンの充電 ・電気毛布などの小型家電の一部 |
速い(※2) |
200W |
・小型の電気ストーブ ・液晶テレビ |
※1:普通=少し息が上がるくらいの運動強度
※2:速い=本格的なエクササイズレベルの運動強度
自転車発電の発電量は、「1時間で50〜200W」が目安となっています。体力の問題から100Wや200Wの電力を長時間発電し続けることは難しいため、短時間の使用が現実的です。
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3.自転車発電のメリット・活用方法3選
自転車発電は運動しながら電気を生み出せる便利な仕組みですが、実際にはどのような場面で活用されているのでしょうか?
ここからは、自転車発電の具体的なメリットと活用方法を3つ紹介します。
①停電時にスマホやラジオを充電できる
停電が発生すると、多くの家庭でスマホやラジオなどの情報機器の電源が確保できなくなります。そんなときに自転車発電を利用すれば、情報機器の充電が気軽にできるように。最新の災害情報の確保ができ、連絡手段が途切れることもありません。
スマホの充電に必要な電力量は5〜10W程度なので、ゆっくりとペダルを漕ぐだけでも十分に電力をまかなえます。
②健康維持とエコ活動を両立できる
自転車発電は電気を作りながら体を動かせるので、健康維持とエコ活動を同時に実現できる画期的な方法です。室内でのエクササイズとしても取り入れることができ、天候に関係なく運動不足を解消しながら電力を発電できます。
また、こどもから大人まで楽しめるので、手軽に運動しながら家族全員でエコ活動に参加できるのも魅力です。
③教育やイベントの場で活用できる
自転車発電は、教育現場やイベントでの体験型アクティビティとしての活用も可能です。電気の仕組みやエネルギーの大切さを、子どもから大人まで楽しく学べます。
普段何気なく使っている電力の価値や消費量に気づくきっかけとなるので、楽しく体を動かしながらエコ活動の意識改革に繋がるでしょう。
4.自転車発電をDIYで自作しよう!必要な材料と作成手順
自転車発電は市販の製品を購入するだけでなく、自分で材料を揃えてDIYで作成することも可能です。ここからは、自転車発電を自作するのに必要な材料や作成手順を詳しく解説していきます。
※あくまで一参考例です。実際の手順は、購入したバッテリーや発電機の説明書などを参照しながら行ってください。
●自転車発電の自作に必要な材料と道具
自転車発電の自作に必要な材料と道具は以下の通りです。
・自転車
・発電機(ダイナモ)
・バッテリー
・ベルトまたはチェーン
・整流回路
・電圧レギュレーター
・USBポートまたは出力端子
・ケーブル類
・固定用のスタンド
・ドライバーセット
・スパナまたはレンチ
・ハンダごて
・ペンチ
・電圧計
・ノコギリまたはカッター
自転車発電をのDIYで必要な材料や道具は、基本的にホームセンターで取り揃えられます。自転車発電機の値段は、「5,000円〜1万円程度」で収まることが多いです(自転車本体を除く)。中古部品を使用すれば、さらに費用を抑えられるでしょう。
●自転車発電の作成手順①自転車の準備
自転車発電を自作するなら、まずは動力源となる自転車を用意しましょう。使用する自転車は、以下のポイントを抑えたものが最適です。
・タイヤの状態:しっかりと空気が入り、ひび割れや摩擦がないものを選ぶ
・ギアとブレーキの動作:ギアがスムーズに変速でき、ブレーキが正常に動作するものを選ぶ
また自転車発電を行うには、自転車がしっかりと固定されている必要があります。安定するスタンドや台座を作成し、自転車が倒れないように工夫してください。
●自転車発電の作成手順②ダイナモまたはモーターを取り付ける
自転車の準備が整ったら、発電の核となる「ダイナモ」または「モーター」を以下の手順で取り付けましょう。
1.ダイナモを自転車のタイヤ側面に取り付ける
2.ダイナモが軽くタイヤに接触するように調整する
3.クランプやネジなどの取り付け金具でしっかりと固定する
ダイナモは、タイヤに軽く接触するくらいの位置で取り付けるのがポイントです。接触が強すぎると摩擦が多くなりすぎて、発電効率が落ちてしまうので注意しましょう。
