1.どちらが電気代安い?扇風機とエアコンの電気代を比較!
まずは、扇風機とエアコンの電気代を計算して行きます。電気代の計算方法と条件は以下の通りです。
・計算方法:kw(消費電力)×kWh(電気料金単価)×時間
・扇風機の消費電力:40W(計算時は40W÷1000wh=0.04kW)
・エアコンの消費電力:最大1000W(計算時は1000W÷1000wh=1kW)
・料金単価:東京電力スタンダードプランS 121kWh〜300kWhの36.60円(2023年6月1日現在)
1時間・12時間・1ヶ月・1年ごとのエアコンと扇風機の電気代を計算しました。24時間扇風機をつけているのは現実的ではないため、1日12時間稼働で設定させてもらいます。エアコンと扇風機の電気代比較は下記表のとおりです。
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1時間 |
12時間 |
1ヶ月 |
1年 |
扇風機 |
1.464円 |
17.568円 |
約527円 |
約6,412円 |
エアコン |
36.6円 |
439.2円 |
13,176円 |
160,308円 |
※1ヶ月は1日12時間×30日 1年は1日12時間×365日で計算
同じ使用時間で見ると、扇風機の方が電気代安いことが分かります。エアコンを12時間365日使うご家庭は少ないので、実際はもう少しエアコンの電気料金はお安くなると思います。
それでも、エアコンと扇風機1時間あたりの電気代の違いがおよそ35円あるので、扇風機がいかに節電になる家電かわかります。
2.エアコンと扇風機を併用して節電する4つの方法
扇風機の電気代が安いことがわかりました。しかし、暑い夏にはエアコンを使わないと室内でも熱中症のリスクがあります。実際に総務省消防庁の発表によると、令和4年8月の熱中症による救急搬送の39%が住居での熱中症となっています。
(出典:総務省消防庁 報道資料 令和4年8月の熱中症による救急搬送状況)
エアコンを切ることはできないので、設定温度を1℃だけ上げる節電がおすすめ。総務省からも、エアコンの温度設定を1℃上げるだけで、13%も消費電力を削減できると発表されています。
(出典:環境省 家庭でできる節電アクション)
先程計算した1ヶ月あたりのエアコンの電気代に当てはめると、単純計算で1ヶ月あたりおよそ1,712円も節電になります。そこで、扇風機とエアコンの併用により「エアコンの設定温度を1℃上げる」無理のない節電方法を紹介します。
①エアコンの冷たい空気を扇風機で循環
エアコンで冷えた空気を、扇風機で部屋中に回して部屋の温度を下げれば、節電につながります。冷たい空気は床に溜まる性質があります。せっかくエアコンから排出された冷たい空気も床に溜まっていては、部屋や人間の体を冷やしてくれません。
そこで、扇風機で床に溜まった空気をかき混ぜて、部屋全体を冷やしてあげると言うわけです。扇風機の置き方のコツとしては、
・床の空気を持ち上げたいので、扇風機は上向き
・エアコンと対角に置くと良い
・エアコンの吹き出し角度は水平にする
になります。
もちろん、エアコンの効いた部屋で扇風機を回して、直接体を冷やすのも効果的です。エアコンと扇風機を併用して、設定温度を1℃上げて電気代を節約してみましょう。
②冬も扇風機とエアコンを使えば節電になる
暖房を使う場合は、扇風機を天井に向けて暖かい空気をかき混ぜて部屋全体をあたためてあげましょう。
③扇風機の設置場所を変えて節電効果を上げる
電気代の節電効果を高めるには、扇風機を置く場所がポイントです。エアコンの真下に扇風機を置き、部屋全体にエアコンの冷気や熱気を循環させましょう。
エアコンから出る空気を効率的に部屋全体に送れるので、エアコンの風向きや風量を微調整する必要がありません。その結果、調整にかかる電気代が削減できます。また、部屋の温度が設定温度に早く近づくため、エアコンの稼働量も最適化します。
④DCモーター扇風機を使用する
エアコンと扇風機を併用する際には、DCモーター扇風機を使用すると、より一層節電効果が高くなります。なぜなら、ACモーター扇風機と比べるとDCモーター扇風機のほうが電気代が約半分になるからです。
特に長時間エアコンと扇風機を稼働させる場合には、DCモーター扇風機の使用がおすすめです。
DCモーター扇風機の初期費用はACモーター扇風機よりもかかりますが、長い年月使用することを考えると、決して無駄な買い物にはならないでしょう。
3.エアコンとの併用で扇風機とサーキュレーターどっちがいい?電気代の違いも
風に直接当たって涼むことを目的とする扇風機に対して、サーキュレーターは空気を循環することを目的としています。そのため、エアコンから出る空気を効率よく循環させるには、サーキュレーターがおすすめです。
