自然派イベント屋の舞台裏を支える、Jackeryのソーラーパネル
「ライフスタイル×Jackery」をテーマに、自分らしいライフスタイルを楽しむ人びとや、そこで活躍するJackery製品にスポットを当てた連載企画。
今回お話をうかがうのは、多くの有名野外音楽フェスやイベントに草創期から携わり、“南兵衛(なんべえ)さん”の愛称で親しまれている、オーガニック&エコロジーなイベント制作オフィス「アースガーデン」代表の鈴木幸一さん。これまでに行ってきた活動や、自然とエネルギーの関わり、そして実際に現場で活用されているJackeryのポータブル電源の魅力について、詳しく教えていただきました。
Jackeryのソーラーパネルをイベントで活用
Jackeryのソーラーパネルをイベントで活用
都心から車で約1時間。まだ自然の景色が色濃く残る、東京都あきる野市の秋川渓谷入口。せせらぎが心地のいい川沿いの休耕地にて、焚き火で暖を取りながらインタビューに答えてくれた、”南兵衛さん”ことアースガーデン代表・鈴木幸一さん。
同氏は『FUJI ROCK FESTIVAL』『ap bank fes』といった国内屈指の野外音楽フェスに草創期から企画・運営などで携わってきたことでも知られ、大自然のなかで行うアウトドアイベントや自然から得られるエネルギーについて造詣の深い人物でもあります。
まずは南兵衛さんに、自身の現在のビジネスとJackeryポータブル電源との出合いについて伺いました。
南兵衛「僕らはいつも“オーガニックとエコロジーをテーマにしたイベント屋”だと言っていますが、もともとはイベントがありきではなく、オーガニックやエコロジーが主軸なんですね。業務として野外音楽フェスやイベントの企画制作や運営だったり、イベント内のさまざまなエリアの制作や、ボランティアのコーディネートなども行っていますが、イベント以外でも農地を続けならが低コストで太陽光発電を行う『ソーラーシェアリング』や、東京・渋谷で自然派の飲食店『キミドリ』の経営なども行っています。僕たちは地球環境や自然環境の大切さというか、『すべてのものは自然からもらっているんだ』ということを、より多くの人たちに伝えていきたいという思いで、いろいろと活動しています」
自然派のイベント屋をうたいながら、幅広いチャンネルを通じて活動を展開するアースガーデン。根幹にオーガニックとエコロジーを据えて、さまざまな取り組みを行う南兵衛さんですが、その哲学は海外のシーンから強く影響を受けているとも。
南兵衛「すでに1990年代の半ばころには、イギリスの『グラストンベリーフェスティバル』など海外の野外音楽フェスやイベントにおいて、太陽光や風車などのエネルギーを駆使する取り組みが行われていて、僕たちもインターネットが普及する以前より、そういったアイデアを率先して取り入れてきました。現在ではそうした環境負荷の低いエネルギーインフラをイベントに構築するのは当たり前となりましたし、FUJI ROCK FESTIVALやap bank fesのような大きな音楽フェスに長く携わることになったのも自然な流れというか、音楽イベント×環境への配慮という概念が、いまや切っても切れない関係ゆえのことなのです」
南兵衛「例えば、2023年、2024年に代々木公園で行った『東京ナイトマーケット』のときに組んだスタンド型の照明でも、Jackeryのポータブル電源を使わせてもらいました。通常通りの発電機で点灯させるとなると、すべての照明の足元にケーブルを引く必要があるので、歩行時の保護なども含めて、結構手間がかかるんですね。人が多いイベントでは当然危険も多いですし、気もつかいますし、コストだってかかる。だけど、ポータブル電源に変えることで、そうしたいろいろなマイナス面をすべて払拭することができました」
東京ナイトマーケットの照明デコレーションでは、Jackeryのポータブル電源が活躍
Jackeryのポータブル電源を駆使することで、照明の表現の可能性を広げるとともに、さまざまなメリットが得られたと教えてくれた南兵衛さん。自社が関わるイベントのさまざまな場面でJackeryのポータブル電源を積極的に取り入れているのだと教えてくれました。
