【ユーザーインタビュー】スノーボードカルチャーの先駆者が導く、極寒環境でのジャクリ活用術
Jackeryのヒーティングバッグは、-40℃の極寒環境でもポータブル電源が使える収納バッグ。その使い勝手について、スノーボードカルチャーの先駆者であり、北海道の国際スキー場の山頂でカフェを営む、ニール・ハートマンさんに実際に使った使用感や使い道、さらに彼のバックボーンについても詳しく聞いてみました。
居心地のよさを左右する音楽の力
居心地のよさを左右する音楽の力
ニールさんがいるのはパウダースノーと広大なゲレンデが広がる、札幌市民にとってはお馴染みの札幌国際スキー場。ゴンドラで山頂に上がった先にあるカフェ「SKS INTERNATIONAL」が、彼の冬の職場です。標高1100m、冬の平均気温は-8℃、日によっては-20℃にもなるような過酷な場所で、Jackery製品が毎日活躍しているのだとニールさんは言います。オープン前のカフェで、まずはJackery製品の使い道についてお話を伺いました。
「お店の外にポータブル電源を置いて、スピーカーとiPodを繋いで音楽を流しています。ポータブル電源をそのまま置いておくには厳しい場所なので、-40℃でも問題なく使えるというヒーティングキャリーバッグが昨年登場したことで実現した使い道です」
ニールさんが使っているJackeryのポータブル電源2000 New は、2042Whの超大容量に加えて、定格出力2200W(瞬間最大4400W)の高出力でパワフル。スピーカーの出力w数は大きいものでも100w程度なので、半日以上使える計算なので、カフェの営業中は問題なくずっと使えることになります。
「外に電源がないのがこのお店のネックでした。店の外でも音をかけられたら、いいムードを作れて、店内により人を呼び込めるかもしれない。でもそのためには、ドアの隙間から延長コードを伸ばさないといけないし、配線が通行の妨げにもなります。実際このヒーティングキャリーバッグの効果はすごいですよ。ファスナーを閉じて密閉して使っていたら、バッグの中が高温になりすぎて、中に入れていたiPodが壊れるところでした(笑)。ちゃんとサイドを開かないとダメですね。」
流暢な日本語で話すニールさんは、カリフォルニア州サンディエゴ出身。高校を卒業して1991年から日本で暮らし始めると、AIR-G’ FM北海道に入社します。
音だけで演出するというラジオDJ時代に培った経験が、今やっていることすべてに役立っているとニールさんは言います。毎日お店や民泊の管理をしながら、YouTubeでのニュース配信、映像制作やカメラマン、イベントディレクターにDJまでマルチに活躍するニールさんですが、自分の職業をどう捉えているのでしょうか。
「わかりやすく言えばクリエイターですかね。でもやっていることはクラフトマン、いわゆる職人に近いかもしれない。このカフェも、僕にとってはひとつのクリエーション。今の日本は、みんなどんどん忙しくなってきています。労働人口は減り続け、一人当たりの仕事量は間違いなく増えている。そんなバタバタした日常の中で、ほんの5分でもいいから『今日はいい日だったな』って自分の人生に満足を感じられる瞬間を僕は大事にしたいし、そのためにもここが居心地のいい空間であってほしい。そして、五感の中で最もそれを左右するのが聴覚なんです」
店内にはタイプの異なるスピーカーが複数設置されていて、オーディオシステムは信頼できるプロに依頼しているのだそうです。確かに意識してみると、空間全体を満たすように音楽が響いているのに、不思議なくらいに相手の話す声が聞き取りやすいのです。
「例えばスピーカーからちょっとでもノイズが聞こえてくれば、みんな瞬時に反応してしまいますよね。それだけ音って重要な要素で、僕の場合は映像を制作する時もまず音選びから始めます。それもあってか、映像作品を観てくれた人の大半が『音楽すごくよかったよ!』って言ってくれるんです。映像ではなくてね(笑)」
カルチャーを築き上げる日本人マインド
カルチャーを築き上げる日本人マインド
ニールさんがスキー場から山頂カフェの営業を託されたのは、彼のスノーボード界での影響力も無視できないでしょう。ニールさんはスノーボードビデオグラファーの草分けでもあります。ラジオDJの仕事から派生して、HTBのスノーボード番組「No Matter Board」の初代MCに抜擢されると、長野オリンピックから正式種目として採用されたスノーボードハーフパイプのMCも務めることに。そして90年代後期からは、映像制作にも活躍の場を広げていきます。
なかでもニールさんの代表作として知られるのは、理想的な雪と斜面を求めて車で旅をする国内のスノーボーダーたちの生き様を映した2004年発表の「CAR DANCHI」シリーズ。これまでに10作が作られ、フリーライドを楽しむスノーボーダーたちの間で大きな話題となった本作は、のちに「VAN LIFE」というライフスタイルが世界に広まるきっかけになったのだとニールさんは教えてくれます。