サーキュレーターは、扇風機よりも風力が強いので、部屋の隅々まで風が行きわたります。その結果、室温が設定温度により早く近づくため、節電効果も高くなるのです。
エアコンの設定温度は、冷房で1℃上げるごとに約10%のエネルギーを削減できると言われています。そのため、エアコンの消費電力を1,000Wとした場合、設定温度を1℃上げると900Wで稼働できます。
サーキュレーターは扇風機よりも体感温度を下げられるため、サーキュレーターはエアコンの設定温度を2℃、扇風機は1℃上げられると仮定して1ヵ月の電気代を見ていきましょう。(サーキュレーターと扇風機の消費電力は20Wで統一しています)
<扇風機>
{(1,000W-100W)+ 20W} ÷1,000×36.60円/kWh × 12時間/日 × 30日 = 約12,122円
<サーキュレーター>
{(1,000W-200W)+ 20W} ÷1,000×36.60円/kWh × 12時間/日 × 30日 = 約10,804円
サーキュレーターを使った方が、1ヵ月に電気代を1,318円も節約できます。
4.エアコンの電気代を節約する4つの方法
以下3つの方法によって扇風機よりも電気代がかかるエアコンの電気代節約が可能です。特別なことをする必要はなく、誰でも簡単に取り入れられるので、ぜひ実践してみてください。
①カーテンやすだれで日差しを遮断する
冷房を作動させている際には、レースのカーテンやすだれで日差しをカットしましょう。断熱効果が高まり、エアコンの効きが良くなります。その結果、設定温度に到達するまでに必要な電力が減るため、節電効果が期待できるのです。
②フィルター・室外機を掃除する
エアコンのフィルターや室外機の掃除も、節電効果が期待できます。長期間使用しているエアコンのフィルターや室外機には汚れが付着しており、冷暖房機能の効率を下げています。
1ヵ月に2回のペースで掃除を行えば、年単位で見て大きな電気代の節約に繋がるでしょう。ダイキン工業株式会社が行った調査によると、エアコンフィルターと室外機の掃除を行った場合には、1ヵ月で1,720円もの電気代を削減できました(※参考元)。
③エアコンの室外機を日光から保護する
エアコンの電気代を抑える方法として、室外機を日光から保護する方法もあります。室外機は室内の熱を排出するための設備で、室外機が熱くなると室内の熱を排出するために必要な電力が増えるため、そのぶん電気代も余分にかかります。室外機を日光から保護する方法は、おもに次の3つです。
・天板を保護する
・室外機全体を保護する
・すだれや植物で保護する
天板を保護するタイプの日除けは、アルミやプラスチックなどで作られたカバーを天板にかぶせるだけなので、最も簡単な方法です。
室外機全体を保護するには、木製やアルミ製などの箱型カバーで室外機を覆います。すだれや植物などで室外機に日陰を作る方法も、よく利用されています。
④自動運転モードを使用する
エアコンの電気代節約が期待できるにも関わらず、意外と知られていない機能に自動運転モードがあります。自動運転モードとは、設定温度に達するまでは強い風力で運転し、設定温度に達した後は弱い風力で運転する機能です。エアコンが室温を感知しながら、より少ないエネルギーで効率よく運転するため、電気代の節約に繋がります。
5.扇風機をより効果的に使うための工夫
扇風機はエアコンと併用する以外にも、より効果的に使う工夫をして電気代の節約にもつながります。扇風機をより効果的に使うための工夫を下記のとおり、詳しく解説して行きます。
①窓を開けて扇風機を置く
窓を開けて扇風機を窓辺に置くと、空気の入れ替えができて節電につながります。具体的に言うと、
・外気温より室内温度が高い【外気温<室内温度】=扇風機を室内に向けて涼しい空気を取り入れる
・外気温より室内温度が低い【外気温>室内温度】=外の空気が入りにくくなる
と言う方法です。
夜の睡眠時に、「エアコンはつけたくなし、扇風機の風も嫌なんだよな」と言うときに役に立ちます。また、扇風機を窓辺に置いて、エアコンを動かさずに済んだら節電になりますよね。扇風機を使う場所も考えてみましょう。
②扇風機の前に氷を置く
扇風機の前に氷や保冷剤を置いて扇風機を回せば、扇風機の風が冷たく感じられます。涼しい風を浴びられるので、エアコンの設定温度を下げられますね。
扇風機の前に置いた氷や保冷剤が溶ける時の気加熱を利用する方法で、扇風機に保冷剤を取り付ける専用の商品も発売されています。
氷や保冷剤をボウルに入れて、扇風機の前におけばOKです。かんたんにできるので、試してみましょう。
③浴室乾燥機を扇風機乾燥に変える