メッセージをしっかりと伝えるためにはじめたイベントが生業に
オーガニックとエコロジーを大切にするという骨子をブレされることなく、さまざまな活動を通じてメッセージを発信し続けている南兵衛さん。その想いの根幹にあるのは、いったい何なのでしょうか。
南兵衛「僕自身は子どもの頃から世のなかに対してとにかく「?(はてな)」が多くて、本屋をやっていた祖父母の影響もあって、有吉佐和子さんの『複合汚染』だとか、レイチェル・カーソンの『沈黙の春』とかっていう、環境問題をテーマにした本と向き合うような青春時代でした。そこから1年間農業をやったり、南米を旅したりして世界を見て周ったりして。あ、それでいまでも“南兵衛”って言うんですけどね(笑)。その後、東京の御茶ノ水で『お茶の水GAIA』っていうオーガニックとエコロジーをコンセプトにしたショップを仲間とはじめたんです。今から30年以上も前の話ですが、ショップでは“大根からソーラーパネルまで”っていうキャッチコピーを掲げていて、当時は本当に初期の、発電容量が80ワットくらいしかないソーラーパネルを仕入れて1枚5万円で売っていたんです。しかも、オーガニックの野菜と並べて売ったりして(笑)。今考えるとバカみたいな話なんだけど、別にソーラーパネルや野菜を売りたかったわけではなくて、要はそれを通じて自然とエコロジーのことをみんなに伝えていきたいっていう思いが強かったんですよ」
氷河期から1万年の生態系を数日で巡ることができるパタゴニアのパイネ峰での写真。南兵衛さんにとって聖地と言える場所
さらに、現在の仕事へと繋がるきっかけについても聞いたところ、次のような答えが返ってきました。
南兵衛「当時はまだインターネットも普及していない頃だったし、自分たちで雑誌メディアをやろうという感じでもなくて。ただお店をやっているだけでは、僕らのメッセージ伝えきれないなって。そんなときにこ゚縁もあって、店内スペースを使って人が集まれるようなイベントを開催することになったんです。店内パンパンに詰めて40人ぐらいは入ったと思いますが、ネイティブアメリカンのフルート奏者のコンサートをしたり、マクロビオティックの先駆けの方のトークをやったり。時の勢いみたいなものもあって、それなりに人が集まるようなイベントができたんですね。それで、これが僕らにいちばん合ってるなって(笑)。そうやって“大根からソーラーパネルまで”っていう、オーガニックとエコロジーの八百屋だか雑貨屋だか、なんだかわからないお店から、その宣伝だと思ってやっていたイベントの方が得意になった。そうした流れで、いまの僕があるんです」
南兵衛さんたちがお店ではじめたイベントはすぐに評判となり、次第に野外フェスやイベントに呼ばれるように。また、その頃は1990年代の音楽フェスムーブメントの真っ只中で、1996年に初開催されたFUJI ROCK FESTIVALにも、2年目から本格的に関わるようになっていきました。
Jackeryを使って、「電気のこと」をちゃんと理解することが重要
メッセージをしっかりと伝えるためにはじめたイベントが、現在の生業に
自身のこと、そしてこれまでの経緯について教えてくれた南兵衛さん。活動を通じて感じたJackeryのポータブル電源の可能性についても、語ってくれました。
南兵衛「現在ウチではJackeryポータブル電源1000を6台所有していて、ノートPCの充電や手元照明など、事務作業のちょっとした電源として使っています。最近では僕らのような制作会社がポータブル電源を持っているのは普通になってきていますし、イベントの現場で当たり前に見かけるようになってきています。これまで主流だった燃料式の発電機は、運搬や持ち運びの面でも安全性の面でも、どうしても不自由さがありましたけど、ポータブル電源であれば事前に充電しておくだけで持ち運びもラクにできますし、危険性も少ないので重宝しています。さらに、ソーラーパネルがあれば充電の選択肢が増え、運用もラクですね」
Jackeryを使って、「電気のこと」をちゃんと理解することが重要