●自転車発電の作成手順③動力伝達用ベルトを取り付ける
自転車にダイナモを固定したら、以下の手順で動力伝達用ベルトを取り付けていきます。
1.適切なベルトを選ぶ
2.ペダル軸とダイナモにベルトを取り付ける位置を決める
3.ベルトをペダルとダイナモに取り付けて張り具合を調整する
4.ベルトがスムーズに動くかどうか動作確認を行う
ベルトは、ペダルからダイナモに向かって取り付けます。ベルトの一端をペダル軸に取り付け、もう一端をダイナモの回転部分に取り付けましょう。ベルトが緩すぎると動力が伝わりにくくなり、逆にきつすぎると摩擦が増えて効率が悪くなるので適度な張り具合に調整するのがポイントです。
●自転車発電の作成手順④整流器を取り付ける
発電した交流電力を安定した直流電力に変換するために、以下の手順で整流器を取り付けていきます。
1.整流器をダイナモとバッテリーの間に取り付ける
2.配線を接続し、端子が正しく接続されていることを確認する
3.整流器をしっかりと固定して動作確認を行う
ダイナモから発生する交流電力が、すぐに整流器を通るように設置しましょう。また、接続端子に不良があると電力がうまく伝達されないので、しっかりと確認を行なってください。
●自転車発電の作成手順⑤バッテリーへ接続する
続いて、発電した電力を蓄えるバッテリーを以下の手順で接続します。
1.整流器からバッテリーへ接続し、極性を確認する
2.安全に充電ができるように保護回路を追加する
3.バッテリーが正常に充電されているか動作確認を行う
接続するバッテリーは、使用する家電や機器によって必要な容量のものを選ぶのがポイントです。例えば消費電力10Wのスマホを1時間充電するのに使いたい場合、最低でも10Whの容量が必要になります。自転車発電で使用したい家電や機器の消費電力に合わせて、適切なものを選びましょう。
●自転車発電の作成手順⑥出力端子と接続する
バッテリーの接続が完了したら、蓄えた電力を実際に使用する機器に受給できるように、以下の手順で出力端子を接続します。
1.出力端子をアクセスしやすい場所に取り付けて配線を行う
2.出力端子をバッテリーに接続し、端子がしっかりと固定されているかを確認する
3.機器を接続し、正常に電力供給ができているか動作確認を行う
出力端子は、バッテリーに蓄えられた電力を使用するためのものです。使用する機器に応じて適切な端子を選びましょう。
●自転車発電の作成手順⑦完成したらテストを行う
自転車発電システムのすべての主要な部品が接続され準備が整ったら、以下の手順で正常に作動するかテストを行います。
1.すべての接続が正しいかを確認し、安全性をチェックする
2.自転車を漕ぐと発電が開始されることを確認する
3.出力端子を使用して機器に電力を受給できるか確認する
4.発電量や効率をテストし、問題があれば修正する
発電システムが正常に機能しているかを確認できたら、自転車発電の完成です。実際に自転車を漕いで発電し、日常生活で活用してみましょう。
5.自転車発電のデメリット5つ

自転車発電はエコで画期的ですが、デメリットもあります。
ここからは、自転車発電の5つのデメリットを紹介します。
①発電量に限界がある
自転車発電の最大のデメリットは、発電量に限界があることです。自転車発電は人力で電力を得るため、人間の力と漕ぐ速度によって発電量に大きな差があります。
消費電力の大きい家電の使用や、長時間安定して電力を供給するには向いていません。
②体力的な負担がある
自転車発電のデメリットとして、もう1つあげられるのが体力的な負担です。自転車発電は自転車を漕いで発電を行うので、体力が必要になります。
自転車を長時間漕ぐと身体への負担が大きくなり、発電を継続することが難しくなるのが現実です。無理のない範囲で発電を行いましょう。
③発電機によって発電効率が異なる
自転車発電は、使用する発電機によって発電効率が大きく異なります。そのため、発電機には発電効率がいいものを使用するのがおすすめです。
ただし、効率的な発電機は精密な部品や高品質な素材を使用しているため、初期費用がかかる場合が多いです。また、耐久性を保つためには定期的なメンテナンスが必要で、部品交換や調整が頻繁に求められることもあります。使用する発電機は、使用目的にあわせた効率とコストのバランスを考えて選択しましょう。