雨の日の洗濯乾燥を浴室乾燥じゃなく、扇風機による乾燥に変えると節電になります。雨の日などに活躍する浴室乾燥機って、実は消費電力の大きい設備なんです。浴室乾燥機の消費電力は、およそ1250Wもあります。1時間あたりの電気代を計算すると45.75円と場合によってはエアコンよりも高額。洗濯物を乾かすには、もったいない費用に感じられます。
扇風機を使った洗濯物の乾かし方は以下の通りです。
- 浴室物干し竿に洗濯物を並べる
- 浴室入り口に扇風機を置く
- 浴室換気に向けて下から上に扇風機の風を当てる
扇風機で送風すると風の流れができるので、服が乾くときに出る湿気をどんどん換気扇に送り込めます。すると、浴室内の湿度が低く保てる+風の効果で早く乾きます。部屋干しの嫌な匂い対策にもなるので、おすすめの節電方法です。
6.太陽光発電で電気代を削減!おすすめのJackery Solar Generator
防災アイテムとして注目されているソーラー発電機Jackery Solar Generator(ポータブル電源・ソーラーパネルセット)を使った節電方法もおすすめです。「ポータブル電源で節電?」「ポータブル電源への充電で、電気代がかかるじゃん」と思っていますね。ポータブル電源とソーラーパネルを使えば、太陽光発電を利用できるので、節電しつつ快適に暮らせるんです。
●Jackery Solar Generatorで節電する方法
①太陽光発電した電気で家電を動かすポータブル電源をソーラーパネルの太陽光発電で充電し、家電を動かせば節電になります。例えば、Jackeryポータブル電源2000Plusは、200Wのソーラーパネル6枚を使って約2時間でフル充電ができます。太陽光発電で充電した電気は自然エネルギーですので、家電を使っても電気代はかかりません。
さらに、Jackeryのソーラーパネルは、折り畳みソーラーパネルだから、工事も不要です。ベランダなどで充電できるため、後付けでソーターパネルを屋根に載せるより手軽に太陽光発電を導入できます。エコな電力で、節電して快適な暮らしをしましょう。
②電気代の安い夜間電力を活用する方法雨の日には、電気代の安い時間帯でポータブル電源に充電して、電気代の高い時間帯に、ポータブル電源から家電に給電することで、電気代を節約することができます。
東京電力の夜トクプラン「夜トク8」では、
・午前7時〜午後11時:32.71
・午後11時〜翌午前7時21.75円
と夜間の電力料金の方がお安くなっています。
夜間電力でJackeryポータブル電源を充電して、どれだけお得か計算しました。12時間まるまる扇風機を動かしたとして、1日5.2円も節電になります。(1日12時間扇風機を使ったと仮定)
なお、電気料金プランによっては、夜間電力がお安くなり場合もあります。
関連記事:ポータブル電源を普段使いする方法は多彩
●防災や家庭の太陽光発電におすすめの製品
①Jackery Solar Generator 2000 Plus ポータブル電源 セット
②Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル
③Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル セット
7.扇風機とエアコンの電気代に関するよくある質問
最後に、扇風機とエアコンの電気代に関するよくある質問を紹介します。扇風機とエアコンの電気代節約方法を身に着け、余剰資金を捻出しましょう。
①エアコン、扇風機を1日つけっぱなしにした際の電気代は?
エアコン(500W)、扇風機(20W)を1日12時間つけっぱなしにした際の電気代は、約228円です。料金単価36.60円/kWhとして、以下の計算式で求められます。
(500W+20W)÷1,000×36.60円/kWh × 12時間/日 = 約228円
②寝る時にエアコンと扇風機の電気代を節約するには?
寝苦しさを感じないために、就寝中はエアコンと扇風機を稼働し続けている方も多いでしょう。電気代を節約するには、自動運転モードに設定するのがおすすめです。
設定温度になるまでは強運転し、設定温度になれば弱運転に切り替わります。就寝中のほとんどの時間は弱運転で最適化されるため、多くの節電効果が期待できるでしょう。
関連記事:エアコンの除湿と冷房どっちが電気代を損している?除湿と冷房の使いどころを紹介
まとめ
扇風機は電気代は安く、うまく使えば快適さを保って節電できるアイテムです。しかし、いくら節電だからと言って熱中症になるほど我慢してはいけません。体に負担をかけないよう、エアコンを使いながら適度な節電を心がけてください。
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