「ギアや生活道具を詰め込んだスノーボーダーたちの車が、まるで団地のように見えたことから僕らは『カー団地』と呼んでいましたが、2010年頃にアメリカで『VAN LIFE』という言葉が生まれたことで一気に広まった。アメリカに団地はないですからね。元々ライフスタイルスポーツとしてスノーボードはアメリカで生まれましたが、そのカルチャーを築き上げてきたのは、実はアメリカではなく日本なんです。アメリカ人は他人と競争するのが好きだから、どちらかと言えばコンペ派が多い。スノーサーフィンも、VAN LIFEと同様に日本に持ち込まれてから広まったスタイルですし、今や海外の人たちが日本のやっていることに憧れて、日本の真似をし始めている状況なんですよ」
厳しい冬を楽しく安全なものにしてくれるポータブル電源
厳しい冬を楽しく安全なものにしてくれるポータブル電源
ニールさんとともに雪を求めて旅しながらスノーボードカルチャーを築き上げてきた仲間たちは、VAN LIFEを通じてそれぞれ居心地のいい場所を見つけ、今ではローカルに根ざした活動をしていると言います。ニールさんも2007年に札幌市街から定山渓に家族で移り住みました。VAN LIFEの日々を振り返ってもらうと、「15年前にJackeryのポータブル電源が欲しかった」とニールさん。
「仲間のスノーボーダーたちの多くが、最近ではJackeryのポータブル電源を車に積んでVAN LIFEを楽しんでいます。当時は車の中で電気を使うにもインバーターが必要だったし、複数同時に充電ができなかったので、その頃と比べると本当に快適。それにポータブル電源があることの安心感も大きい。いざという時に暖をとれるし、お湯も沸かせる。北海道では猛吹雪に見舞われて車から動けなくなることも実際に起こり得るので」
北海道の冬の厳しさを思い知るのは、大雪や猛吹雪のような自然現象だけではありません。日々の除雪作業も馬鹿にならないのだとニールさんは言います。
「毎朝外を見て、今日は何を許されるかなって考えるんです。前の晩に雪が降ってなければ朝の時間に余裕ができる。『今日はお許し出ましたね』と自然に感謝する。そうやって自然に合わせて暮らしています。でも、僕らには遊ぶ楽しみがあるからまだいい。冬が嫌いな北海道民も大勢いるので、冬の楽しみを見出せるように、ちょっとずつでも変えていきたいと思っているんです」
そこでニールさんが発案してくれたのが、CDプレーヤーを使ってのDJでした。インタビューを終えると、ニールさんはポータブル電源やスピーカーをソリに積んで、雪の静寂に包まれた山頂の広場を目指します。
「普段はストリーミング再生でプレイリストをかけているけど、今日は90年代に集めたCDを持ってきました。iPodのようなデジタルデバイスは確かに便利です。だけど、僕は音に“触る”楽しさを大事にしたいし、そういうアナログのマインドさえ持っていれば何でもできると思うんです。それに、Jackeryのような新しい技術を使って何ができるかを考えるのっておもしろいですよね。みんながハッピーになれる可能性を秘めていますから」
Jackery ポータブル電源 2000 New
項目 | 数値 |
容量/定格出力 | 2042Wh /2200W |
満充電時間 |
ACコンセント充電:2時間、ソーラーパネル:6時間(400W)、シガーソケット:24時間 |
出力ポート数 | AC出力×3、USB-C出力×2、USB-A出力×1、シガーソケット出力×1 |
保証期間 | 5年間 |
Jackery ヒーティングキャリーバッグ(JPC-2000A)
項目 | 数値 |
重量 | 1.2 kg |
サイズ | 37×27.5×33.5 cm
|
ヒーティングモジュールの保管温度 | -30°C ~ 85°C |
ヒーティングモジュールの動作温度 | -20°C ~ 45°C |
ニール・ハートマン
1972年カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。妻と3人の娘と定山渓に暮らす。91年に札幌に移住、AIR-G’ FM北海道のラジオDJとして活動開始。95年からHTBの番組「No Matter Board」の初代MCに抜擢されると、長野オリンピックや日産エクストレイルジャムのレギュラーMCなどを務める。99年に最初の映像作品「INTRODUCTION」を発表後、代表作「CAR DANCHI」シリーズを10作リリース。2017年から「LOCALE-JZK」、2020年から「SKS INTERNATIONAL」を営む。現在は自身のYouTubeチャンネルでアメリカのニュースを解説する「America Today」を毎日配信している。
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