④バッテリー管理に手間がかかる
バッテリー管理に手間がかかる点も、自転車発電のデメリットとしてあげられます。バッテリーは劣化することがあり、適切に管理していないと性能が低下したり安全性に問題が生じたりする可能性が高いです。
充放電管理、バッテリーの選定、劣化対策、保管方法など細かな管理が求められます。できるだけ管理に手間をかけたくない方は、メンテナンスフリーのポータブル電源とソーラーパネルで発電するのもおすすめです。
⑤電圧が不安定になりやすい
自転車発電は自転車を漕いで発電するため、電圧が不安定になりやすいデメリットがあります。
不安定な電圧は、バッテリーの充電にも悪影響を与える可能性があります。バッテリーの寿命を縮める原因になり得るため、電圧が不安定にならないように一定のペダル速度で自転車を漕ぐようにしましょう。
6.ソーラー発電機「Jackery Solar Generator」で手軽に発電しよう!
もっと手軽に発電したいなら、ポータブル電源とソーラーパネルがセットになったソーラー発電機「Jackery Solar Generator」がおすすめ。ポータブル電源とは、スマホの充電から電子レンジなどの家電まで動かすことができる持ち運び可能な蓄電装置です。Jackery(ジャクリ)のポータブル電源は内蔵のバッテリーにリン酸リチウムイオン電池を採用しており、毎日使用しても10年以上使い続けられます。
【Jackery Solar Generatorのおすすめポイント】
・全世界500万台以上の販売実績を誇るポータブル電源メーカーだから信頼度抜群
・軽量コンパクトで持ち運びやすいデザインだからアウトドアから非常用電源までさまざまなシーンで大活躍
・晴れた日に太陽が当たる場所にセットするだけだから疲れることなく発電できる
・「防災製品等推奨品マーク」を取得するほど安全性が高く、メンテナンスフリーで安心
・ソーラーパネルは最高25%の圧倒的発電効率でバッテリーを高速充電可能
「Jackery Solar Generator」は、ダイナモやモーターといった専門的なパーツを用意する必要がなく、購入後すぐに使用できます。キャンプや車中泊など電源のないシーンでホットプレートや電気ケトルなどの調理家電を使用したり、停電時の非常用電源として使用したりとさまざま場面で活躍する心強いアイテムです。汎用性の高い「Jackery Solar Generator」で、手軽に効率よく発電しましょう。
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7.自転車発電のよくある質問
自転車発電に関するよくある質問を解説していきます。
●自転車発電で家全体の電力をまかなえる?
自転車発電で家全体の電力をまかなうことは、現実的に非常に難しいです。自転車発電で得られる電力は1時間で50〜200W程度となっており、スマホの充電やLEDライトなど小型家電を動かすのに適しています。
そのため家庭で一般的に使用される冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの家電の電力をまかなうには不十分です。
●自転車発電の効率を上げる方法はありますか?
自転車発電の効率を上げたいなら、発電効率の高い発電機を使用するのがおすすめです。ただし、発電効率の高い発電機は、その分費用もかかってしまいます。
費用をできるだけ抑えたいなら、中古や再利用品を活用するなどの工夫をしましょう。
まとめ
自転車発電は、体を動かしながら環境にやさしく発電ができる画期的な方法です。運動しながら自給自足できるエネルギーを作りたいと考えている人は、ぜひチャレンジしてみてください。
発電はしたいけどもっと手軽に行いたい方には、ソーラーパネルとポータブル電源のセット「Jackery Solar Generator」がおすすめです。太陽光で手軽に発電しながら、エコな環境を作っていきましょう。
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