1.ドローンを飛ばすのに資格は必要ない
ドローンの操縦に資格は必須ではありませんが、規制の範囲内で飛ばす必要があります。
航空法によると、重量100g未満の小型ドローンは原則として資格不要で飛行可能です。しかし、重量100g以上のドローンや特定の条件下での飛行には、資格や許可が必要になります。例えば、国土交通省の定める飛行禁止区域での飛行や、夜間飛行、目視外飛行などは許可を取らなくてはいけません。
資格がなくてもドローンを飛ばせますが、安全性の向上や飛行可能範囲の拡大には、資格取得を検討する価値があります。
2.ドローンの資格とは?国家資格と民間資格の2種類がある
ドローンを飛ばすための資格は、国が認定する「国家資格」と、民間団体が発行する「民間資格」の2種類です。
国家資格である「操縦ライセンス制度」の特徴や取得方法などの詳細、民間資格との違いを解説します。
●ドローンの国家資格「操縦ライセンス制度」が開始
2022年12月から、国土交通省が管轄する国家資格「操縦ライセンス制度」が始まりました。この制度は、ドローン操縦の安全性と信頼性を高めることを目的としています。資格は、ドローンの操縦技術や関連法規の知識を公的に証明するものです。
「ドローン操縦ライセンス制度」創設の背景には、以下3つの理由が挙げられます。
・地方での労働力減少をドローンを活用して解消する
・一定以上の技術を持っている人に飛行を許可することで安全を守る
・手続きを簡略化して申請による負担を減らす
参考:PR TIMES
参考:ドローンナビゲーター
国土交通省の統計グラフから分かるように、毎年多くの無人航空機の許可承認申請が行われているのが現状です。資格取得者に対して手続きを簡略化し、申請による負担を減らす目的もあります。
引用元:国土交通省「無人航空機飛行に係る許可承認申請件数の推移」
●一等無人航空機操縦士(一等資格)と二等無人航空機操縦士(二等資格)の違い
操縦ライセンス制度は、一等無人航空機操縦士(一等資格)と二等無人航空機操縦士(二等資格)の2種類です。
一等資格と二等資格にはできることや資格取得の方法などに違いがあります。それぞれの資格の違いを知り、自分に必要な資格を確認しましょう。
┃一等資格と二等資格のできることの違いを比較
2つの資格の大きな違いは、ドローンの飛行できる範囲が異なることです。
飛行範囲のレベル分け
・レベル1:目視内で操縦飛行
・レベル2:目視内で自律飛行
・レベル3:無人地帯での目視外飛行
・レベル4:有人地帯の目視外飛行
ドローンの飛行範囲は4つのレベルに分かれており、レベル1〜3は二等資格で飛ばすことができます。レベル4である「有人地帯の目視外飛行」に関しては、一等資格を所持していないと飛ばすことができません。
引用元:国土交通省「無人航空機の機体認証、操縦ライセンス制度等の創設」
「仕事でドローンを操縦したい」「人がいる場所でドローンを飛ばす予定がある」という方は、一等資格を取得すると良いでしょう。
┃一等資格と二等資格を取得する方法・費用・講習
一等資格と二等資格、それぞれの資格取得にかかる費用や時間は以下のとおりです。
項目 |
一等資格 |
二等資格 |
講習期間 |
学科18時間以上+実地50時間以上 |
学科10時間以上+実地10時間以上 |
講習費用 |
約80〜100万 |
約20〜60万 |
取得可能資格 |
一等無人航空機操縦者技能証明 |
二等無人航空機操縦者技能証明 |
(初学者の場合)
講習を受けずに独学で学習を行うことも可能です。
一等資格・二等資格とも「学科試験・実地試験・身体検査」の3つの試験に合格する必要があります。登録講習機関で講習を受けた場合、実地試験は免除されます。
二等資格の講習は、4日間程度で終了できるスクールが多く、短期間で資格を取得したい人におすすめです。経験者では講習にかかる期間や費用が異なり、民間資格を取得している人などが対象に含まれます。
参考:無人航空機操縦者技能証明に係る学科試験の科目について|国土交通省
●国家資格と民間資格の違い
ドローンを飛ばす資格には民間資格もあります。民間資格の特徴は以下のとおりです。
・民間資格にはさまざまな団体の資格があり、JUIDA認定資格などが有名である
・受講料は20〜40万円程度で、国家資格よりも安く資格取得できる
・民間資格を取得していると「経験者」の扱いとなり、国家資格を取得する際に講習を一部免除される
民間資格でも、飛行の度に申請は必要ですが、レベル1〜3(目視内で操縦飛行・自律飛行、無人地帯での目視外飛行)の飛行範囲の操縦は可能です。
今後、ドローンを使用してどのようなことを行いたいかなど、それぞれの希望に合わせて資格を取得しましょう。
3.ドローン操作に関する資格を持つメリット3選