南兵衛「でも、僕が重要だと思っているのは、使いたい容量を頭に入れておくということと、電気のことをちゃんと理解しておくことです。実は、一般の方の多くが電子レンジを使うのも、パソコンを使うのも同じことだと思っていて、そこに差を感じていない。どんなに容量のあるポータブル電源でも、電子レンジをバンバン使ったらすぐにバッテリー残量が無くなってしまうし、逆にパソコンを使うぐらいだったら小さくても十分だったりする。僕らはJackeryさんからポータブル電源をお借りして、それだけですべての電気を賄って屋外ライブをしたこともあるんですよ。つまり、みんな自分が使う電気についてちゃんと把握できていないから、上手く使いこなすことができないんです」
Jackeryのポータブル電源を使用し、サクラの花盛りの里でライブを実施した時の様子
南兵衛「自然の大切さを伝えたいと言いましたが、そこにはシンプルな“すべては太陽からもらっている”という答えがあります。地球という星に、太陽の光が降りそそぐことによって有機物ができて、光合成によってバイオマス資源になる。化石資源だって、もともとはバイオマス資源からできているし、水だって太陽光があるからこそ地球上を循環している。すべてが太陽の恩恵を受けていると言えるんですよ。そう考えると、ソーラーパネルによって太陽光で発電する太陽光発電というものの意味というか、面白さみたいなものもあると思うんです。やっぱり、僕らがいま使っているエネルギーはどこから来て、どう溜まっていって、どんなことに活用できるのか。そういうコトの本質を知るために、Jackeryのポータブル電源やソーラーパネルっていうのはすごくいい入口になってくれると思います」
最後に、自身のこれからについても触れてくれました。
南兵衛「おかげさまで、僕らはイベント屋として大規模なものに関わることは、ひとつの役割を終えつつあるというか、大きな地点を超えたのかなと思っていて。これからはもっときめ細やかなことを、ひとつずつ丁寧にやっていくフェーズに入ったのかなって。例えばこういう休耕地を活用して、ここに太陽光のパネルをたくさん並べてJackeryのポータブル電源に2〜3日でどれだけ充電ができるのかを体験するワークショップをやってみるとか。その電気だけでライブをやってもいいし、単純にそのエネルギーを使って農業をやるだけでもいい。そうやって、この五日市という地域に根ざした活動をしながら、Jackeryのポータブル電源を使って、“エネルギー育”みたいなことをやっていくのも面白いかなって思いますね」
自然の大切さを伝えたいという思いが、そのまま大規模な音楽フェスや音楽イベントの企画や運営にまで発展した南兵衛さん。当時から伝えたいと思っていることは、いまも同じ。そして、彼の思いや活動にも、Jackeryのポータブル電源は大いに役立っているのです。
Jackery ポータブル電源 2000 New
項目 | 数値 |
容量/定格出力 | 2042Wh /2200W |
満充電時間 |
ACコンセント充電:2時間、ソーラーパネル:6時間(400W)、シガーソケット:24時間 |
出力ポート数 | AC出力×3、USB-C出力×2、USB-A出力×1、シガーソケット出力×1 |
保証期間 | 5年間 |
<プロフィール>
南兵衛@鈴木幸一
アースガーデン代表
10代終わりからの日本各地と南米への旅を経験。1989年には石川県白山麓での百姓暮らしを経て、オーガニック&エコロジーのショップ「お茶の水GAIA」や、地球環境の問題に対するムーブメントのひとつである「アースデイ東京」の立ち上げに参画。現在はアースガーデン代表として、FUJI ROCK FESTIVAL 、ap bank fesなど、数多くの野外音楽フェスの企画制作・運営に携わりながら、さまざまなエコロジー・プログラムを実現するなど、その活躍は多岐にわたる。また、『フェスティバル・ライフ』(中央公論新社)、『良品活力』(山と渓谷社)などの著書も知られる。
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