ドローンの国家資格と民間資格には、それぞれ資格を所持していることで3つのメリットがあります。
●飛行申請の許可が取りやすい
国家資格を取得する大きなメリットの一つが、飛行許可の申請手続きが一部不要になったことです。国家資格「機体認証及び操縦者技能証明」の取得により、カテゴリーⅡ飛行のうち一部の飛行許可・承認手続きが不要になりました。
民間資格でも、飛行許可・承認の申請時に申請項目を省略できるメリットがあります。
●ドローンを飛行できる範囲が広がる
国家資格・民間資格の双方とも操縦できる範囲が広がり、より多様な楽しみ方ができます。特に、国家資格の一等資格を所持により、これまでは飛行禁止だった「有人地帯への目視外飛行」も可能になりました。
ドローン操縦の目的に合わせて資格を取得し、活動の幅を広げていきましょう。
●ドローン操縦の技術が証明できる
資格を所持していることで、一定レベルの操縦技術が証明できます。撮影の際の申請を行う際も、技術を信頼してもらいやすいです。技術を証明するためにも資格を取得しておくと良いでしょう。
特に仕事でドローンを活用したいと考えている方は、資格取得による技術レベルの判断がしやすい国家資格がおすすめです。
4.ドローンの資格取得後の楽しみ方5選
資格を取得したら、技術を活かしてドローンの世界をより深く楽しむことができます。以下に5つの楽しみ方を紹介するので、資格を取ってドローンの楽しみ方の幅を広げていきましょう。
●自然の中で空撮を楽しむ
豊かな自然景観を空から撮影することで、新たな視点での表現が広がります。さまざまな場所で壮大な自然の撮影ができます。
空撮おすすめスポット:
・鳥取砂丘(鳥取県)
日本最大の砂丘で、広がる砂の丘と日本海をバックにした景色を撮影がおすすめです。
・箱根湯本(神奈川県)
箱根の温泉街と周囲の山々の美しい風景が楽しめます。
参考:箱根町での撮影について Q&A
・富士山麓(静岡県・山梨県)
桜や紅葉、雪景色など、多様な自然をドローンでとらえることが可能です。
・琵琶湖(滋賀県)
日本最大の湖で、広大な湖面と周囲の山々が作り出す壮大な景観をドローンで撮影できます。
上記で紹介したスポットはどこも申請を取ることで撮影が可能なエリアが含まれていますが、場所によっては飛行禁止の区域もあります。事前に確認のうえ余裕を持った申請を行い、ルールを守ってドローンの飛行を楽しみましょう。
●海外での撮影を楽しむ
海外では、日本では撮影できない壮大な自然の景色を撮影できます。
ただし、ドローンに関する規制は国や地域によって異なり、海外でドローンを飛ばす場合は事前の確認が必要です。飛行機に持ち込む際は、バッテリーなど一部預け入れ荷物として預けられない場合もあるので注意しましょう。
●観光地での撮影を楽しむ
日本の美しい景観を空から捉えることで、新たな観光地の魅力を発見できます。
観光地での撮影は多くの人がいる場所では難しいですが、申請をすれば許可がおりる場所もあります。飛行申請は日程に余裕を持って行いましょう。
●ドローンレースに参加する
ドローンの操縦技術が上がると飛ばすことに楽しみを感じる方もいます。自分のドローン操作技術を試すためにレースに参加するのもおすすめです。
ドローンレースは、操縦技術を競い合う新しいスポーツとして注目を集めています。操縦技術の向上だけでなく、新たなコミュニティとの出会いの場にもなるので、ドローンを楽しむ仲間が欲しい方におすすめです。
●ポータブル電源を活用して長時間の飛行を楽しむ
ドローン撮影に最適な自然の中は電源が確保できない場所も多いため、ポータブル電源があると便利です。
ドローンのバッテリーは動作時間が短く、予備バッテリーを持っていてもすぐに電源が切れてしまいます。小型のドローンでは5〜10分程度、本格的なドローンでも20〜30分程度が一般的です。予備のバッテリーとポータブル電源を持っていることで、交互に充電しながらバッテリーを使用することが可能です。
おすすめのポータブル電源は、Jackery(ジャクリ)のポータブル電源シリーズです。小型で持ち運びが楽なシリーズから、ソーラーパネルとセットになっている長時間使用に適したモデルまでさまざまな商品があります。ドローンの使用場所に合わせて最適なポータブル電源を選ぶことが可能です。
ポータブル電源を活用して、長時間のドローン飛行を楽しみましょう。
5.ドローンバッテリーの充電におすすめのポータブル電源3選
Jackery(ジャクリ)ポータブル電源は、他社製品より15〜20%軽量・コンパクトなので持ち運びがしやすいことが特徴です。電源確保が難しい自然の中でのドローン撮影時、バッテリーの充電で活躍します。
ドローンバッテリーの充電におすすめのポータブル電源を3つ紹介します。
●Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル|軽量・コンパクトモデルだから持ち運びが楽
Jackery Solar Generator 240 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネルは、「Jackery ポータブル電源 240 New」と「Jackery SolarSaga 100W」がセットになった製品です。
ドローンのバッテリーは50〜100Whなので、約2〜5回のフル充電が可能です。予備バッテリーを持参し、交互に充電を行うことで連続して飛行を楽しむことができます。
バッテリーだけでなく、スマホや風速計などのアクセサリー充電にも活躍します。長時間活用したい場合は、ソーラーパネルで充電しながら利用しましょう。
●Jackery Solar Generator 600 Plus 100 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル セット|ドローン以外の充電もしたい方におすすめ
Jackery Solar Generator 600 Plus 100 Mini ポータブル電源 ソーラーパネル セットは、「Jackery ポータブル電源 600 Plus」と「Jackery SolarSaga 100 Mini 」がセットになった製品です。
100W出力の高性能ソーラーパネルによる充電で、電源のない場所でも繰り返し利用ができます。キャンプなどで数日間にわたって使用する場合におすすめのポータブル電源です。
定格出力800Wなので、ドローンバッテリーを充電しながら、パソコンやスマホなど他のアイテムも問題なく充電できます。充電がすぐにできない場所での利用はもちろん、災害時にも頼れる商品です。
●Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セット
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セットは、「Jackery ポータブル電源 1000 New」と「Jackery SolarSaga 100」がセットになっています。
2つ以上のUSB機器を急速充電できる「デュアルPD高速充電」に対応。スマホやドローンを同時に充電できる非常に心強いアイテムです。
遠征で温度管理が難しい環境下でも、扇風機や電気毛布で温度調節ができるので快適にドローン操作を楽しめます。
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6.ドローンの資格に関するよくある質問
ドローンの資格に関するよくある質問についてまとめました。資格取得を考えている方は参考にしてください。
●ドローンの資格の難易度は?
「操縦ライセンス制度」の正確な合格率は発表されていません。
スクール受講生の合格率は、一等・二等とも約60〜70%です。合格率には経験者も含まれるので、初心者では難易度が上がります。
●ドローンの資格を取得するとき補助金は利用できる?
法人なら「人材開発支援助成金」を活用できます。企業に勤めている従業員に資格取得をしてもらいたい場合などにおすすめです。
●スクールなしでドローンの資格を取れますか?
スクールに通わずに独学で国家資格「操縦ライセンス制度」を取得することは可能です。しかし、実地練習を行う場所を自分で見つけて練習を行う必要があります。またスクールは、国家資格を取得する実地試験が免除されるのがメリットです。
民間資格は、資格によって異なるため、専門のスクールでの受講が必要な場合もあります。民間資格の取得を希望する場合は、それぞれの資格団体に確認しましょう。
独学とスクール、それぞれのメリット・デメリットを確認した上で、どちらを選択するか決めてみてください。
ご参考になるサイト:「ドローンガイド - DRONE GUIDE -
ドローンに関する基本的知識や最新の情報をお届け!ドローンショーの開催情報からドローンのビジネス活用まで!ドローンの事ならドローンガイドをチェック。
まとめ
ドローンに関連する資格について解説しました。ドローン操作に関する資格には国家資格と民間資格があります。資格の所持により飛行範囲が広がり、手続きも簡単になるなどがメリットです。
ポータブル電源と予備バッテリーがあると、長時間ドローンを飛ばせます。コンパクトで持ち運びがしやすいJackery(ジャクリ)のポータブル電源を活用して、自然の中でドローンを快適に楽しみましょう。
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